600分の1

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ヤフオクに、マルサン商店が66年に発売した「ウルトラQ」の怪獣の初期分が出ています。
かなりミントな状態で、コレクターが放出したにしても、倉庫に眠っていたような美しさ。
贋作もずいぶん出たけど、他の内容もそれなりに蔵出しの掘り出し物っぽいので、入札者も躊躇がありません。
ぼくが金持ちだったら、ちょっと欲しいところ(笑)。
いえ、無謀な事は間違っても出来ません。
この不況時、バブル時期の値段にはならないと思います。しかし、ゴローとゴメスの1期は、100万じゃ買えませんからねぇ。
いくらで落ちるか、ビンボー人は高みの見物です。

この2つ、俗に、1期発売分と呼ばれるテスト販売のもので、その数、1種につき600個だと、マルサンの営業をされていたイシヅキさんは述懐しています。600個で6種類なら3600個。
でも、6種類で600個かも知れません。その方が数が割れます。各100個。10個ずつ、6箇所の店舗。あるいは50個ずつなら12店舗。
ぼくの想像では、たぶん、山の手線の主要ターミナルにあるデパートで売ったのでしょう。
東京、有楽町、新橋、品川、渋谷、新宿、池袋、それとマルサンの地元の浅草あたり。それで600個はすぐはけるでしょう。600というのはそういう数です。
なぜそんな事をしたかというと、未知数だったからです。

まだ放映前の「ウルトラQ」は製作期間が足かけ2年にも亘って、65年の中途から少年誌を賑わせ始めました。
その年末、東宝が「怪獣大戦争」を、大映が「大怪獣ガメラ」を用意していたので、「ウルトラQ」の注目度も高くなります。
TBSも宣伝に力を入れて、マーチャンダイジング(商品化権利)が注目されました。
「ウルトラQ」の最初の商品は、レコード会社競作によるフォノシートです。放映前の年末商戦に登場します。

マルサンも、プラモデルとブリキの電動ゴジラが売れていたので、飛びついたわけですが、肝心の流通卸問屋が良い顔をしなかったそうです。
怪獣はグロテスクだから、売れない。
そこで、「ウルトラQ」の怪獣は、瀬戸物職人で、銀行の貯金箱や動物の可愛いソフビの原型で定評のあった名古屋の原型師へ頼みます。
この人の怪獣は繊細で力強く、また可愛く、存在感があります。
この人の、というか、マルサン怪獣に3本柱の特徴があります。
<S字曲線>
キューピー人形と同じ幼児体型で優しい顔。子供が手に取りやすいフィット感を伴います。
<脚の角度>
絶妙で、座らせるとまた可愛い。
<メタリック塗装>
当時は原色がオモチャの鉄則でした。マルサンの怪獣はどれも輝きます。

幼稚園だったぼくは、ガラモンのメタリックブルーに目を見張りました。
武蔵小山の玩具屋で買ってもらい、レストランで袋をやぶって遊び、帰りのタクシーの中、暗がりで外のヘッドライトに照らされたメタリックブルーの輝きは今でも網膜に焼き付いています。

さて。マルサンの怪獣、初期600個は、すぐ売れてしまえばデパートも気をよくして増産の注文が来るわけです。これは、マルサンがデパートへ委託したスロットルカーレースのキットで前例があるからまんざら当て推量でありません。
版権がまだ緩かったので、この600個は、ゴム印で<円谷プロ>と足の裏に押されました。
成形色はぜんぶ、濃いブルー。ゴジラブルーと言われますけど、ゴジラのソフビはこの後です。
ガラモンとゴメスとナメゴンはその上に、ゴローとペギラは焦げ茶をくるむように塗装し、仕上げにメタリックを使っています。
遊んで色が剥げて、下地が見えて来た時のマッチングが素晴らしい。
そういう計算はなされていたかどうか、分かりませんが。

さて、どうなるんでしょうね。
この1期発売分、それぞれどれくらい現存しているんでしょう。それぞれ10個くらいは残っているようですが。
「なんでも鑑定団」に出たガラモン1期は、700万円でした。

写真は、まんだらけのオークションに出た時のゴロー1期。


ゴロー
http://page8.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h155444475
ゴメス
http://page8.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h155263386
ナメゴン
http://page10.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m91051953
ガラモン
http://page9.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/k138129040
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