ウィリアム・シェイクスピア

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シェイクスピア

 


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『夏の夜の夢』の粗筋

2007-09-09 17:08:32
テーマ:シェイクスピア
アテネで、大公のシーシアスと、アマゾン族の女王ヒポリタの結婚式が五日後に迫った。大公に仕えるイジアスには娘のハーミアがいて、父親として、デミトリアスに結婚させたがっているが、ハーミアはライサンダーと相思相愛であり、父の命令に言うことをきかない。
 ハーミアとライサンダーは駆け落ちをすることにする。森で二人は待ち合わせることにする。
 場面が変わって、知能の足りない職人たち(大工のクィンス、機屋のボトム、等)が、大公の結婚式のための座興として、劇をすることになった。劇は『ピラマスとシスビー』の悲恋である。
 また場面が変わって、アテネ公の森で、妖精たちが出現する。いたずら好きな妖精パックが現われる。妖精の王オーベロンは、妖精の女王のタイターニアがインドから連れてきた子どもを譲るように妻に頼んだが、妻はそれを拒んだため、二人は仲たがいしている。
 オーベロンは仕返しをするために、パックに頼んで、キューピッドが放った矢が落ちたところに生えている花を取ってくるように命じた。その汁は、惚れ薬であり、その薬を塗られた者は、目が覚めて最初に見た者を好きになるのである。
 ヘレナがデミトリアスを恋い慕っているが、デミトリアスは拒否するのを見てオーベロンは、パックに、仕返しのためタイターニアのまぶたに花の汁を塗るだけでなく、デミトリアスにもつけるように命じる。
 森へと相思相愛の恋人たちであるライサンダーとハーミアが駆け落ちのためやってくる。二人はそこで眠るが、そこへパックがやってきて、間違って、ライサンダーに花の汁をつけてしまう。
 そこへ、デメトリアスとヘレナがやってきて、ライサンダーが目を覚ますと、最初に見たヘレナを好きになってしまう。ヘレナは二人の男性になぶられたと思う。
 また、そのところへ、職人たちが、劇『ピラマスとシスビー』の練習にやってくる。それを見たパックはいたずらして、機屋のボトムの頭を驢馬(ろば)に変 えてしまう。他の職人たちは逃げ出す。そのとき、花の汁をぬられた妖精の女王タイターニアは目を覚まし、頭が驢馬に変えられたボトムに恋する。そして、女 王は豆の花、蜘蛛の巣、蛾の精、辛しの精を呼ぶ。
http://www.bpib.com/illustrat/rackham7.htm
 妖精の王オーベロンが現われて、パックの首尾を見るが、パックが間違えて惚れ薬を、ライサンダーにぬってしまったことに気づく。オーベロンは惚れ薬を 眠っているデミトリアスにぬる。デミトリアスは目を覚まして見たヘレナを好きになってしまう。幼友達であったハーミアとヘレナは仲たがいし、また、ライサ ンダーとデミトリアスも言い争いから、剣を抜いて、決闘へと向かう。
 それを見て、オーベロンは、パックを使って、二人を別々にさせて、眠らせる。そして、薬草をつけるように命じる。その薬草で、目の迷いが去り、正気にもどり、今までのことが夢幻と映じるだろうと述べる。
 また、オーベロンは女王タイターニアが驢馬の頭のボトムにほれ込んでいる姿に哀れをもよおした。また、タイターニアからインドの子どもをもらった。オー ベロンはボトムから驢馬の頭を取り外すように命じた。そして、タイターニアのまぶたに、「貞潔な月の女神ダイアナの花」の汁をつけて、正気に返らせる。
 オーベロンとタイターニアは仲直りする。そして、翌日の夜のシーシアス公の結婚とともに、二組の恋人たちにも結婚させようとする。
 朝となり、そこへシーシアス公が狩りに来る。そこで、和解した二組の恋人たちに会う。シーシアスは三組の結婚式をすることを述べる。不思議な経験を恋人たちは述べる。

「ハーミア:なんだが、二つの目で別々に眺めているよう、みんな二重に見えるのですもの。
ヘレナ:あたしもそうなの。デメトリアスは手に入ったけれど、それが拾い物の宝石のよう、自分のものであるような、自分のものでないような。」 新潮文庫 p. 86 
 
