弘前大学 フィールドサイエンス研究会(F研)

弘前大学 フィールドサイエンス研究会(F研)

弘前大学公認サークル「フィールドサイエンス研究会」(F研)のブログです。 弘前大学を拠点に,海・川・山林で生物の観察や採集をしています。
毎週月曜日18:00~農生棟203で定例会を行っています。

お久しぶりです。

副サークル長になった新2年生のtarponです!

 

今回は新入生歓迎も含めて筆者が春休みに地元で行った採集について大雑把にまとめようと思います。

 

この記事を読んでくれた人は是非、地元で採集をしてみてください!!

 

 

前回まで魚の記事しか書いていなかったので、たまには虫の話も(まだ初心者ですが.... )

 

2024 2/20

青森県から夜行バスに揺られて帰省、地元の山梨でじっくり採集をしてみることに。

 

富士山雪つもりすぎだろ....

 

津軽の豪雪から逃れるように帰省したのに、こっちもまあまあ積もってました。

帰省直後はめちゃくちゃ寒く、できる採集はオサ掘りぐらい。

 

 

2024 2/28、3/9 

富士山北麓某所

新規開拓を兼ねて富士山麓の針葉樹林帯でオサムシの仲間を狙います。

 

早速、Googleマップで見つけた良さそうな林内に突入!

 

お、お....(掘らせる気のない雪量じゃん...)

 

雪の寒さだけでなく、高標高ゆえの底冷えもあり極寒です。雪に負けじと気合を入れてオサ掘り開始。

 

手始めにポツンとたたずむ立ち枯れを丁寧に壊していくと....

 

でた!!

超久しぶりの地元ラベルのマイマイカブリ!!幸先よすぎる!

 

ヒメマイマイカブリDamaster blaptoides oxuroides  

高校2年生ぶりの地元マイマイになかなか興奮しました。

キタカブリと比べてマジで掘りづらい、というか、個体数が極端に少ない気がする。

 

 

 

雪に埋もれた倒木を崩していると、続々とオサムシが登場

 

.                                            

クロナガオサムシ基亜種Carabus procerulus procerulus

どこにでもいる。

 

アオオサムシ基亜種Carabus insulicola insulicola

材から初めて出しました。夏のトラップにはめっちゃ入る。

 

ホソアカガネオサムシCarabus vanvolxemi 

通称バンボレ。赤銅色が綺麗なオサムシ。富士北麓(標高800−900m付近)では一番多いのでは?

逆に富士山系以外ではそこまで見ないかも(青森では例外)

 

 

 

 

また、オサムシ以外にも面白い甲虫が取れました。

 

大きな立ち枯れの樹皮を剥がすと...

 

ヤホシゴミムシLebidia octoguttata

初自己採集。アトキリゴミムシの仲間って色彩に富んでいて面白い

 

クビアカモリヒラタゴミムシLoxocrepis rubriola 

こいつも初採集。一年目の青森では見かけなかった。一つの材から数匹出てきた。

 

シワムネヒサゴゴミムシダマシMisolampidius rugipennis?

山地生のゴミダマ。無難にかっこいい。

虫を始めてない高校生一年生の5月ごろにルッキングで複数見た覚えある。

アリタケ?

THE冬虫夏草って感じやね。バンボレと同じ材から出てきた。

 

 

2024 3/11,13 山梨県 御坂山系の一角

この日は、最近(2019)記載されたコクロナガオサムシ御坂・天子山地亜種を狙って入山。

良い材を探すも....全くオサムシが出ない。

標高低すぎorこの山には分布してない…?(基産地の御坂山から離れているし)

 

 

全く採れないので、気分転換に崖をやります(崖採が一番苦手)

こんな感じの雰囲気。山全体がガレてる(?)

 

良さげな崖を掘り進めてすぐに!

 

ルイスオサムシ Carabus lewisianus

崖からオサムシ初めて出した。普段は材からたまに取れる感じ。

地味に嬉しい...けど崖掘りのコツは全く掴めない。

 

ホソヒラタゴミムシPristosia aeneola 

こいつは崖から多産。周りがガレ場になっているような場所の土崖に多かった。

まあまあ大きいからビビるわけで。

 

 

そんなこんなで登りつつ、斜面の湿っている礫の崖を崩すと....

 

 

礫の隙間から猛スピードで走る小型の虫が!!

 

めちゃくちゃ嬉しい!!個人的に大好きなゴミムシの一種。

 

クロキノカワゴミムシ Leistus obtusicollis(多分)

 

口器がすごい....

