『15年間続けたバロックコンサート、終演を迎えました!!』  | 地球村研究室

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厳しい地球環境制約の中で心豊かに暮らすには?沖永良部島で実践しながら考えたいと思っています!!

昨夜、東京からの新幹線を降りると仙台は真っ白でした。仙台に来て9年目に入ります、例年だと、一冬にせいぜい2-3回の積雪ですが、今年はもう何度積ったことでしょう。仙台の我が家酔庵3号の前は青葉山の森です。その森が綿帽子をかぶったように真っ白になるのを見るのはとても素敵ですが、そんなとき、ふと、温かい沖永良部島に魅かれるのも事実です。年末に島に戻った時、高倉酒店のおやじさんが、孫に会いたいけれど鹿児島は寒そうだから出掛けられない。。。とおっしゃっていました、島に長く住んでいるときっと最高気温が氷点下等と言う場所にはなかなか出かけられないかも知れませんね!()

僕には音楽の才が微塵ほども無いと思っています。無論音痴です。小学生のころには、これでも合唱団を受けたことがあります、どういう判断で両親は僕を入団させようと思ったのでしょう、もちろん落ちました。。。10年以上もバイオリンを習いながらキラキラ星から卒業できなかったというくらいひどいのです。でも、嫌いなわけではなく、聴くのは大好きです。17-18年前になるでしょうか、ひょんなことからバロック音楽との付き合いが始まりました。きっかけは大学の頃の恩師のS先生。大分県日田市の町のあちこちで3日間バロック音楽の祭典があるから来ないかとのお誘いでした。バロックと言うより、温泉につかり、旨い山の幸を堪能できる・・・というのが一番の魅力で出掛けたものの、楽しくて楽しくて。。。音楽家たちの何と素敵なこと、私が今まで出会ったことの無い異文化圏の人たちです、何もわからないものの何とも包み込まれるようなバロックの調べ。。。。一度で気に入りました。当時、オランダのハーグ王立学院の教授を務めていた佐藤豊彦さんにお会いしたのもその時です。世界トップレベルのリュート奏者だと言うのにとても気さくな素敵な方で、奥様の千代美さんはソプラノ歌手です。最初に歌を聞かせて頂いた時に驚きました、出てくる音と口の開きが全く違って見えるのです。クチパクかと(失礼!)思ってしまったほどです。どうやらバロック楽器(特に弦楽器)には今の楽器のような共鳴板ついておらず、大きな音が出ないので、もっとも大きな音の出る人間の声の方を調整しなければならない結果のようです。

音楽家には美食家が多く、豊彦さんの料理の腕も一流です。音楽家に何故美食家が多く、絵描きには少ないのか・・・・よく一杯飲んでいる時に話題になる話ですが、僕は音楽(演奏)には最初と終わりがはっきりしていて、結果として時間のメリハリがあること、絵描きには、絵を書き終わるまで終わりの時間が来ない訳ですから、そのメリハリがないところが最大の問題だと思っていますが如何でしょう。では文筆家は??どうなんでしょう。豊彦さんの料理の御師匠さんは唐津の陶芸家、隆太窯の中里隆さんです。器をつくる職人が料理のことを知らないでどうする、と言うことで吉兆の料理人を唐津の自宅に住まわせたものの半年ほどで、もう教えることはありませんと料理人に言わせたほどの方です。とても素敵なおじいちゃまです。そして、豊彦さんとの出会いが僕も料理を真面目に学ぶ切っ掛けになりました。この話はどこかでそのうちに

こんな御縁で、年に一度、焼き物の町常滑で土管を焼いていた単窯の中で。。。リュートの佐藤豊彦さん、ソプラノの山田千代美さん、リコーダーの大竹尚之さんによる小さな演奏会が始まりました。あれから、毎年、毎年。。。。クリスマスコンサートから、ニューイヤーコンサートと名前を変え、場所も窯の中からINAXが創ったタイル博物館、さらには泥んこ館と場所を変えても、毎回70名を越える御客様方に支えられ15年が過ぎました。そして、今年一つの区切りをつけることにしました。演奏会の前の前夜祭、演奏会当日のパーティー、翌日の御苦労さん会と毎回3日間の行事を本当にみんなで楽しめたこと、そしてそれを通して多くの方に出会い、おいしいものと素敵なおしゃべりの時間を頂いたことは、一生の財産だと思っています。感謝、感謝です!

島でも、豊彦さんたちに来て頂いて我が家酔庵2号でコンサートを開いたことがあります。面白い事件がいっぱい。。。。。これもそのうちに、大笑です。

 

2013.02.23 酔庵主 石田秀輝 Emile H. Ishida