場面はシーシアスの宮殿、余興で職人たちの『ピラマスとシスビー』が演じられる。他愛のない芝居であるが、観劇しながら、シーシアスたちはいろいろ批評す る。そして、座興が終り、真夜中となり、シーシアスたち一同退場する。そして、オベロンやタイターニアや妖精の群れが、蝋燭のついた冠をかぶって、大広間 にやってくる。大広間の暖炉に蝋燭の火をうつす。彼らは歌い、踊る。

アーサー・ラッカムのイラスト
http://rackham.artpassions.net/


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夏の夜の夢

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文学
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夏の夜の夢』(なつのよのゆめ、原題:A Midsummer Night's Dream)は、ウィリアム・シェイクスピア によって1590年代 中頃に書かれた喜劇 形式の戯曲 。全5幕からなり、アテネ近郊の森に脚を踏み入れた貴族や職人、森に住む妖精たちが登場する。幾度か映画化もされている。他にも後世に作られた同名の作品が複数ある。1950年代までの古い日本語翻訳では真夏の夜の夢(まなつのよのゆめ)と訳されることが多い(日本語訳タイトルの節 を参照)。メンデルスゾーン の同名の序曲 および劇付随音楽 (「結婚行進曲 」で知られる)はこの戯曲に基づく(夏の夜の夢 (メンデルスゾーン) を参照)。またベンジャミン・ブリテン による同名のオペラ 作品も存在する(夏の夜の夢 (ブリテン) )。

概要

アセンズ(アテネ )の街と近郊の森が舞台となる。2組の貴族の男女:ハーミア、ライサンダー、ヘレナ、ディミートリアス、織工のボトム、妖精の王オーベロン 、女王タイターニアパック が主な登場人物である(登場人物 参照)。人間の男女は結婚に関する問題を抱えて森に入り、妖精の王たちは養子を巡るけんかによって仲が悪くなる。しかし、オーベロンの画策やパックの勘違いや活躍によって最終的には円満な結末を迎える。


注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。


アセンズ公シーシアス(テセウス )とアマゾン 国 のヒッポリタとの結婚式が間近に迫っており、その御前から舞台は始まる。貴族の若者ハーミアとライサンダーは恋仲であるが、ハーミアの父イージアスはディ ミートリアスという若者とハーミアを結婚させようとする。ハーミアは聞き入れないため、イージアスは「父の言いつけに背く娘は死刑とする」という古い法律 に則って、シーシアスに娘ハーミアを死刑にすることを願い出る。シーシアスは悩むものの、自らの結婚式までの4日を猶予としてハーミアへ与え、ディミート リアスと結婚するか死刑かを選ばせる。ライサンダーとハーミアは夜に抜け出して森で会うことにする。ハーミアはこのことを友人ヘレナに打ち明ける。ディ ミートリアスを愛しているヘレナは二人の後を追う。ハーミアを思うディミートリアスもまた森に行くと考えたからだ。

シーシアスとヒッポリタの結婚式で芝居をするために、6人の職人が一人の家に集まっている。役割を決め、練習のために次の夜、森で集まることにする。かくして、10人の人間が、夏至の夜に妖精の集う森へ出かけていくことになる。

オーベロンとタイターニアの喧嘩:中央左がタイターニア、中央右がオーベロン。タイターニアがかばうようにしているのがとりかえ子。周りには森の妖精が描かれている。
オーベロンとタイターニアの喧嘩:中央左がタイターニア、中央右がオーベロン。タイターニアがかばうようにしているのがとりかえ子。周りには森の妖精が描かれている。

森では妖精王オーベロンと女王タイターニアが「とりかえ子」を巡って喧嘩をし、仲違いしていた。機嫌を損ねたオーベロンはパックを使って、タイター ニアのまぶたに花の汁から作った媚薬をぬらせることにする。この媚薬はオーベロンの魔力によって作られた強力なもので、目を覚まして最初に見たものに恋し てしまう作用がある。パックが森で眠っていたライサンダーたちにもこの媚薬を塗ってしまうことで、ライサンダーとディミートリアスがヘレナを愛するように なり、4人の関係があべこべになってしまう。また、パックは森に来ていた職人のボトムの頭をロバに変えてしまう。目を覚ましたタイターニアはこの奇妙な者 に惚れてしまう。