 

学部一年の4月から狙っていた種。去年の12月に富士山南麓で偶然採れた時は目を疑いました

まさか地元の山にいるとは思ってなかった。初心者のうちはやはり、手当たり次第採集するのが良さそう。

あとキノカワは越冬中のはずなのに走るのがめちゃ速い。

 

 

頂上付近の崖からはまた別の虫が!

チビモリヒラタゴミムシAgonum aurelium aurelium? 

初採集である事は確か。6mm前後の小さいモリヒラタゴミムシだった。

いかんせんモリヒラタの類は同定できないのがネック....

 

コブハサミムシ アルマン型Anechura harmandi

お尻のハサミがカッコよく湾曲している。結構出てきた。

 

 

結局、狙いのコクロナガは取れず...

コクロナガむずくね?完全に舐めてた....(青森では結構取れるのに)

 

その後、何度か狙ってみたが全部撃沈。夏にトラップでリベンジします!

 

でも良さそうなガレ場を何ヶ所か見つけたから夏に帰る時地下トラップでも仕掛けようかな。

 

 

2024 3/19

山梨県 三つ峠山

今回もコクロナガを狙って御坂山塊の三つ峠山に入山。

 

しかし、また撃沈。コクロナガ....

途中、いい感じのモリヒラタがいそうな環境があったので採掘!

 

採掘してるのは同サークル員。サンショウウオを探しているらしい。

わざわざ山梨まで来てくれたことに感謝

 

モリヒラタゴミムシsp.

 

結構取れたけど、肝心の同定ができない...!(不可能)

 

デオキノコムシsp.

白い斑紋の個体は初採集。標高1500mの材の下にいた。

 

他に目立った成果はなし!渋くてすみません泣

 

 

2024 3/27

山梨県 某所

この日は甲州昆虫同好会の方々に誘われてルリクワ採集へ向かいました。

副ターゲットは勿論コクロナガです。

 

下道から歩き始め、登山道まで移動。その後、急登な登山道を3時間ほど登り尾根へ到着...登山ってマジでキツい

頂上からの眺めは圧巻でした。絶景を見ながら軽食を済まし、ブナ帯の尾根へ侵攻!

 

初めて30分後ぐらい、良い感じの産卵痕を発見!!

やはり北側の斜面に埋まっていました。

 

期待を胸に丁寧に割っていきます。

すると、

でた!!ブナ帯の宝石!!!

ホソツヤルリクワガタ♀Platycerus kawadai 

想像以上にちっさい!!!!ゴミムシのサイズ感だ!

 

 

1時後、白枯れの立ち枯れを割っていたら!

ルリクワガタ基亜種♂ Platycerus delicatulus

息を呑む綺麗さ。クワガタには興味なかったけどコイツは別格です。

触覚も可愛いですし、大顎も可愛い...全部愛おしい。

 

 

結果、半日やってルリ♂1、ホソツヤ♀1でした。

ルリクワ採集、楽しい!!

来年は開拓したいと思いました。

 

え?コクロナガ?そんなもの狙っていません!

 

 

2024 4/1 

山梨県 河口湖畔

今日はキモンナガミズギワゴミムシを狙って河口湖畔にいきました。

温度も上がって完全な春の陽気です。

3/17西湖でキモンナガを取ったのだけれども紛失したので開拓を兼ねてリベンジです。

 

うんうん、良い感じ!!

砂泥もあって河川敷のゴミムシもいそうだ!

 

 

 

期待を胸にしてゆっくりと石を捲っていると....

早速ミズギワゴミムシの仲間。ヒョウゴミズギワゴミムシ?

 

原色見た限りだとヒョウゴで良いはず....

 

 

 

少し地面が砂泥っぽくなっているところを捲ると

 

カワチマルクビゴミムシNebria lewisi

初採集!普通種と言われているそうだが、めちゃくちゃ取ってみたかったゴミムシ。

とても嬉しい!!

 

結構いる。石を捲ると猛スピードで走り去る。

 

オオマルクビゴミムシと比べると小さい。淡い色がいいね。

 

 

 

マルクビを取った後、少し移動して本命のミズギワを発見!

狙いのキモンナガミズギワゴミムシ Bembidion scopulium

ド普通種だと思うけど良い虫。

しっかりと斑紋が刻まれててめちゃいいな。

 

以上、地元でのオサゴミ採集でした。

結構淡々として面白みのない回だったと思いますが、ご了承ください💦(普通種ばかりですみません💦)

次回は山梨のガサガサで取れた魚のブログを書こうかなと思っています!

