短期集中連載-イノベーション・エコシステム- | The wonder of neeton

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FX、株式投資、先物取引、投資信託などで、
チャートや経済指標に騙される人向けです。

主に陰謀家達のトレード手法、
政府や金融当局による経済政策、
市場そのものの構造について、

究極の怠け者neetonが、
読者達の明るい未来のために、
たまに調査しています。

今、日本には何が不足しているのかを、
考察するに当たって、継続的に経済成長している
イスラエルという国家について確認するっす。

イスラエルの経済を支えているのは
特出した技術力ですが、
その背景にあるのは、
下記のような社会的背景によるものと考えられているっす。

①聖書は、タルムード。
②流浪の民であるユダヤ人が建国。
③実力主義。
④国土は小さく(四国程度)、ほぼ砂漠。(農業にも向かないし、資源もあまりない。)
⑤日本に比べて、隣国との戦争が多い。
⑥人口が約700万人程度と、かなり少ない。


国土が小さい、水が無い、天然資源が無い、
人が少ない、隣国との争いが絶えないなど、
逆境の中、経済を成長させるには、

徹底した合理主義と未来に対する執念を基礎にした
絶え間ない努力により、
発明と研究で成果を上げ続けるしか、
彼らには生き残る道が無いっす。

つまり、平和ボケした日本人と比較すると、
覚悟、熱意、危機感、自己実現への渇望などの
意識量が圧倒的に異なり、

努力を怠った時点で、隣国に侵略され、
迫害を受けるかもしれない、
明日死ぬかもしれないなどの生命への不安や、

人生における自己の存在意義などが
彼らの原動力となっているっす。
(`・ω・´) マサシク サムライ ダナ!


しかし、発明というものは、
単純な個人や企業の努力によって
成し得るものではないっす。

ここで元SONY CEOの出井氏の
言葉を引用するっす。

「技術革新を起こすには、単に良いアイディアがあるかとか、
一人の天才がいるとか、そういうことだけでは不十分。
技術革新を実際に起こし、育てるには、様々な要素を含む
生態系が必要だ。

良い稲を育てる田んぼのように、土があり、
土の中には、数多くのバクテリアがいる。
水もあるし、そこにはドジョウが泳いでいたり、
蛙が跳びこんだりする。そよ風が吹き、昆虫が舞う。

こうした環境(生態系)があって、初めて良い稲が育つ。」

つまり技術革新を起こすには、
生態系が必要
ということっす。
この技術革新を促進する環境を出井氏は、
イノベーション・エコシステムと表現したっす。

これはマイケル・ポーター氏の提唱する
クラスターという概念と同じっす。

クラスターとは、国や州や地域における競争原理において、
影響を与える要因で、

特定分野における関連企業、専門性の高い供給業者、
サービス提供者、関連企業に属する企業、
関連機関(大学や研究機関)が地理的に集中し、競争しつつ、
同時に協力している状態
と定義されているっす。

アメリカのシリコンバレーがわかりやすい
実例かと思うっす。
ヽ(*・ω・)人(・ω・*)ノ シュウダン センポウ デス


イスラエルにおけるイノベーション・エコシステムを確認するっす。

①優れた教育システム

イスラエルでは、幼稚園からPCに触れ、
小学校ではPCで宿題を片付け、
中学校では基礎的なプログラミングを学ぶっす。

こうした初等、中等における優れた数学教育が、
世界に誇るアルゴリズム(コンピュータを使って
ある特定の目的を達成するための処理手順)の
バックボーンになっているっす。

また資格試験に合格すれば、
補助プログラムという才能教育を
受けることもできるっす。


②産学共同システム

世界的に有名な大学や教育機関が、
徹底した産学共同路線を推進しているっす。

マサチューセッツ工科大学と並び称される
テクニオン・イスラエル工科大学には、
「ダイモテック」という学内組織があって、

1993年に設立されて以来、
50社以上のベンチャー企業を立ち上げているっす。

また軍は、新型ミサイルのような
極めて機密性の高いプロジェクトも、
どんどん大学に発注し、
優秀な学生を選抜して研究開発させているっす。


③軍

数学的才能に秀でた者は兵役についても、
情報部門に集められ、グループ単位で
プロジェクトを編成し、高度なシステム開発に
携わるっす。

そして高校までの成績が特別すぐれた者には、
卒業後は軍に籍を置いたまま、

軍需関連企業で最先端の研究開発に携わる
「タルピオット」という少数生精鋭の
エリートコースも用意されているっす。

また、年に一回の予備役は、
人材交流の場としても重要な意味を持っており、
ビジネスパートナーというより、
同じ経験を共有した仲間という意識が強いみたいっす。


④旧ソ連の軍事技術の流入

ソ連崩壊の際、イスラエルはユダヤ系の移民を受け入れる
政策を取ったのですが、

その相当数が軍や国の研究機関で働いていた
第一線の技術者や科学者で、
もともと優れていたイスラエルの研究基盤を
さらに強化する役割を担ったっす。


⑤海外企業のR&Dセンター

1990年代になって、ハイテク・ベンチャーが
次々と芽を出し、活躍を始めたっす。
優秀な人材を求めてアメリカの巨大企業が
次々とR&Dセンターを開発したっす。

この折、人材市場はたちまち人手不足に
陥ったのですが、この優れた人材の供給不足を
補ったのがさきほど説明しました
旧ソ連からのユダヤ系エンジニアっす。


⑥ベンチャー支援

1977年にアメリカとイスラエルは共同出資で
「二国間研究開発基金」(略称BIRD)を創設しており、
その内容は、

「輸出の可能性がある革新的なプロジェクトで、
なおかつイスラエル企業とアメリカ企業の合弁事業に対して、
そのコストの最大50%を負担する」というものっす。

また国家規模で行っているベンチャー支援政策の一つに
「インキュベーター(孵化器)」という制度があり、

イスラエル国内にある約30か所のインキュベーターを通じ、
数か月にわたる審査を合格すれば2年間で最高30万ドル
資金援助が受けられ、施設や設備を自由に使え、
またマーケティングなどのソフト面の支援も受けられるっす。

但し条件は非常に厳しく、年間約5%のプロジェクトしか
採用されず、また2年以内に企業化等の結果を出さないと、
補助金は打ち切られるっす。

その反面、イスラエルは綿密な計画を立てた上での
失敗は評価される文化なので、
補助金の返済義務は生じないため、
再起を目指す起業家も多いっす。
(`・ω・´)ゞ ニホンモ システムサエアレバ マキカエセマス


次回はイスラエルの技術の具体例を確認するっす。

本編とは全く関係ありませんが、
NHKの「負けて、勝つ ~戦後を創った男・吉田茂~」
という番組に、はまっているっす。

日本人の底力を感じる素晴らしい作品ですので、
興味のある方は、
一度ご視聴されてはいかがかと思うっす。

日本もイスラエルに負けない位の
ポテンシャルを持っていることを
改めて実感させてくれる良い番組っす。


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最後まで読んで頂きありがとうございました。
皆様のお役に立てれば、幸いです。