● 「うちの子が、何回言ってもアトピー治療を真剣にしないんです。どうしたらいいですか?」
こんにちは、荒井佐知です。
ランチ会やお茶会で、ときどき、こういう質問を受けることがあります。
「うちの子が、何回言っても、アトピー治療を真剣にしないんです。どうしたらいいですか?」
「ちゃんとしないとアトピー治らないよ!って言っても、私の言うことを聞かなくて…」
質問してくる方のほとんどが、お母さんです。
ごくまれに、お父さんもいるかな。
だいたい似たような質問を受けるので、私の考えをお伝えします。
今日は辛口な表現もあるので、苦手な方は、見ないほうがいいと思います。
さて、どうして親は、子供を自分の思うようにしようとするのでしょうね。
物心がついていて、自分の意見を持っている子供を、どうして親の思ったようにさせようとするのでしょうか。
親ですもの、子供の心配をするのは分かります。
だたね、親だからって、子供の気持ちを横に置いて、自分の言うことをきかそうとしてもいいのですか?
親がよく使うセリフでね、あなたのことを心配しているから…とか、あなたの将来を思って…とか言いますが。
この言葉って、ズルイですよ。
最強の切り札じゃないですか。
この言葉は、子供の罪悪感を刺激します。
だから、本当は嫌だけど、しぶしぶ、親の言うことを聞く子供も出てくるのですね。
子供は、自分のためのアトピー治療ではなく、親のために自分の心にフタをしたまま、アトピー治療をすることになります。
子供が、
「親が私の気持ちを理解してくれない!」
と思うときはね。
親が心配という切り札を使って、子供の気持ちを横に置いたまま、親の言うことをきかせようとしているときなのでしょう。
子供が治療を受けてくれないと言う親は、なぜ受けないのか、子供に聞いたことはあるのでしょうか?
子供の気持ちを聞いたことがあるのなら、なぜ子供の気持ちを横に置いて、親の言うことをきかせようとするのでしょうか?
子供にアトピーが出たときに、自分の責任だと感じる親もいます。
だから、どうにか治してやりたいと、必死になるのも分かります。
でもね、親の罪悪感を、子供のアトピーを治すことで、解消しようとしないでください。
子供には、親の罪悪感は関係ないのです。
子供が、将来アトピーで、苦労しないようにしたいと思う親もいるでしょう。
どうして、わが子が苦労すると、今から決めているんですか?
親から見れば苦労のように見えるできごとも、子供からすれば、そうじゃない場合もあります。
親の物さしだけで、子供の人生を決めないでください。
もし、子供が苦労をしたとしても。
苦労する経験をすれば、この先おこるであろう困難も、自分で乗りこえる力がつきます。
幸せな人生を歩んでいく力が、ついてくるのです。
アトピーの子供をかかえる親は、もっと自分を信じてみませんか。
自分のことが信じられないと、子供のことだって、大丈夫だと信じられません。
最後に…。
親が思うよりも、子供は強く生きていける力があるのです。
親の言うことをきかせる前に、子供の気持ちをしっかりと聞いて、子供がどうしたいと思っているのかを、親がいったん受け止めてください。
アトピー治療うんぬんの前に、親から子供へ、心の中に持っている愛を、たくさん注いでくださいませ。
親から注がれた愛と、親が無条件に信じてくれている事実は、アトピー治療をおこなっている子供の、心の支えになるのですから。
脱ステロイド・ステロイド治療中の不安、アトピーの偏見、職場の人間関係のストレスなど、ご相談ください。