 

次の帰省のときはアルマン狙います!頑張ります!以上!!

 

文責 tarpon

お久しぶりです。
サークル長のトリバネです。

ながーい春休みも終わり、もうまもなく授業が始まってしまいますね。
F研の活動も来週から本格再開です。
さてここで新入生の皆さんにお知らせ

 

ぜひ4/13・14に行われる大勧誘会にお越しください!!
フィールドサイエンス研究会でもブース出展を2日間行う予定です♪
少しでも気になる方は来ていただけると嬉しいです!!


 

と、前置きはさておき、
今回は(も)個人採集のお話。
会誌編集も一段落したところ、突如"ギフチョウを採りたい"という衝動に駆られ、初めてのギフチョウ採集に行ってきました。
以前知り合いから蛹をもらって羽化させたことはあったのですが、採集したことはありません


ギフチョウがどのようなチョウなのかというと、にだけ発生する本州固有のアゲハチョウです(アゲハチョウの仲間にしてはモンシロチョウくらい小さいのですが…)
虎柄でとにかくカッコいいチョウです。
春の訪れを告げることから、巷では「春の妖精」「春の女神」などと呼ばれるようですね。
いつぞやの先輩の記事でも出てきました(あの頃は無知を晒してしまった…)

 

残念ながら青森にはおらず、近縁種のヒメギフチョウが生息しています(こちらも過去記事参照)。

 

というわけで(?)新潟に行きました。
新潟県は全国有数のギフチョウ多産地で、ほぼ全市町村で確認されているとか…
咄嗟に決断したことなので、ポイントもネット記事を漁って出てくるような有名産地に決めました(笑)。

お金も時間もないので日帰り弾丸遠征です。
実家の仙台からバスと車で約4時間半、予習どおりの場所に来ました(写真を上げるとポイントが100%バレてしまうので割愛)。

ギフチョウの吸蜜源であるカタクリやスミレはそこそこ咲いていますが、天気は曇りです(それに少し寒い🥶)。

よく分からない花 これも吸蜜源
いそうな場所を選定していたところ、流石に飛ばないだろ…と思っていた杉林の林縁で飛翔を確認!
すぐネットを振って捕獲しました!

ギフチョウ Luehdorfia japonica
 

ここまで来た甲斐がありました。

少し晴れ間が出て気温が上がってきたので、来た道を下ってみると…
またもやいました!(しかも3頭)


やはり有名産地なだけあって、個体数も多いようです。
その後、約3時間粘って10頭ほど見ることができました(何度も山道を上り下りしたので、膝が限界😵)。
メスは2頭いましたが、まだ交尾嚢が付いていない個体で羽化したばかりのものと思われます。

ギフチョウの他にも
アカタテハ、ルリタテハ、テングチョウ、ルリシジミ、スギタニルリシジミ、コツバメ、ミヤマセセリなどなど、春のメンツが沢山いました(いずれも写真なし)

採れたギフチョウの斑紋がとても面白かった…という蛇足はまた今度にします(やらないフラグ)

↑ちょっといい斑紋のヤツ


以上弾丸新潟遠征、大成功でした😁
今年の活動もよろしくお願いします!

(帰りに山形の羽黒山大鳥居まで行ってみた)


文責:(バス車内で寝れなくてこれを書き綴っている)トリバネ

こんにちは、またしても学部一年のtarponです。ブログを書くモチベが結構高いので引き続き書きます!

 

タナゴ釣行の傍ら、”バス釣りの痕跡”を見つけたことを前々回のブログで報告しました。

 

その後気になり、りんご公園横ため池の外周を散歩していたお爺さんにバスのことを聞いて見ました。

 

すると、「去年、台風で池が氾濫した時、10〜40センチくらいのバスたちが川に流れていったのを見たぞ。」とのこと。

 

確実に定着していたようです。

 

 

適当に選んだ近所のため池にバスが定着しているくらいなら、結構市内に点在しているのでは?

