ドルアーガの塔【常春の館】第7話分析 | 遠藤雅伸公式blog「ゲームの神様」

ドルアーガの塔【常春の館】第7話分析

 シリーズ構成を担当している賀東招二さんのブログ にも語られているが、第7話に登場する死者の館のアイディアは、2期もやることが固まった時期に生まれている。原作ゲームでも、「黄泉の国」に思いを残した死者と向き合う「ニアバーナの原」というのがあって、そこで父王マーダックに出会っているギルの心象世界に、同様のものがあってもおかしくないわけだが・・・。
 他にも「最初から石田さんが演るって分かってたら、カリーをあそこで殺さなかったかも」とか、色んな情念が結実化している回でもある。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-塔を登り始めた頃の思い出
 アバンは1期の第4話くらいにあたる時期の話だ。パーティーメンバーがど初心者だったのに呆れたアーメイが、教育しているシーン。今の成長したメンバーに比べると、最初はバカ過ぎる(笑)。
 早水さんは普段の声がアーメイと全く違う。半年ぶりになるはずなのに、マイクの前だとちゃんとアーメイなのがカッコいい。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-オープニングのフォークが増えた
 今回からオープニングがリニューアルされている。誰でも分かるのは1本だったフォークが10本になっているところ。他にも細かく修正されているので、見比べてみるのも面白い。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-いきなり「焼き払え」
 突然出現した謎の館に注意を払うのはいいのだが、何かの気配に対して、いきなり「焼き払え」と指示するジル。気配の主は、丁度密林の扉を抜け、そこに放り出されたメルトとクーパで、ジルに合流する。第3話での確執があるのだが、アーメイの出現がすべてを押し流した。
 メルクーがウラーゴンたちと別の場所に出現したのは、塔のシステムがそうなっているから。現れた時にゴルフバッグをメルトが持っているが、これは扉に入った時にクーパは別のモノを担いでいたからだろう。多分マイト、あるいはウラーゴン、ひょっとしたら両方。で、背負われていた方は別の場所に飛ばされたと解釈できる。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-死んだはずのアーメイが
 ジルたちの前に現れたアーメイ。ちゃんと実体として存在するわけで、第1話のアバンにてカーヤを見送っていたのはアーメイで確定。カーヤがここに来た時にもアーメイが現れたのだ。
 誰が現れるかはクムの姉キリエがウラーゴンに説明しているが、ニーバには誰が現れたのか?これには色々な考え方がある。
 前回のニーバの思い出を考えると、母親が現れるのが本線、父親のマルカには愛着がなかっただろう。逆にジルは、「敵前逃亡」に過敏反応するほど、父親マルカがトラウマになっているのに、ここにマルカが現れない。アーメイはジルにとっても父親を超える存在になっていたわけだ。
 もう1つ、ニーバは館に入っていない可能性がある。サキュバスから情報が得られるニーバは、自らの野望を挫く思い出を拒絶し、庭園でカーヤを待っていたともとれる。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-食材などは実在する
 食材を見つけたクーパが存分に腕を振るったティーパーティー。幻の塔の中に踏み込んだ人も、生き返ってい人も、食材も建造物も、この世界の中では実体として存在する。アーメイやカリーが消えたように、満腹が扉を抜けると空腹に変わるようなことはなさそうなので、パーティーにとっては貴重な補給地になっていると思う。
 だがしかし・・・、カーヤが魚の骨スープを食べていたことから、食材が持ち出せない可能性も・・・。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-邪悪ではない力を持つ館
 どちらにしても、今はこれでいいのではないか?と思わせるのが、この館の本質なのだが、これが用意された罠なのか、単なる安息地なのかは定かではない。自らの人生を見直す場所として、ギルの精神的なしがらみが作り出した館と解釈しておこう。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-メルトとクーパの喧嘩
 この第7話は、伊藤脚本らしく、バックで描かれているやりとりにキャラクターの個性が表現されている。というわけで、アフレコ収録ではアドリブが異常に多かった回であり、腕の見せ所に大笑いさせられたのだ。まずはメルトとクーパの喧嘩シーン。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-力では勝負にならない
