外反母趾のメカニズム/小指はアクセル、親指はブレーキ | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

あなたは、足裏のどの部分で体重を支えていますか?



足裏の接地は母趾球、小趾球、踵の3点でカラダを支えると思っている人が多い。
だが、足は衝撃を和らげるためのショックアブソーバーであり圧を分散する必要がある。
足裏の部分的或いは点で圧を集中させていては衝撃を和らげることができない。
足裏の接地は、趾(あしゆび)を含む全体が望ましい。
圧を分散したときと集中させた場合では重心移動の軌道が異なる。
より滑らかに重心を移動させるためには、圧を分散して体重を支えなければならない。




▲立位時の足裏画像



圧を集中させて体重を支えていると、タコや魚の目、かかとガサガサ、ひび割れなど、足裏は集中的に圧と摩擦を受け続けてボロボロになります。





圧を分散させて体重を支えることができる足は、やわらかく、健康的な足裏になります。



圧を集中させて体重を支えていると足裏の変化だけでなく、足の形までも崩れてしまいます。
その代表的なものは「外反母趾」です。





「外反母趾」は、母趾球に圧を集中させて体重を支え続けた結果です。
そして、親指の役割はブレーキですから、いくら丈夫なな構造物だとしても、常に圧を集中させて、ブレーキをかけて、動き続けていれば、それが壊れたとしても何ら不思議ではありません。



▲趾でカラダが変わる(日貿出版社)P.72外反母趾のメカニズム
1.足のアーチ構造が保たれている状態。
2.親指・母趾球に圧を集中させて体重をかけた状態。
3.親指・母趾球に圧を集中させて体重をかけ続けた状態。



外反母趾の治療は、保存的な療法による治療と手術による治療があります。
保存的療法にによる治療は、痛み止め薬、湿布薬、テーピングやサポーター、治療靴や足底板、運動療法などがあります。最終的には手術などの方法がありますが、根本的には親指・母趾球へ集中的に圧をかけて体重を支えることを止めなければ、問題が解決させることはありません。



昔は、ハイヒールなどの先の狭い靴を履くことで足が圧迫されることが外反母趾の原因だといわれてきましたが、最近はスニーカーを履いている子供たちにもみられます。
これは、外反母趾の三大原因といわれている「女性、遺伝、ハイヒール」というのがあてはまりません。



同じランニングシューズを履いて走っていても外反母趾になる選手とならない選手がいる。
同じトウシュウズを履いて踊っていても外反母趾になるバレリーナとならないバレリーナがいる。
同じハイヒールを履いて踊っていても外反母趾になるダンサーとならないダンサーがいる。



これを女性だから、遺伝だから、ハイヒールを履くから、ということで片づけてしまうことは乱暴すぎると思います。
外反母趾になる選手とならない選手の接地には必ず違いがあります。



ブレーキを外して、アクセルを踏む。
これが動くときの基本です。
そして、
圧を分散させて体重を支える。
これが接地の基本です。
“動き”のための足を見直しましょう!



---
Facebook 
アメブロ
Ashiyubiサイト
中村考宏オフィシャルサイト