 

そう思い、県内の湿地帯に通っているであろうトンボ採集をしてる先輩方に聞いて見たところ、何箇所かバスが密放流されている場所を聞き出すことができました。

 

 

大半が津軽平野の水郷地帯でしたが、一箇所「弘前市内の林道沿い」にあるそうです。

早速友達とそのポイントへ向かいました。久しぶりのバス釣りに腕がなります。

 

長い林道を潜り抜け、当地に到着するや否や、ありえない量のバスの魚影が目に入りました。

すぐさまソフトベイトをキャストすると、ヌーッと物陰から良型のバスがひったくてきました。

「食った!」とフッキング。

ま、相変わらずバイトは重たい水草レベルですが、何事もなくランディング。

 

 

ノーザンラージマウスバスMicropterus salmoides  in弘前市

ミシシッピ水系を中心に分布するサンフィッシュ科の淡水魚、通称”ブラックバス”。本来「ブラックバス」という名称はオオクチバス属Micropterusの魚(ノーザンラージマウスバス、フロリダバス、レッドアイバス、スポテッドバスなど8種)の総称です。

 

北アメリカ原産の特定外来生物ですが、魚としての芸術点は中々高い!

頭部から背中にかけて盛り上がる曲線は天下一品

 

 

そして、スズキ目を代表するような背鰭の鰭式(D Ⅷ−12)堪りません、、、

あと独特なバスの良い匂いも良いですよね。同じサンフィッシュ科でもブルーギルは臭いですが、バスは全く臭くない。

 

 

 

このようにノーザンラージマウスバスは、多くのバサー(バス釣りを行う人たちの意)を魅了し、虚像の「アメリカン・ドリーム」を抱かせました。ゲーム性の高さ故、各地でのスポーツフィッシングの展開にも貢献。

 

その結果、バス釣りのメッカ、アメリカ合衆国から遠く離れた青森の山奥の池にさえ密放流されています。

 

人のエゴにより各地で放流され、各地で駆除されてきた可哀想な魚種といっても過言ではないかもしれません。

害魚の名を関するブルーギルに比べるとマシかもしれないが…

↑”害魚”ブルーギルLepomis macrochirus 地元山梨県にて。

 

 

 

脱線したので、話を戻します。

 

同行してくれた友人も短時間で良型のバスを何匹もキープ

流石すぎる腕です。頭が上がりません、、僕が心底尊敬する釣り人の一人。

 

中でも驚愕したのはその洞察力です。

 

ここの池のバスたちは産卵のために水辺に接近するトンボを好んで食べていました。

 

ですので、多くのバスが中心部より、岸ギリギリに接岸していました。

 

その状態をいち早く読み取った友人は、すかさずソフトベイトを「トンボの産卵行動」のように水面間近で動かし、数秒も経たずに良型のバスを釣り上げていました。

 

まさしく「トンボパターン」です。その地に特化した捕食方法を得るバスも恐るべし。

 

↓トンボパターンで釣れたノーザンラージマウスバス。

 

僕も負けじと、頑張りますが…

こんにちは、学部一年のtarponです。

 

前回に引き続き、本日もタナゴを探して市内を駆け巡ります。

 

今回、目星をつけたポイントは何と弘前城外濠です。

 

といっても大半のお堀は禁漁区です。

ですが、「津軽ねぷた村」の正面の箇所のみ解禁区となっております。

 

ヘラブナ釣りらしきお爺さんを見かけたため程よく流れある半止水環境のため候補地に選びました。

 

 

 

<ポイント2>弘前城外濠

魚影の濃さから景観写真を撮るのを忘れていました。

早速ギンブナCarassius langsdorfii です。キャストした途端釣れました。

なかなか良いサイズ。

 

水面を小さい魚がフラフラ泳いでいました。

多分キタノメダカOryzias sakaizumiiです。東北ならではですね。

こういった釣りでは狙いづらい小物は後々ガサガサで狙います。

 

アタリが乏しくなってきたので、集魚用に大きめの練り餌を撒いたところ大量のギンブナや謎の小魚がヒラを打ってきました

ハリとハリスを小さくして、ヒラ打ちしている謎の小魚を狙います。 

タモロコでもアブラハヤでもない初見な見た目です。

 

 

 

 

 

 

 

モツゴPseudorasbora parva の群れでした。入れ食い状態です。

口吻がとても小さいため「クチボソ」とも呼ばれます。

青森県だと移入個体群になり、当県固有種のシナイモツゴPseudorasbora pumilaと交配し、遺伝子撹乱を引き起こしているそうです。

 

生物学的には国内外来種に位置付けられるため悪役ですが、一魚としてはとても魅力的な見た目をしています。

腹鰭や尾鰭のグラデーション、体色にのる朧げな紫色は素晴らしいです。繁殖期であるためオスには追い星ができていました。

 

その後も無限にモツゴは湧き、水面が揺れるほど数は増えていました。

 

タナゴ釣りの目的を忘れ、モツゴとずっと遊んでいると、先ほど投下した練り餌に”平たい魚”が数匹集まっていること気づきます。

 

「なんだ?…」と目を凝らして見ていると、キラッ、キラッと蒼色桃色の婚姻色に彩られた魚がヒラ打ちを!!

