『沖永良部島に魅かれて VI –徳時と言う集落-』 ブログ6 | 地球村研究室

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厳しい地球環境制約の中で心豊かに暮らすには?沖永良部島で実践しながら考えたいと思っています!!

酔庵のある徳時は知名町の中心から5kmほど北にある60件ほどの集落です。我が家は集落の中心から約500mほど東の大山の中腹で、もう200mほど東(大山の頂上方向)に登れば、八つ墓村のロケにも使われた昇龍洞があります。御隣さんは、200mほど下ったところにある松ちゃん宅です。松ちゃんはいつも笑顔で、畑に居ます。さらに下った徳時集落の真ん中にあるのが宮西さん家、いつもお世話になっています。主は大治さん、島では相撲が盛んで、徳時には神社庁に登録されている四並蔵神社と言うのがあるのですが、そこでは昔から奉納相撲が行われているくらいです。大治さんは相撲の元チャンピオンで、今でも皆から尊敬されている素敵な、そして大きな大きな方です。奥様はケイ子さん、菜の花と言う仕出し屋さんをやっている、踊りの上手なとっても働き者です。

徳時の年間行事にどんなものがあるのか、まだまだ不勉強ですので、今回はパスさせて下さい。でも島の行事で驚いたことは何と言っても結婚式、400500人くらいが集まるのです。島の取り決めで、冠婚葬祭の祝儀は上限3000円です、素敵なルールだと思います。会社勤めの頃、若い優秀な方々を中心にした研究所の初代所長を務めたことがありましたが、毎年20回以上の結婚式に呼ばれ、とにかくボーナスはすべて、結婚式の祝儀のために・・・・という時期がありました。3000円は良いですね、月に何度か出ても、無論そんなにはないのですが、これなら安心です。さらにすごいのは、結婚式らしい(?)最初の1時間ほど以降は、出席者のパフォーマンスが何時間も続きます。それがまた皆さん芸達者で、時間の過ぎるのを忘れて見入ってしまいます。ほんとにみんな素敵な一芸を持っているのです。もう一つ驚いたこと、最近では慣れてしまいましたが、何度も乾杯が続くのです。誰かが乾杯した後に、また誰かが一言献上して乾杯…といった具合です。

我が家から下って1km程で海です。夏は真っ青、地球がまぁるい!と認識できるほどどこまでも水平線が広がっています。残念ながら砂浜はありませんが、潮が引くとリーフの溜まりで貝やタコが捕れます。私にはわかりませんが、タコ取り名人は、あたり前のようにリーフの小さな穴に隠れているタコを見つけ、先の曲がった針金であっという間に引き出して行きます。貝は僕にも採れます、30分もあればバケツ半分くらいは楽勝です。でも、食べ方がわからなくて、お茶碗一杯くらいの身を殻から取り出すのに、3時間近くも掛り疲れ切ったこともありました。リーフの外へ出れば、そこは魚天国です。エンゼルフィッシュの様な小さな色付きから大きなブダイのようなものまで、悠々と泳いでいます。今日の食材にと、何度も銛を持って出掛けましたが、まだ1度も成功していません。でも、銛の先は何度も折りました・・・・

徳時の集落を海風、山風が過ぎて行くと本当に素敵です、その風を楽しみながら、いろんな理由を付けて、みんなで集まり、黒糖焼酎を飲みながらおしゃべりしていると、いつの間にか三線を誰かが弾き、みんなで踊っている・・・そんな時間があることはとても誇りに思えるのです。

20045月に『酔庵II』が出来上がり、6月に御世話になった会社を辞すことになりました。何だか計画的なようですが、全く偶然に色々なことが重なり、そして9月から東北大学で御世話になることになりました。

大学暮らしが始まると、そして、酔庵IIと言う別荘が出来上がると、島通いも随分変わってきます。会社員時代は休みが取れても、せいぜい34日程度が精一杯。でも大学勤めでは、10日くらいは何とかなります。結局、ゴールデンウィーク、8月第1週の夏祭りの時期、年越しの3回、島にお邪魔するのがルールになってしまいました。島に出かける度に段ボール何個かの荷物を送り続けて9年も経つと、別荘と言えども、暮らすにはほとんど困らないほどの家財道具も揃ってしまいました。