こんにちは。FSD・セックスレス専門カウンセラーの松尾 聡子です。
私のブログやメルマガを読んでくださって
「したくないセックスは断ってもいいんだ」
「夫婦関係を穏便にしようとして我慢して行うセックスは、逆に夫婦の信頼関係を壊してしまうんだ」と、気づくことができて、夫にもそう伝えたけれど。
やっぱり、夫に性欲を我慢させるのはかわいそうで、申し訳ない。
私はしなくて安心だけど、夫の「したい」という気持ちはどうすればいいんだろう?と、どうしても罪悪感がぬぐえずにつらさを感じている、という話もうかがいます。
今日は、そんな罪悪感にどう向き合ったらいいのかをお伝えしたいと思います。
さて、ちょっとだけ、法律のお話です。
来月(2024年4月)、DV防止法の改正が施行されるのをご存知ですか?改正点では、
パートナーや配偶者間での「同意のない性行為」は
DV(性的虐待)として法的措置が適用されるようになる、というものです。そして、昨年(2023年)7月には、性犯罪の刑法も改正されました。
大きな改正点としては、これまでの
「強制性交罪」は「不同意性交罪」に、「強制わいせつ罪」は「不同意わいせつ罪」になりました。つまり、
「強制」でなくても「同意がない」という時点で罪に問われる可能性がある、ということです。
これは、パートナーや配偶者でも成立します。
だからと言って、同意を取らない夫を訴えよう!ということではありません^^;
今、夫婦のセックスについての考え方が法的なレベルでも変わってきている、ということです。よく「セックスの拒否は離婚理由になる」と法律を持ち出されてしまいますが
もう、それは通用しないのです。
このことについては、
こちらの記事を参考にしてください。どちらの法改正も、ポイントとなるのは「性的同意」です。「性的同意」とは、一言でいうと
というものです。
これまでのような「いやよいやよも、好きのうち」とか「いやがってても、やってるうちに気持ちよくなるだろう」
ということで、無理やり性行為を行うのはダメになったのです。「じゃ、とりあえず同意を取ればいいんだろ?」という方もいらっしゃるかもしれませんが
単に同意を取ればいい、ということでもありません。
同意を取る時に大切な2つのポイントがあります。
「No」と言える状況であるか、
「No」と言える関係性であるか、この2つを満たした同意でないと認められないんです。
◆ ポイント1:「No」と言える状況であるかたとえば、相手が泥酔していたり寝ていたりする場合は、
自分で明確に判断できない状況と言えます。
このような状況で、無理やり言わされた「Yes」は同意とは言えません。
また、「断ったら不機嫌になるから」「気まずくなるのはイヤだな」と、しぶしぶ「いいよ」と言う場合もそれは同意とは言えません。◆ ポイント2:「No」と言える関係性であるかたとえば、権力、経済力、年齢、腕力などが対等ではない関係性では、「No」が言いづらいですよね。ここ数年、芸能界をはじめ社会的にも問題になっている性暴力やパワハラでも
「デビューしたいよね」
「みんなが通る道なんだよ」
というような言葉が、「No」と言えない関係性の中で言われていました。
また、継続的に精神的、身体的なダメージを受けていると
「この人には逆らえない」
「この状況は変えられないんだ」と、「同意しない意思」を持つことさえできなくなってしまいます。これも「No」と言えない関係性が構築されている、ということです。
今までは、
夫婦はお互いしかセックスできる相手がいないんだから、夫婦である以上、必ず相手の性欲には応じて、相手を満たさなければならない、と考えられてきました。
だからこそ
「夫婦だったらセックスするべき」
「セックスのない夫婦は、夫婦じゃない」
と言われ続けていて、
あたかもそれが正しいのだと、ずっと考えられていたのだと思います。
でも、それはこれまでの考え方、価値観であって、今は、違います。「性的同意」の基本は
「自分の心と身体は、自分のものであり、どうするかは、自分で決める権利がある」という考え方です。
女性でも、妻でも、子どもでも、有名でなくても、貧しくても、社会的に弱い立場でも、
すべての人が、人としての尊厳を守れる社会にしていこう。そんな思いが、たくさんの人の力と勇気で形になってきたのだと思います。
妻の心と身体は妻のものであり、夫のものではありません。
私たちは「夫」や「妻」である前に「人」なのです。それでもやっぱり、
夫の性欲を自分を犠牲にしてでも満たさなければ、と思っている人は、それならそれでもいいと思います。
性的同意について知った上で、どんな選択をするのかは、人それぞれです。ただ、最後にもう一度思い出してください。
自分の尊厳を守るのは、最後は、自分です。
そして、あなたの尊厳を犠牲にして、自分の尊厳や欲望を満たそうとする相手のことをきっと、愛せるはずがない、ということを。
「夫としたくない」にお悩みの方は、
こちらの無料メール講座もお役に立てると思います。