 真っ向勝負で力比べするメルクーだが、クーパはニッコリ笑ったままメルト敗北。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-高いところから煽るメルト
 そのまま木の上に登ってまで口喧嘩をする。
 メルト役の郷田ほづみさんは音響監督も務めているので、この部分のアドリブは、茅原実里さんと一緒に別録りしている。結構長いシーンになるし、絵も途中なかったりする。打ち合わせもなしに、ものすごく息の合った芝居で、周りで見ていた他のキャストも、OK出てから「本物のメルクーだ!」と大笑い。
 是非、ヘッドホンなどを使って大音量にし、影に隠れた名芝居を確認してほしい。この二人がジルパーティーに戻ったのは、本当にうれしく思う。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-カリーも現れる
 旧ニーバパーティーの戦死者カリーも、ウトゥとファティナの前に現れた。大量の野菜を背負っているのはなぜか?アーメイが鎧姿で現れたのと同じく、ここで死者が実体化する要件を考える手掛かりとなる。
 最後に霧散してしまったように、死者はここで死後の生活を送っているわけではない。そこを訪れた人のイメージが具現化されているだけなのだ。正確な情報ではなく、復元可能な量のイメージが集まると具現化できると考えるべきか。個々の思い出の人より、共通の思い出に関係する人の方が構築するためのイメージの量が多いのだろう。アーメイがカーヤの来訪を知っている矛盾含みではあるのだが・・・。
 野菜の再現は、自分の村にいたカリーを、ウトゥかファティナが誘ったのではないかと推測する。「俺(私)が誘わなければ、カリーは死ななかった」という自責の念が、誘う前の様子を再現させたのではないだろうか?
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-旧ニーバパーティーの談笑
 ヘナロが疑問を持つ中、3人は談笑して歩み去る。この部分もアドリブなのだが、実はとんでもない無茶ぶりになっているのだ。
 ウトゥの声は鎧でこもった感じになるので、他の人の声と重なる場合は別に録って、加工してからミキシングする。そのため、全体を録り終わった後に「ウトゥさん別録りコーナー」があるのだ。その際に「この部分のアドリブ入れておきますか?」と安元君から申し出があって、「はい、やっときましょう」となった。
「何か言うことねぇのかよ?」
「マジで!」・・・と、思いきり後で録る人のハードルを上げた内容に、スタジオ全体で大爆笑!ところが問題は、石田さんがスケジュールの都合でAパート収録には居ないこと。堀江さんが「私も先に入れておきますね!」と
「うふふっ、それで?」・・・をウトゥの声に重ねて入れ、テンポの良さにまたまた大爆笑!さらにハードルが上がることになった。
「石田さんの腕なら問題ないよ」「彰ならやってくれるだろう」とそのままOKしてしまう。そのうち石田さんも駆け付けて、全体の収録も終わり、個別な別録りに入って「2人が入れていったから、そこに合うように何かアドリブください」という超無茶ぶり。期待に応えて石田さんが繰り出したのが、このアニメのお約束「らめぇ~」だったわけで・・・。
 郷田さんは音響監督として、直接的な指示をせずに役者さんの個性を引き出すので、遠藤もすごく勉強になる。千明監督の細かいところまで気を配って作る姿勢も、何度も見直せる作品には欠かせない。そういう意味でも本シリーズは贅沢だなぁと、この第7話では再確認させられた。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-尺の長さ、絵の鮮明さともにNo.1の入浴シーン
 贅沢と言えば、入浴シーンも相当に気合いが入っている。おっさんたちの妄想が詰め込まれているシーンだけに、リアルな女同士の入浴という雰囲気が出ていたのでは。クーパとファティナの掛け合いも、メルトを含めた旧ニーバパーティーとメルクーの位置関係をしっくりさせる良い演出だと思う。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-男湯はない
 その間、男たちは本棚にカウンターという不思議な部屋で待機している。この館に男湯はないのだ。ということは、男性は風呂なかったのか?この後ゴミ片付けがあって、それから食事なのだが、その間にでも入ったのだろうか?こうなるとウトゥが鎧を脱がないのは不自然ですらある。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-80年前の書物
