お医者さんにDoctor, おまわりさんにOfficer,と直接呼びかけるのは、英語でも日本語と同じで問題の無い表現。
でも、学校でTeacherにTeacher,と呼びかけるのは?というのが本日の話題。
先生、って意味での呼びかけ、ついついTeacher,って言ってしまいそうですが・・・
これはいけません。
アジア系の子どもや学生たちが、これでアメリカ国内で文化的な摩擦をおこすところを、私は数限りなく見て参りました。
日本人、中国人、韓国・朝鮮系の学生は、学校の教師を先生、とかそれにあたる老師、などの言葉で、特別に何々先生、と付けなくても礼を失せずに呼びかけることが出来ます。
そして、ものを教える仕事といえばTeacher。ならば、先生、という意味で、呼びかけるのもTeacher??
Teacher、よく見てみましょう。まさに「教える人。」日本語に置き換えると、尊称である「先生」ではなくて、「教師」あるいは「教員」という意味にすぎません。
では普通、教師ってどう呼んでる?というと、
Mr.OO, Ms.XX というように、呼び名があるはずです。
私が働いていたのは、縦割り教育のモンテッソーリスクール。年齢でいうと2歳半から6歳。幼稚園と、小学校1年生を含むクラスです。もう少し大きい子ども相手であれば Ms.Yokomizo あるいは Mrs.
Yokomizo というところですが、幼稚園の慣習からいって、この場合は Ms.Miyuki。だから私の仕事上の呼び名はいまだに Ms.Miyuki です。
学校の先生のお名前は、Mr.oo, Ms.XX と個別のお名前を呼ぶのが正解。もちろん、語学学校など大人の通う場所では普通にファーストネームやニックネームで呼ぶ場合も。それには、「こういう風に呼んでね!」とはじめにお話しがあるはずです。それはやはり自己紹介でのなかでのこと。クラスの一員として聞いている場合も、やはりここでぼんやりしていてはいけませんね。
もしお名前が分からないから、Teacher!って呼んだら?
学校の教師に向かって日本語でも「教師。」とか「教員。」って呼びかけないのと同じこと。ちょっと変になってしまいます。
アジア系の人の文化的な背景に詳しい先生なら理解はしてくれるのですが、やはり気を付けるのが一番。「私にはきちんとXXという名前があります。その名前で呼びかけないのは失礼ではありませんか?」と指摘してくださる方もいらっしゃいます。
何度も繰り返す生徒には、「きちんと名前を呼ばないなら返事をしないわよ!」とたしなめる方も。
こちらは問題無いと思って言っている表現が、まさかの失礼な発言になりかねない、という、ちょっと気を付けるべき一例です。