 

「アカヒレタビラだ!!!」

ついに発見しました。二箇所目にして確実にタナゴの雄の魚影を確かに目撃しました。

 

しかも、その横に一回り大きく、薄桃色で、全体的に白色のタナゴも何匹かいました。タイリクバラタナゴです。(多分)

 

弘前城の外濠に2種のタナゴと思しき姿を確認できました。

みるみる湧き出てくるやる気を駆動力にタナゴを狙い本腰を入れます。

 

外濠のタナは

 

上層  モツゴ

 

中層  モツゴ

 

中下層 モツゴ,タナゴ

 

最下層 モツゴ,フナ  の有様…

 

 

そしてモツゴ60に対してタナゴ3ほどの比率。難しい!!

 

投下したエサは凄まじいスピードでモツゴに持ってかれてしまいます。

 

有象無象のモツゴに苦戦していると、猛スピードでウキが引っ張られます。

「何だ??鮒じゃないぞ」

 

タナゴ用の竿がしなり、普通のモツゴにはないファイトを繰り広げます、

 

めちゃくちゃデカイモツゴでした。明らかに規格外。

体高も異常にあり、正真正銘のランカーモツゴ?です。8センチもありました。

野生下でこのサイズは巨モツゴと呼んで良いでしょう。

タナゴ釣りに邪魔.  国内外来種なので一応持ち帰り食べました。

天ぷらが内臓がほろ苦く美味しかったです。

 

こう並べると巨モツゴの大きさが際立ちますよね。

 

 

本題のタナゴたちはモツゴの群れに飲まれるように姿を消していきました。

悔しいですが、僕の完全敗退です。

 

その後も何回か通いましたが、魚影は見えるもののタナゴがなかなか食いついてくれません。

シーズン的に昆虫採集の方も忙しくなり、今年のタナゴ調査は終了。

 

来年は弘前城外濠のリベンジに加え、津軽地域・能代地域への進出も目論みます。

 

 

 

<番外編 弘前城外濠で釣れた他の魚種たち>

 

スプーンでも釣れました。ギンブナって本当に面白い。

 

ニゴイHemibarbus barbus も釣れました。稚魚で可愛いです。

カマツカ亜科だけあり、不思議な見た目です。

 

次回のタナゴ釣行記は来年度になると思いますがご容赦ください。

 

 

文責tarpon

 

 

 

 

 

 

初めまして、今年入学した学部一年のtarponです。

普段はオサムシ科の甲虫や日本淡水魚などを好んで集めています。

 

僕の地元は中部山岳地帯でしたので、青森県、ましてや東北は自分にとって異郷の地です。

また、実家周辺は高標高の溶岩地でカルデラ湖はあったものの、湿地帯や河川に乏しく、青森県に点在する水郷地帯全てが新鮮でした。

 

「地元にいなかった日本淡水魚を見てみたい!」

 

という純粋な感情から、引っ越し準備が終わるや否や『山渓ハンディ図鑑 日本の淡水魚』を隈なく精読し、青森県に分布するニッタン(日本淡水魚の略)を書き出しました。

 

「タナゴ類が生息している!!」

 

地元は国外外来種に埋め尽くされており、小物釣りとはかけ離れていた環境でしたので青森にタナゴが分布していることに大きな衝撃を受けました。

 

兼ねてから”憧れ”の存在であり、ニッタンの”顔”でもあるタナゴ類が青森県に何種もいる…そう思うだけで胸が高鳴ります。

この時、自分のうちに秘めていた”魚への欲動”が微かに動き始めました。(オサムシ採集で抑圧された部分)

 

 

『山渓ハンディ図鑑 日本の淡水魚』によると

青森県には

ヤリタナゴTanakia lanceolata 

タナゴ(マタナゴ)Acheilognathus melanogaster

アカヒレタビラAcheilognathus tabira erythropterus(移入個体群)

シロヒレタビラAcheilognathus tabira tabira(移入個体群)