 メルトが見つけた書物
「イルサカール研究序説」
「メスラムからの預言者」
「神々の地平」
は原作をよく知っているファンでも新たに聞く言葉だろう。
 「イルサカール」は中立の神である雷神ラマン(メルトの魔法はラマン神に由来している)が持っている軍勢の名前で、「神の槍」という意味の言葉だ。イルサカールは将軍カンサが指揮し、神々の争いや人間たちの諍いを収める役目を負っていた。だが、ウルク成立以来は人間界への干渉がなく、その存在すら人は確かめることができない。
 「メスラム」は地の底にある世界で、水神アプスー(オロの魔法はアプスー神に由来している)が創り出し、多くの混沌の神の居場所となっている。ナーガルの支配地域である黄泉の国もメスラムにあるため、人から見えるメスラムは死者の国のように思われている。人がメスラムに入るには、命の次に大切なものを差し出さなければならず、記録では数人しか訪れていない。その中で預言者として語られるとすれば、それはハーサグのことを示す。ギルに天界への道を示した人物だ。
 「神々」はあの世界で「ディンギル」と同義だ。「神々の地平」とは神の力の由来する技術に関する書物ではないかな?これに関する原作上の手がかりは特にない。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-湯上りの一杯
 風呂上りの女性陣。バスローブにしろ、アーメイの姿にしろ、おっさんたちのリアルが被ってるとしか思えない。今回は特に「尻」の描写が多いのだが、これも大人の切り口だと思う。唯一アーメイの胸元がお子様向けのサービスだろうか(笑)。相変わらず腰に手を当てて牛乳一気飲みのクーパが可愛い。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-ウラーゴンとマイトを背負ったクム
 ウラーゴンたちはマイトがどんな存在なのかを知らない。ジャングルに倒れていたマイトに不信を抱くべきなのだが、気絶した状態のまま連れてきている。体も小さいので軽いんだろうけど、性能を考えると絶対クーパでないと背負えない重さのはず。
 黄金騎士団はクムを除いてどこかに飛ばされている。どこに飛ばされたのか?ここで1つ変わった可能性を考えたい。幻の塔では時間を逆行することもある、という可能性だ。第6話でブラッドとアイスが大量に黄金騎士団を処理し終わったシーンがあるが、密林エリアであれだけいた黄金騎士団員たちと、実は同一のものだったということはないだろうか?確信も裏付けもないのだが、数の類似だけからの想像だ。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-クムの姉キリエ
 クムの姉キリエはメガミマガジンでの投票で選ばれたキャラクターだ。これでアニメ誌のキャラは、ニュータイプ選出のイグラを残すだけとなった。もうちょっと登場までは掛かる。
 そのキリエだが、年下の実姉という賀東さん曰く最強設定らしい。子供だったクムにとって、大好きだった姉ということだが、実際に亡くなった時の姿とは異なっている可能性が高そうだ。大人になったクムの、美化された思い出から生まれたキリエは、シスコン属性の好みを反映しているのだろう。ものすごくアンバランスに感じる。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-キリエに愛を説かれるウラーゴン
 ウラーゴンに対し、死者の館のことを説明するキリエ。召喚された死者は、この館のシステムを理解しているみたいなので、1期の第9話に登場した、人をコピーするモンスターと同種のものなのかも知れない。だとすると、館自体が一種の罠なのだが、自ら罠であることを明かすのは矛盾するので、その存在意義はやはり分からない。
 ギルが必要としているのなら、カイ自体がこの館の主であるとも考えられる。だからメスキアでは力が発揮できなかったのか?今回カイが登場しなかったのは、その辺りに原因があるのかも知れない。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-思い出の品の中にカギ
 たくさんのモノから鍵を探すというシチュエーションは、ちょっとタイムリーで残念になってしまった感がある。少年マガジン連載の「賭博覇王伝零」で、同様のネタがあったからだ。別に時事ネタでもないので、収斂しているわけもなく偶然の一致。内容は全く異なるけどね。
