メディアにおける血液型性格判断(追記あり) | ほたるいかの書きつけ

メディアにおける血液型性格判断(追記あり)

 たまたま、「たけしのニッポンのミカタ!」ってやつを見てました(普段は見ない)。血液型性格判断の話があるというので。ウェブサイトはこちら
 テーマは「『占い』なしでは生きられない!」で、その中の一つとして血液型性格判断が出てきました。番組の言い方を借りると、「血液型の性格診断を元にした「血液型占い」」ということですが。いや、この部分、なかなか良かったと思います。

 ある血液型に特徴的とされる性格特性を10項目選び、街の人300人にアンケート。どの血液型も、平均すると6割前後の項目について「自分に当てはまる」と答えていました。もちろん番組のアンケートなのでサンプリングがどうなってるとかわかりませんが、まあ300人もいれば大体イメージは湧くでしょう。この結果をもとに、広島修道大学准教授の中西大輔氏がいろいろ解説してくれます。メカニズムの話には一切触れず、統計的に根拠がないこと、関連がないにもかかわらずつい信じてしまう心理的メカニズムについて語っていました。
 また、聖徳大学の山岡重行氏(この方講師なんですね;ABOFAN氏がよく自説-はないそうですが:p -を補強するのに山岡氏の論文を引用していますが)が、多数派であるA、Oが喜ぶような結果を作れば本が売れるのだ、ということを語っていました(本当にそれを狙って出した本がどれだけあるのかというと、私はちょっと懐疑的ではあるのですが)。マスコミの影響で信じてしまっているのだ、ときっぱり言っていましたね。

 妙な「肯定論」も出てこなかったし、ありがちな「人間が4つに分類できるわけがない」という反論にならない反論(印象論としては有効だと思いますが)も出てこなかった。メカニズムの話もせず、手堅く根拠がないということを300人の調査というデモンストレーションを交えて語っていて、説得力があったのではないかと思います。

 他のコーナーは…マトモな感覚の持ち主なら(私から見ての「マトモ」ですが)、ここに出てきた「信じてる人」はちょっとひいちゃうなあ。最初の「占い主婦」なんて、勘弁してくれと思ってしまう。家族は大変だわ。

 後半の「占い師は当ててはいけない!?」というのも、わかってる人には面白いけど、どこまで伝わるかどうか、ちょっと不安でした。いや、基本的に正しいことを言ってるんですが。つまり、わけのわからん能力で未来を当てるのが占い師なんじゃなく、「未来の可能性を示すこと」、「相談者の願いや希望といったものの後押し」である、ということが強調されていました。

 さてさて。
 今年も『an・an』の血液型性格判断特集が出ましたね。近日中に内容の報告をしたいと思いますが、わたしゃ中身見てのけぞりましたよ。昨年は「前世」と血液型をカップルさせた「占い」だったわけですが、今年は…
あなたの潜在能力と恋愛傾向は?
血液型×脳タイプで完全判明!
でたぁ~~ッ!!脳!!オー脳!!(古っ!!!)
と一人ボケツッコミをやってしまうほどズッコケてしまった。(^^;;
 さすが老舗女性誌、世間の流行をおさえておる、と思って読み進めていくと、
武将も仏像もABOで斬る!
おもしろブラッドトピックス。
歴女もハマる血液型!!ってんなアホな。
 …ちなみにこのコーナーの戦国武将のところ、ABO FAN氏が関わっています。
 さらにさらに、同じコーナーの最期のトピック。
あなたには誰が合う?
血液型別オススメ仏像。
…参りましたッ!!、と思わず言ってしまいそうな。(^^;;
三浦じゅんに見せたら大喜びするんじゃないか。

 うーん。去年のものについてはこのエントリ で取り上げました。そのエントリからリンクも張ってますが、TAKESANさんとこのエントリ「血液型で政治を語る」 のコメント欄の安原さん の嘆きは必見です。

 なんというか、「恥を知れッ!!」と叫びたい気分です。

(追記8/16)
下でABO FANさんがコメントしていますが、その中で、番組に登場された中西さんのブログを紹介してくれています。御本人によるコメントであり重要だと思いますのでリンクしておきます。どうぞご覧ください。
   たけしのニッポンのミカタ! 「占い」なしでは生きられない!