小松左京

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ああ、ついに!という感じがします。巨星が堕ちました。
それにしても。小松左京が亡くなったこの年に東日本大震災と原発事故があったのは、返す返すも象徴的です。
大きなメッセージを残してくれましたね。
いまから「日本沈没」を読んだり見たりする人が出るでしょう。何かを感じてもらえるはずです。

当時。小松さんの「日本沈没」は小学生だったぼくに影響を与えました。でも小説は難しい上に長くて、読破出来なかったのです。「マジンガーZ」の頃ですよ。
映画も、子供には勿体ないほど品格があった。品格がありすぎて内容が難しい。日本が沈む寸前に地下に怪獣がいるような期待があったので(ばかだと思う)ちょっと肩すかしの子供でした。
いまの頭で思うに、特撮スペクタクルよりも、森谷司郎監督は、小松さんの心情を酌んで日本人の民族としての行く末にのみ焦点を合わせていたと、大人になって、考えられますが。
ラブシーンだって大人のまぐあいでしたからね。ちょうど良かったのは、中学生になった頃のテレビ版の「日本沈没」。
しかし、たしかに、映画の方が良くできています。
社会派の監督だから、小説の胆を、われわれ日本人はどう生きるのか、どこへ向かうのか?という点に絞っていた点にいまさらながら感慨が深まります。
今回の震災で、本当に、故郷を奪われた人たちがいます。みんな真剣に日本人の行く末を考える時期なんだと、思うのです。

偉そうに良いながら、実は小松さんの小説はほとんど知らないんです。
SF映画は好きだけど、SF小説は苦手です。なぜだろうな。途中で飽きてしまう。難しいからだと思うんです。
映画の方は、その後、「エスパイ」「復活の日」「さよならジュピター」「首都消失」とぜんぶ観てきました。
「エスパイ」以外は読んでいないけど、どれも、小説以上の出来になっていないと思っています。
テレビでは「宇宙人ピピ」「空中都市008」はかろうじて記憶があります。「猿の軍団」は残念ながら裏番組の「宇宙戦艦ヤマト」の方を見ていました。
小松左京の名前があっても好き嫌いはあるんです。

どっちにしても、一番は「日本沈没」です。
その前後に五島勉が書いた「ノストラダムスの大予言」もベストセラーになって、これも東宝が映画化していますが、小松左京と五島勉を比較したら天誅が下りますよ。

小松さんが東宝と仲が良かったのは、早川書房が出した「SFマガジン」のコンテストの審査員を、東宝の藤本真澄専務、田中友幸プロデューサー、円谷英二がやっていた経緯もあったでしょね。たしか賞を取っています。初期の「SFマガジン」を斜め読みした際にそれらの記事がありました。とっておけば良かった。
SF作家クラブがやっていた築地の会合へ東宝の人間が顔を出して、映像の企画をもらっています(「マタンゴ」なんかもこの延長の企画)。
大阪万博にSFチックな雰囲気があったのも、小松さんがスタッフに居たからでしょう。
SFという、ともすれば、視野の狭いと思われがちな世界を、広く世に伝えた功績は計り知れません。大変な逸材の方でした。合掌。

写真は、「日本沈没」のヒロインを演じたいしだあゆみ。
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