 ここに置かれている品物は、アーメイやカリーと同様に、訪れた人に合わせて変わると考えられる。そうでないと膨大な量になって収集がつかないから、誰も訪れてない時は完全な空き部屋で間違いないだろう。ウトゥの呪いの人形は、実物があったかどうか不明、いや実物はなかったのではないか?クーパのぬいぐるみは3年前の思い出などと、顕在意識が実体化しているものもあるが、ジルの金魚やメルトの蝶のように潜在的なものもある。
 問題はファティナに思い出の品がなかったことだ。ここまできて、実はファティナがマイトたちと同類とかはないだろうね。女性は年を重ねるに連れて現実を重視するようになる、という深い命題がそこにあると解釈したい。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-カギを見つけたウトゥを見逃すジル
 微妙なタイミングで鍵を見つけるウトゥだが、ジルはそれを確認していながら見逃してる。後でウトゥが鍵を持っていることを知っていた素振りがあるので間違いない。とすると、ジルにもこの館に留まりたいという気持ちがあることになる。この時点では他の人と同じように、先へ進む目的が揺らいでいたのだ。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-カーヤの残した服
 一番新しいのがカーヤの服だとアーメイは言うが、ここでカーヤの服が登場するのは、カーヤが置いていったからと考えるのは間違っていそうだ。いや、第1話で着替えた姿で現れたから、この館に脱いでいった可能性ももちろんあるのだけど。
 この部屋に現れたものが思い出の品というなら、この服も誰かの思い出ということになる。もちろんジルのものだろう。そして、カーヤの思い出が半年足らずのものなので、「ここで一番新しい品」というのにも説明がつく。だとするとカーヤの服は実物が別にあるのか?
 もしこれがカーヤが本当に置いていった服だとすると、ジル達が館を去った後、大量の思い出の品は消えてしまうものの、広い部屋にこの服の箱だけが1つだけ残されることになる。逆に、ジル達がこの部屋に来る寸前までは、部屋にはこの服しかなかったとか。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-ヘナロの父親パズズ
 この回最大の話題と言えば、ヘナロがパズズの娘だったということだろう。これに関しては、公式サイトのキャラクター紹介で、ヘナロの耳が尖っていることから、それを予想することはできたのだけどね。
 この世界で耳が尖っていると言えば、キシュア地方の一族ということになる。キシュアは迷いの森より奥に住む種族で、半神半人の流れをくむ一族の末裔だ。パズズの強さもそこに由来するものなのか?本来キシュア族は戦闘部族ではないのではみ出し者だったのかも知れない。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-左目が見えるパズズ
 死んだ時の状態で現れるわけではないらしいのが、パズズの左目で分かる。死んだ時のパズズはジルに左目をやられていたはずだから、ヘナロのイメージがそれ以前のものなのでこうなったのであろう。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-ヘナロの「ですよねぇ~」
 パズズの「やはり愛してはいなかった」については、相当な議論がなされた結果のセリフで、解釈がとても難しい。パズズが本当は愛していたのかいないのか?この言葉が本音なのかわざと嘘をついているのか?4つのパターンがあるわけなのだが、あえて1つずつ検証するのはヤボというものだ。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-父親を射抜いたヘナロ
 ヘナロの母がどんな人物だったのかは、いろいろと考えられる。愛されて認められた存在だったのか?行きずりの関係だったのか、母のことを言われて父親を撃つくらいなので、遠藤の予想は次のようになるかな。
 ヘナロの母はパズズが任務遂行のために籠絡され、なりゆきでヘナロが生まれ、その後にパズズに殺されたというものだ。パズズに養育費を払う甲斐性があるとは思えないので、ヘナロの母は相当な資産家の出身とすれば、ヘナロが結構な金を持っていることにも説明がつく。

 ヘナロの母も特殊工作員で、娘のヘナロもサラブレッドという雰囲気もあるけど、これだと母を侮辱されてパズズを撃ったことになる。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-ヘロナ台本の一部
 ヘナロの本名はヘカテというらしい。後にギリシャ神話でも神扱いされる名前だ。
 ヘナロの名前がよくヘロナと間違われるという話を前に書いたが、7話の台本ではついに役名すらところどころヘロナになっていて笑った。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-現われた四騎士
