今週発売された「東洋経済 」を読んで、

思わず唸ってしまいました。


そのなかで、目に飛び込んできたのが

経営学者の大御所・伊丹敬之先生のインタビュー記事。


インタビュアーの編集者とのやりとり。


「ビジネスパーソンは勤務時間外にも

 勉強しなくてはいけないといわれますが、」


「最初の仮説が間違い。

仕事を一生懸命やることで、

 その人がさまざまなことを考えざるをえなくなり、

 結果として育ち、鍛えられていく


「名経営者とは利益ばかり追求するのではなく、

 「志の高さ」だと書かれています」


心の中で泣いてリストラしている経営者はたくさんいる。

 利益を出すにはクビを切らなきゃいかん、と思わせているのは

 アナリストとマスコミだ


「若手もROE経営とか机上でかなり学んでいる。

 もっと本質的にところへ思考を転換するには?」


一つは働く意味や、企業がなぜ世の中に存在するのかを

 ごく素朴に自分の頭の中で考えてみること。

 

 もう一つは、企業とは、働くとは何かを

 素朴に考えた人の本を読んで、啓発されることだ


「でも、ビジネスの自己啓発書には、ROEや時価総額にも

 触れているものが多くないですか?」


「僕は自己啓発書なんて言ってない。

 素朴に深く考えた人の本を読めば、自分が啓発されるんだ。

 自己啓発書はお手軽なものが多すぎる。

 一切、読まないほうがいい。」



インタビュアーと伊丹先生の会話が

かみ合ってないことにも苦笑するのですが、

なにしろ、今週号のテーマは「仕事力劇的アップ」勉強法。



しかも、茂木健一郎さん、勝間和代さん、細野真宏さん、齋藤孝さんなど

昨今の売れっ子ビジネス書著者のインタビューが並ぶなかでの、このやりとりの記事。


東洋経済のメッセージを真っ向から喝破されているのが

痛快に感じるほどです。


しかも、私は伊丹先生の意見にいたく共感、です。


このブログでも、以前

若者はビジネス書より永ちゃんを読んだほうがよい とメッセージしましたが、

伊丹先生の論と近いのではないかと思います。

昨年ご縁をいただいた、絵本ソムリエのおかだたつのぶさんは

昨今のビジネス書ではなく、絵本のほうが真理である、

しかも、その絵本が古ければ古いほど真理だ」と

おっしゃっていましたが、同じ視点でしょう。

昨日は、担当編集者と

これから出す本の企画を練っていたのですが、

売れなければビジネスとして成り立たないので、

どうしても、書店に溢れるのは、お手軽なものになるのが悔しい」と

話していました。

働く本質を伝えられるメッセージを出したいという思いが

日に日に強くなります。

手弁当で、志を同じくする人たちが集い

「はたらく論」を議論する場を創ろうかと思い立ち始めています。

ご興味・ご関心ある方はぜひご連絡いただければと思います。





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