身体がやわらかいということ | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

私は、やわらかくありません。
私が股割りしているイメージが強いのか、私は身体がやわらかいと思われている。
私の股割りが収録されているDVDや書籍を見てセミナーやレッスンなどを受けられる方たちに、「私は身体が硬い」ということをお話しすると驚かれる。
股関節は以前より可動できるようになったが、「やわらかくなった」という表現とは違う。
おそらく、「やわらかい」という表現になるには、末端を軽く、股関節を可動できるようになることだと思う。
当然、10年も構造動作トレーニングをやっているのだから昔に比べればずいぶんマシにはなったが、まだまだ改善点はたくさんあります。

本当に私は力任せで動いている。
筋肉が厚い、もっと薄くしたい。
大胸筋や三角筋、僧帽筋は未だ主張が強い。
運動をしなくなれば、筋肉は落ちるというが、落ちてくれないのだ。
筋肉を付けたい人も多いと思うが、落とすことも難しいことがある。
つまり、私はこの胸肩回りの筋肉を多用しているということだ。
若いころは、パワー、筋力を信じていた。
その力任せに動いていた習慣から未だ脱皮できていないのだ。
このことは、古武術の稽古をするとよくわかる。
稽古人は、繊細な接触があたりまえ。
私はといえば、本当にガサツだということが身をもって実感できる。
このような繊細な人たちの世界を経験しなければ気づくこともなかったのだろうと思う。

最近は、胸鎖関節から腕を動かすことが少しできるようになってきた。
始まりは、関節が固まっているような感じだった。
関節が固まった感じは、ゴリゴリ、シャカシャカとか関節で音がするくらいだった。
その音が無くなると、私自身も胸鎖関節だと認識できるようになった。
次は、手先からの連動なのだが、先にも書いたように胸肩回りの筋肉の主張を黙らせることができない。
上肢帯の動きはぎこちなく左右差もある。
まだまだ、そんなレベルなので「やわらかい」という表現には程遠いのだ。

私はトレーニングはリハビリだと思っている。
そしてリハビリはトレーニングだとも思っている。
先日、医療関係者から「先生は何をやられているのですか?」と首を傾げられた。
私自身が、あんまり一生懸命にトレーニングしてるものだから不思議に思われたのだろう。
それが、リハビリとつながるのか?
ということが疑問なのだろう。
これには、「先生もやってみてはいかがですか?」というよりほかない。
しかし、先生方はそれよりもリハビリや施術などの実践テクニックに興味があるようだ...。

私は、動作の達人を目指しているわけではない、運動学や解剖学を実感して身体を知りたいと思っているので、治療士としてより高いレベルで身体を実感したいのだ。
知識よりも実感していることのほうが実践的だと私は思っている。
現に私が実感することで人に喜んでいただけたということを肌で感じている。
だから、私は構造動作トレーニングをやっているのです。

何でもそうだが、実践してみて何かしら気づきがあって、はじめて話が通じる。
ただ知識として知っているのと、実感して知っていることでは、知っていることの質が違う。
私が尊敬する先生方は、実感をともなった知識をもっている。
それは、ただ単に知識の寄せ集めとは違い、説得力や深みがあるのだ。

私は、まだまだ発展途上です。
是非、身体がやわらかいということを実感したいと思います。