 マイトを除く3人は一緒に行動している。今回もスペキュラの言葉を紹介しよう。
「見つけた」「(ブラッド)そうだ、発見した」「了解」
「(ガトリングを撃って)殲滅」

「撤収」
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-ヘナロは四騎士の回収が目的
 ヘナロの目的が四騎士の回収と判明、依頼主はアミナで、ヘナロは父パズズとは異なる行動をとっている。こうなるとケルブの店に出入りしていたのは、幻の塔を出現させるカイと繋がったジルを監視していたのだろう。前にヘナロには幻の塔へ行く理由があるとしたら・・・という考察をしたのだが、ジルの近くにいることでチャンスは広がる。もちろん充分な情報をヘナロが握っていたとすると、という前提つきだが・・・、その前にヘナロに任務以上のモチベーションがあるのかは謎。父の仇を討つつもりだったのかも知れないが、このやりとりの後では失せてしまうかも知れない。
 ヘナロがなぜケルブの店にいたのか?については、第4話の分析 の中で「単独で幻の塔に登りたい理由がある可能性」について書いている。多分それでアタリなので、まだ読んでいない人はどうぞ。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-ウラーゴンのマントをつかむマイト
 あの殺戮マシンであったマイトはどうなってしまったのだろうか?多分グレミカの爆裂矢を受けて、一旦機能停止したと予想される。幼児退行してしまった状態だね。単純反射として何かを握っているのだが、それがウラーゴンのマントだったというのが「縁」というもの。丁度ウラーゴンも疲れているわけだし、条件は整っている(笑)
 この辺りの曲は、ネットラジオ「塔聴!ドルアーガ」リスナーなら聞きなれているんだけど、本編で改めて聞いても良い情景を作っている。コンテンツにとって聴覚に訴えるのは感動を与えやすいのだが、本作は音楽にも恵まれているなぁと、こちらも再確認。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-カリーに機動されているマイト
 マイトの初回起動は1期の9話で落下した柩をカリーが開けてしまった時。「中を見たのなら死んでもらうしかない」というパズズのセリフは、マイトが最初に見た者の言う事を聞くようになっているから、パズズ以外の他者に見られた場合、不都合が起こるからに違いない。このマイトの回想シーンは、インプリンティングされた対象がカリーであることを示している。実際に9話を制作していた時点では、1期で終わるか2期があるのかが明らかでないので、中が見えないアングルで処理されていたんだろうけどね。
 その辺の調整がもろに見えるのが、1期11話でパズズが四騎士を起動したシーン。ハッキリ見せない形で処理してあるが、甲冑のナイトとして描かれている(DVD分析126参照 )。2期が確定した12話で四騎士も存在が確定しているが、その12話も顔とかはハッキリ見えないようになっているし、2期に入ってからも前髪で目が見えなかったりで、今回のマイトが真のお披露目と言っても過言ではないだろう。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-カリーに抱かれるマイト
 再起動したマイトは、命令者としてまずカリーを最優先で求める。カリーについてマイトは何も知らないのだが、それを補完する情報が他から得られるので、館のシステムがマイトの前にカリーを具現化させたのではないだろうか?カリーは2人いることになるが、ウトゥとファティナが求めているカリーは同一人物だけど、マイトが求めるカリーはそれと異なるから別に出現したのか。いずれにせよ、カリーが柩を開けてしまったことによって、パズズが予見したとおり不都合が起こったわけだ。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-先へ進む決意をする一行
 先へ進む決心をするジル。ファティナがニーバとカーヤをぶっ殺すとか、ウトゥも返答次第とか言っているのも、ジルの判断を曇らせたのかも知れない。しかし意見を求められて首を横に振ったアーメイが、もちろんそれは「自分で決めろ」のサインだったんだろうけど、ジルを決心させる。
 一瞬でもアーメイに甘えた自分を指摘され、「アーメイに追い付けない」という気持ちになったのがジルっぽい。カギは既にウトゥの手にあることを知っているからこそ、悩む時間があったわけだが、先に進むキッカケが四騎士の攻撃だったのは、ヘナロにとっては大誤算だっただろうね。クーパの「最初からみんなわかっていた」という言葉が、この館を後にする皆の総意だっただろう。それだけ安息の時間にも重みが生まれる、良い演出だったと思う。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-ジルにカーヤのヘアバンドを結ぶアーメイ