タイリクバラタナゴRhodeus ocellatus(国外外来種)

の5種が分布しており、

 

秋田県にはキタノアカヒレタビラAcheilognathus tabira tohokuensis、岩手県には在来アカヒレタビラが分布しています。

 

中でもヤリタナゴ、タビラ、バラタナゴは筆者らが通う弘前大学の位置する津軽地域にかけて生息しているそうです。

 

 

また、タナゴ類は三つのグループ(属)に分けることができ、

ヤリタナゴ、アブラボテなどのTanakia

カネヒラ、タビラ系などのAcheilognathus

バラタナゴ、カゼトゲタナゴなどのRhodeus となります。

 

僕的には、

Tanakiaは緩やかな流れのある平野部の河川に生息しているイメージです。

よってヤリタナゴは弘大の位置する内陸部より、岩木川下流域の水郷地帯にかけて分布するはず…

 

一方、タビラ系は緩やかな河川から、湿地帯、湖沼などの止水域と、様々な環境に生息します。

タビラ達ならりんご用ため池などが乱立する弘前市でも狙えると思い、Google マップでひたすらポイント落とし。

 

今まで散々御宅を並べてきましたが、

筆者は今までタナゴを取ったどころか、野外で見たことさえありません。

経験的には、完全に未知な魚でありますが、

「あやふやな所から少しづつ実態を掴み、生息地に迫る」というのは生物採集の醍醐味であるとも言えます。

 

 

早速目星をつけたポイントに釣行へ行きます

 

<ポイント1>りんご公園横ため池

雰囲気的にはバッチしです。120点の見た目。

 

込み上げてくる衝動を抑えて、釣り道具の準備をしていると、水面にモワッと波紋が…

ため池に何かしらの魚がいるという証です。安心と共にやる気が込み上がります。

 

小鳥の囀りを聞きながらタナゴ竿を降り出し、水面にウキを垂らします。

餌はさなぎ粉小麦粉しょうがチューブを適量混ぜたもので、集魚メインの配分にしました。

 

 

そんなこんなで微かなアタリを待つつ、ふと見上げると、

あっ…  

 

あれスピナベとスイムベイト(バス釣り用の擬似餌)じゃね?」

ため池の真上の電線に多くのルアーが引っ掛かってました。

 

そうです。このため池にアメリカンギャング(=ノーザンラージマウスバス)がいるということです。

タナゴ類および日本の淡水魚が生息している見込みは薄くなりました。

 

外来種がいるという事実に圧倒され、半分諦めかけていたら、ウキがピクピク上下に動き、確かなアタリが!!

 

すかさずアワセると、タナゴとは思えないほど引きます。なんだ…?

 

 

 

ギンブナCarassius langsdorfii でした。

ヘラブナよりも体高が低く、金色をうっすら帯びています。確か雌性発生(無性生殖の一種)という特殊な生態を持つフナ属の一種です。一応背鰭軟条数も数えましたが列記としたギンブナでした。

地元には外来ヘラブナしかいなかったので初釣りです。THEフナのこの相貌はコイ科の良さを凝縮した賜物です。

 

その後もポツポツ量型のフナが釣れました。

簡単だけとめちゃくちゃ楽しい。この釣り思ったより奥が深い。

先人に釣りの事を「ふなに始まりふなに終わる」と言わしめただけあります。

そんな中、フナに混じりアタるのにノラない「微小なアタリ」が来ていることに気づきます。

「タナゴかもしれない」という野心を抱き、早速、ハリを小さくしてみたところ、、、

 

タモロコGnathopogon elongatus elongatus

 

田んぼ横の用水路等に生息するモロコの仲間です。この子も初釣り。地元では外来ホンモロコしか釣ったことなかったので新鮮でした。青森県では他県からの移入個体群になります。

侘び寂び溢れる銀白色の体色は、タナゴ類の極彩色と双璧をなす和風な秀麗さが詰まっています。

背鰭の分岐軟条の透け感に加え、胸鰭の黄色が地味な体色の差し色になっていて尚良い。

 

その後もタモロコやギンブナを何匹か釣り、日が暮れてきたので納竿。

 

その後も何度かこのため池に通いましたが、本題のタナゴ類、

ましてや定着を危惧したバスでさえ魚影一つ見ることができませんでした

(あのルアーはなんだったんだ…)

色々疑問点は残りますが、次回は別のポイントにてタナゴを探してみます。

 

                       

 

 

文責 tarpon