【後期】九州大学 | 2010年大学入試数学45弾
※注
ヒントを見ないでこの大学の入試を解きたい人は、
解き終わってから見てください。ネタバレがあります。
大学入試シリーズ第45弾。
国公立シリーズ、20弾。
九州大学(後期)です。
大阪府立大学の予定でしたが、
本日、九州大学後期の問題が公開されたため、
こちらを優先いたします。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、
典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また、☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
難易度の指標は、こんな感じです。
D・・・難関大学でも難しい部類の問題。
E・・・超高校級の難問。試験場では即捨てOKの問題。
また、解答までの目標時間を、
問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの
標準的な時間です。
したがって、
目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越える
ことも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、
ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。
【後期】九州大学(理系)数学 2.38ポイント
(試験時間120分)
※ポイントについては、こちらを目安にしてください
全体総評・合格ライン
前期に比べ、少し難しくなっています。
後期としては、昨年より少し易しくなった感じでしょうか。
数ⅢC、とくに面積を求めさせる問題が多く、
全体的に計算量の多いセットです。
5問中2問が面積、
そして、なんと4問が数IIICがらみです。
試験時間120分に対し、
目標解答時間合計は135分。
計算が多いので、もたもたしていると時間オーバーです。
合格ラインですが、どれも方針は立つでしょうが、
計算量が多いので、時間との勝負になります。
問題を選んで最低3完、
合わせて4完あれば安心といったとこです。
70%程度でしょうか。
第1問・・・図形、微積分(B、25分、Lv.2)
面積をaの式で表し、aについて調べて最大値を求める問題。
積分させ、その結果を微分させるという問題で、
計算量を膨らませるのに好都合なだけの問題。
慎重に計算して正解したいところですね。
第1問ですし、幸先よくいきたい。
第2問・・・平面ベクトル、極限(B、25分、Lv.2)
こちらも、交点の位置をベクトルであらわすという、
典型パターンなのですが、
内分比がめんどくさいため、計算量が多いです。
☆第3問・・・行列、極限(B、25分、Lv.2)
行列の問題ですが、捉えようによっては
ただの連立漸化式の問題。
連立漸化式の解法が頭に入っていた人は、
最初に漸化式を解いてしまえば、
(1)~(3)は初項を代入して終わり、
(4)も計算するだけという問題でした。
素直にやる場合についてですが、
(1)と(2)で、独立な固有ベクトルと固有値を求めさせていることに
気づかないと、(3)は(1)と(2)の利用に気づかないでしょう。
ちなみに、連立漸化式でも特性方程式を解くことで、
xn+pyn=q (xn-1+pyn-1)
などとすると思いますが、
この q こそが、行列の固有値になります。
☆第4問・・・確率(BC、25分、Lv.2)
(1)に若干ひねりがあったのでBCとしました。
(1)は、Σqi が何の確率を意味しているのかが
分かれば、方針はすぐたつと思います。
証明すべき右辺が1-(・・・) の形になっている
ことからも、何かの余事象なんだろうなぁと想像がつきます。
(2)は、典型問題ですね。コンビネーションがらみの最大値は
比をとることで式がすっきりします。
☆第5問・・・積分、極限(BC、35分、Lv.2)
また極限ですが、こちらは本格的な数IIIの問題で、
類題経験がないとスラスラとはいかないと思います。
個人的には、一昔前にはやった問題という感じですが。
(周期関数)×(減衰関数) の形をしているものの
面積や、回転体の体積は、(1)で見るように、等比数列になる
ことが多く、そのことは積分式をいじることで証明できます。
そして公比が1より小さいため、和も収束するというわけです。
もし類題経験がなければ、ぜひここで習得しましょう。
対策
「後期のために対策」ということはないでしょうから、
あまり詳しく書きません。
前期に比べて、数IIICの割合が多く、計算量が多いようなので、
数IIICを重点的に行いましょう。
詳しくは、九州大学前期の部分の対策も見てください。
以上です。次回は【後期】北海道大学です。
※大阪府立大学はもう少しお待ちください。