第7話『出撃(前編)』 | ガンダム魂!!~ガンダムよ永遠に~

第7話『出撃(前編)』

機動戦士ガンダムSoul


第7話『出撃(前編)』


昔、誰かが言っていた。


―――人はどこまで、感情を殺して生きられるのだろう...


僕がソウルエッジに所属してから

1ヶ月が過ぎようとしていた。


訓練に慣れて来た僕は、ふと気になった事をリュウに聞いた。


『リュウ...ブラッド・フレームって

 何で動いているんだ?』


口から、タバコの煙をゆっくりと

吐き出してから、リュウは

『逆に聞くが、お前は何で動いていると思う?』

と逆に訊いてきた。


『それはガソリンとかじゃないか?』


とっさに、そう答えた僕に、リュウは


『普通はそう思うよな。だが違う。ブラッド・フレームは


そんな物で動いちゃいない。』と言った。


『じゃ、どうやって?』


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『それを可能にしたのが


コクピットにあるコアメタルだ。



『コアメタル?』と僕が初めて聞く言葉に戸惑っていると


『コアメタルは、パイロットのソウルに反応して


 高エネルギーを作り出す金属の結晶体。


 そのエネルギー効率は、ガソリンの数千倍だ。』

 

とリュウが答えた。


『すごく便利な物なんだな。


そんな物をどうやって作ったんだ?』


『あぁ?そんな事、知らねぇよ。


ただ、特殊な方法で造られていて


とても貴重な物らしいがな...』


少し沈黙の時間が流れたが、すぐにリュウは


『それにコアメタルは便利だが 


 致命的な欠点も抱えている。』と続けた。


『致命的な欠点?』と僕はすぐに訊き返した。


『あぁ。ブラッド・フレームは


パイロットのソウルを喰らって動く...』


リュウは真剣な眼差しを僕に向けると


『そして、ソウルを喰い尽くされたパイロットは死ぬ。

烈火の前パイロット...霧島エイジのようにな。』


僕は驚いて、言葉も出なかった。


『お前も死にたくなければ、常に自分のソウルには


気を配っておくんだな。』


―――ソウルを喰い尽くされたパイロットは死ぬ。


リュウの言葉が重くのしかかった。


僕達がシミュレーターのある建物に戻ろうとした直後


突然、周囲が‘閉ざされた世界’になった。

鳴り響くサイレン。


『市街地にソウル反応。パイロットは


 出撃準備をして下さい!!』


緊迫したユイちゃんの声が、施設内に響き渡った。

              (後編 に続く)

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