 カーヤへの想いがジルにあるのは疑いの余地がないだろう。カーヤのリボン?をジルの頭に巻いたアーメイは、同じ塔の中にいるカーヤの気持ちをも情報として持っているのだろうか?もしジルの妄想情報だけで組み立てられたアーメイだとすると、ジルは勘違いの増幅をしている可能性もある(笑)
 どちらにしろファティナはドン引き!でも、人の気持ちって分からないからね、とだけしか今は書けない。
 それより「メルトも頼む」と言われて「ああ」と真っ直ぐに応えたメルトは、3話を底値として随分株価が上がってるよね。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-マスクの下で泣くウトゥ
 カリーと別れる二人は、いい別れ方だと思う。1期の9話でカリーが亡くなった時のニーバの対応に不満を感じていたファティナは、気が晴れたみたいだし、ウトゥも充分に泣けただろうしね。
 人は気持に区切りをつけることで成長する。同じところに留まるのは居心地がいいし楽だけど、前へ進まないとダメなんだよね。丁度この文章を書いている遠藤は23日が誕生日で50歳になる。もう人生も終わりの方が近くなって見ると、留まることの後悔だけはしたくないと実感するのだが・・・、それゆえ人から見るとフリーダムでイタいキャラになってしまい、歳相応ではないのが「?」だ。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-消えていくアーメイ
 カリーが、アーメイが消えてゆく。
 このシーンは「黄泉がえり」という映画を思い出した。遠藤のMGS社の親会社であるIMJエンタテインメント社が関わっている作品で、遠藤自身も原作者である梶尾慎治氏と面識があり、同名ゲームをPS2で小倉優子さんを起用して作ったことがある。この時にも考えたことなのだが、消えていくことを見せるというのは、残酷なようでいて新たな希望を生み出すことの方が多いと思う。

 館のシステムとして、扉を超えた瞬間に幻は存在の拠り所を失って消えるのだろう。ということは、扉を越えて振り返れば、そこに消えていく思い出の人を見ることができるはず。扉を抜けていくところを見ると、ファティナは後ろを振り返っているけど、ウトゥがまだいたからカリーの消える姿は見ていない。ジルはカリーが消えゆくところはハッキリと見ているし、アーメイが消えようとしているところも見ている。
 亡き人の想いを背負って進むことを受け入れ、また1つ人間的に成長していると思う。ニーバとの対面が楽しみだ。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-追い掛けるヘナロ
 ヘナロは食事の際にも同席せず、このまま別行動なのかと思われたが、任務遂行のためにも最後は行動を共にする。一旦今回で明らかになったことを整理しておこう。
・ヘナロはパズズの娘
・アミナ将軍の指示で任務を遂行している
・目的は四騎士の回収
ここまでは明らかで、ジルたちを殺さなければならないというやりとりから
・黒ギルの護衛が任務の一部
と推察される。パズズはマーフの指示によって、黒ギルを殺そうとしていたのだから、四騎士の使用目的は180度転換されることになる。逆に、ニーバとカーヤが黒ギルを倒そうと思っているのだから、それを阻止することも優先順位が高く、ひょっとすると後発組で最もニーバとカーヤに追い付く必要があるのかも。
 コントロールできなくなったという四騎士の支配権が誰に行くのか?それが今後の力関係に大きく影響しそうではある。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-全てを凍らせるアイス
 その四騎士の圧倒的なパワーが今回披露されている。ブラッドは火炎使いであり、アイスは氷使い、スペキュラはRPG的には遠距離物理攻撃か、いずれも人間と比べると桁外れと言える。マイトも並ぶくらいの強さを持っていると見ていいのだから、それを落としたグレミカの実力も侮れない。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-実体を維持できなくなるカリー
 そんなマイトにカリーは命令を下す。
「みんなを守ってくれ」
 この言葉が今後のマイトの方向性を決めることになるだろう。だが・・・「みんな」って誰?四騎士の線は既に攻撃しまくりなのでないとして、ギルを殺したいのか生かしたいのか?
