股関節の外旋と内旋ランニングフォームの修正 | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

野球の指導者が自身の投球フォームを修正しようと試行錯誤している。陸上の指導者が自身のランニングフォームを修正しようと試行錯誤している。長年、競技に携わっている指導者自身が、動作フォームを追及し続けている姿勢は素晴らしいと思う。構造動作トレーニングセミナーには、いろいろな競技の指導者の方が参加してくださっていて、私も彼らから学ぶことは多く、本当にありがたい。

 

 

ランニングフォームについては陸上指導者のfujitaさんから、本や動画をご紹介いただいたり、走動作の解説をうかがったりしている。以前、ハンマー投げの室伏重信先生からうかがった骨格位置のトレーニングも実感がわいてきた。そのせいなのか、fujitaさんがめざしているアフリカ人ランナーの走りというのが想像できるようになってきた。

 

各競技の一流選手の動作は美しい。そして、彼らが自身の動作方法を解説したならば、それはとてもシンプルだ。おそらく一般選手がそれを参考にしたとしても、似て否なるものになるだろう、なぜなら、彼らの立ち姿は一般選手と骨格位置が違い、質の高い動作を可能にしているからだ。参考にするのならば、立ち姿、立ち居振る舞い、そして動作方法をあわせて参考にすべきだと思う。子供のうちから良い選手を参考にした方がいい。

 

骨格位置は、各骨の形状を理解し、その骨がもっとも強度を発揮する位置をもとめ、骨格のアライメントを配列する。さらに、そのアライメントがもっとも強度を発揮する位置をもとめる。それがパワースタンス、パワーポジションだと考えている。

 

このパワースタンスは、筋肉の起始停止部が整っている状態なので、すべての筋肉を動作で働く状態にする。質の高い動作というのは、重心移動が円滑におこなわれている。各関節が重心移動を円滑におこなえる運動方向を求める。体の状態、動作の状態は個人差がある。 体は現状で重心移動を円滑におこなえる状態に整えておくことが大切だ。

 

動作フォームを修正する以前の問題は解決しておく。例えば、重心移動が円滑におこなわれている動作では、股関節の運動の中で股関節の外旋、内旋の切り返しがテンポよくおこなわれる。股関節の外旋、内旋は大腿骨の長軸を軸に回転する運動なので、下肢のアライメントの配列が適切でない場合は、股関節の外旋、内旋の切り返しのテンポが乱れる、あるいは、テンポが入らない。その他にも、 股関節の運動方向あるいは、それに連動する各関節の運動方向が適切でない、股関節の外旋、内旋運動に作用する筋肉が働く状態にないと、股関節の外旋、内旋の切り返しがスムーズにいかない。

 

▲解剖学アトラス 訳=越智淳三

 

動作フォームを修正するときは、動作時の接地のタイミングで、どのように股関節の外旋、内旋の切り返しが起こるのかを実感できることが重要だ。