とりかえ子の問題が解決するとオーベロンはタイターニアが気の毒になり、ボトムの頭からロバの頭をとりさり、タイターニアにかかった魔法を解いて二 人は和解する。また、ライサンダーにかかった魔法も解かれ、ハーミアとの関係も元通りになる。一方、ディミートリアスはヘレナに求愛し、ハーミアの父イー ジアスに頼んで娘の死刑を取りやめるよう説得することにする。これで2組の男女、妖精の王と女王は円満な関係に落ち着き、6人の職人たちもシーシアスと ヒッポリタの結婚式で無事に劇を行うことになった。

[編集 ] 物語の背景

ヨーロッパでは夏至、妖精 の力が強まり、祝祭が催されるという言い伝えがある。劇中でも小妖精のパックや妖精王オーベロンなどが登場する。特にトリックスター 的な働きをするパックは人々に強い印象を与え、いたずら好きな小妖精のイメージとして根付いている。Puck はもとはプーカ Puka などとして知られていた妖精のことである。

『真夏の夜の夢』の執筆時期と最初の上演がいつだったのか正確な日付は不明であるが、1594年から1596年の間であったと考えられている。 1596年2月のトーマス・バークレイ卿とエリザベス・キャレイの結婚式で上演するために書かれたとする説もある。『真夏の夜の夢』の構想の元となった作 品は不明であるが、個々の登場人物や出来事は、ギリシャ神話古代ローマ の詩人オウィディウス による『変身物語 』、アウグスティヌス の『黄金のロバ 』といった古典的な文学から流用されている。

[編集 ] 日本語訳タイトル

初期の翻訳では、原題の midsummer nightを直訳して「真夏の夜」 の語が用いられた(坪内逍遥三神勲 など)。しかし原題が指すのは6月下旬の夏至 midsummer day の夜のことであり、日本でいう「真夏」つまり夏のさかりの夜ではない。そのため、現在では日本の読者に誤解を招くとして、『夏の夜の夢』と訳するのが一般的である(福田恆存小田島雄志松岡和子 ら)。

[編集 ] 登場人物

[編集 ] 貴族

  • ハーミア Hermia:ライサンダーの恋人、イージアスの娘。
  • ライサンダー Lysander:ハーミアの恋人。イージアスに嫌われている。
  • ディミートリアス Demetrius:イージアスが決めたハーミアの許嫁。ハーミアに思いを寄せる。
  • ヘレナ Helena:ハーミアの友人。ディミートリアスに思いを寄せる。
  • イージアス Egeus:ハーミアの父。
  • シーシアス Theseus:アセンズの公爵。ギリシャ神話ではテセウス として知られる。
  • ヒッポリタ Hippolyta:アマゾン国の女王。ギリシャ神話に登場する。

[編集 ] 職人

  • ボトム Nick Bottom:織工。ロバの頭をかぶせられる。
  • クインス Peter Quince:大工。
  • フルート Francis Flute:オルガンのふいご修理屋。
  • スターヴリング Robin Starveling:仕立て屋。
  • スナウト Tom Snout:鋳掛け屋。
  • スナッグ Snug:指物師。

あだ

[編集 ] 妖精

  • パック PuckRobin Goodfellow とも呼ばれる、いたずら好きの妖精。オーベロンの命令で媚薬を塗ったりするが、早とちりや勘違いから行った行為は登場人物たちを混乱させることになる。トリックスター の典型例としてしばしば引き合いに出される。また一般的に考えられている小さな妖精のイメージは彼に由来する。
  • オーベロン Oberon:オベロンとも。妖精の王。花の汁から媚薬を作ったり、パックを使い画策を練る。タイターニアの夫。
  • タイターニア Titania:タイタニア、ティターニアなど。オーベロンの妻、妖精の女王。とりかえ子を手元に置こうとしてオーベロンと喧嘩をする。
  • その他の妖精たち:豆の花 Peaseblossom, 蜘蛛の巣 Cobweb, 蛾の羽根 Moth, 芥子の種 Mustardseed。頭がロバになってしまったボトムの世話などをする。

[編集 ] 映画化

他の多くのシェイクスピア作品と同じく、何度も映画化されている。主だったものを以下に記す。

[編集 ] 宝塚歌劇

1992年 月組 公演。タイトル『PUCK』、小池修一郎 潤色・演出。舞台音楽を松任谷由実 が担当して話題になった。

[編集 ] 関連項目

[編集 ] 外部リンク

Wikimedia Commons
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