 カリーがファティナ達が去ったことによって消えてしまう。ここにヒントがあって、カリーが守ってほしいのはファティナとウトゥなのではないだろうか?もちろんニーバも含まれるだろう。そうなると、マイトはギル抹殺派として行動することになるのだが・・・。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-暴走するマイト
 カリーが消えたことを、何者かに殺されたと勘違いするマイト。その報復行動は四騎士に向けられていたので、ジルパーティーの危険を排除しているのではないだろうか?
 斎藤千和さんの演技が振り幅大きく見れるのもおもしろいし、それにしてもマイトは強い!
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-アイスを貫くマイトの触手
 一撃でアイスを貫くマイトの触手。人間なら即死だと思うけど、ちゃんと撤退してるので、弱点は胴体ではなさそう。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-マイトの攻撃を避けるブラッド
 ブロードソードでマイトの攻撃をかわすブラッド。四騎士のリーダー格っぽいので、当然か?
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-首を落とされるスペキュラ
 あっさりと首を刎ねられるスペキュラ。首がない状態でもちゃんと発音していたので、頭が弱点ではないらしい。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-爆発を生み出すマイト
 地面にクレーターができるほどの大爆発を起こす何か。マイトが吠えたら発生したのだが、音響爆弾ではここまでの威力は生まれないだろうから、遠藤の身近の言葉で表現すると「TILTOWAIT」(ニュークリアブラスト)だな。もちろん高レベルキャラクターは生き残れる。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-ウラーゴンの上に落下するマイト
 爆発を発したマイトが、再び機能停止状態でウラーゴンの背中に降ってくる。マイトの状態に関しては、
・暴走によるエネルギーの一時的不足
・再び初期化
の二択が考えられる。前者ならカリーの命令が保持されるので、ヘナロにとっては強敵となるだろう。後者ならパズズがカリーを殺したことからわかるように、新たな命令者が決定されることになる。目覚めた時に最初に目に入った人・・・このままだとウラーゴンになってしまう、カイにとっては強敵となるだろう。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-マイトに心を許すウラーゴン
 ウラーゴンは「ママ」と呼ばれて、ひょっとしたら初めて頼られる存在になったのではないだろうか?薔薇の花に囲まれて不思議な表情でいるところが、何ともウラーゴンらしかったのだが、この瞬間マイトという存在を受け入れたのではないかと思う。最も、その法外な戦闘力を目の当たりにして、逆らっては死ぬと悟った瞬間なのかも知れないけどね。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-マイトを背負って歩き出すウラーゴン
 マイトと共に扉を目指すウラーゴン。ウラーゴンの任務はカイの身柄を確保することにあったと思う。今回グレミカパーティーの様子が分からないが、彼女たちは一体どこにいるのか?明確な目標が見えずとも、前に踏み出したウラーゴン。ちょっと愛すべきキャラクターになってきちゃったんじゃないの?
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-姉キリエの元に残る決心をしたクム
 一方、最も任務に忠実だったと思われるクムが、館に残る決断をする。クムはここがどんな場所か知らないので、他のエリアに比べれば心安らぐのかも知れない。でも、その決断は自殺に等しいように思える。もちろんクムがそれと分かっていて、なお且つ姉の幻影を選んだというなら、それはそれで人の心のカゲを描いた怖い話でもある。最後の「ギーザ・ギルガメス」は自らへの鎮魂歌なのかも知れない。
 そんなクム役の杉山さんも、キリエの川澄さんと一緒に無茶ぶりのアドリブをこなしている。
キリエ「って言うか、その鎧センス悪ぅ」
クム「うるさいな、みんな我慢して着てるんだ」
 これもスタジオ中大爆笑だったぞ。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-エタナとウー・ルーが示し合わせる
 次回はついにジルがニーバに追い付く。ファティナとウトゥは何を見つけたのか?マーガン肉の意味は、ひょっとしてどこかの豚のふとももだったりするのか(笑ナイナイ)?ウー・ルーとエタナはケルブの留守中に密かにデキていたのか?タイトルからすると、グレミカとニーバの対決もあるのか?第8話「二人はかつて」お楽しみに!