Duo QuenArpa 公式ブログ(新)-星の王子さま3種
『かんじんなことは目に見えない』

$Duo QuenArpa 公式ブログ(新)-サンテグジュペリ

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星の王子さまとダライ・ラマに学ぶ相互依存の関係性


『星の王子さま』は作者サン=テグジュペリ
(1900ー1944)の著作権が残っていたころは
日本版は岩波書店の
内藤濯(あろう)翻訳のものが唯一でした。
著作権が切れた2004年以降、
様々な翻訳者によって
次々と出版されています。

王子さまの星に
たった1本だけあるバラの花が
地球にある何万本のバラの花とどう違うのか?
ということを、
キツネが王子さまに話す場面があります。

「めんどうみた相手には、
いつまでも責任があるんだ」 
          (内藤濯・訳)
「飼いならしたものには、いつだって、
きみは責任がある。
きみは、きみのバラの花に責任がある」
          (池澤夏樹・訳)
「いったん誰かを飼いならしたら、
いつまでもその人との関係を
大切にしなくちゃ」 (浅岡夢二・訳)

内藤濯氏が「めんどうをみる」という動詞を
使って訳しているところが、
ほかのお二人は
「飼いならす」と訳しています。

ボクが氣に入っている翻訳はこれです。
「きみは、なつかせたもの、
絆を結んだものには
永遠に責任を持つんだ。
きみは、バラの花に責任がある」
      (河野万里子・訳)

もとのフランス語ではどんな言葉が
使われているんだろう?と
探求しました。

フランス語の単語は

apprivoiser(アプリヴォワゼ)
だとわかりました。

これは確かに、
「飼いならす」「なつかせる」
という意味です。

サン=テグジュペリは、この
apprivoiser に、何か深い意味を
こめたように思います。

野生のキツネが
人間に慣れていくという様子から
作者は「飼いならす」という言葉を
使ったのでしょうか。

池澤さんも浅岡さんもかなり悩まれて
いろんな意味をこめて敢えて
この「飼いならす」と訳したのだろうと
想像できます。

しかし「飼いならす」は主従関係の
イメージがつきまといます。
対等な人間関係にぴったりする言葉や訳語は
ないものだろうか?

人間関係でいうと、
「なつく、なつかせる」
「関わる」
「寄り添う」
「馴染む」(なじむ)
「仲良くなる」などが
考えられるかな。

しかしこのフランス語の単語に
作者が込めた意味というのは、
自然に仲良くなるという
ことではないようです。


「関わりをもってその後努力して
馴染んでいく」ということらしいのです。

「何かのきっかけで関わりをもって
そこから関係性をつくりあげていく」

ということです。

『星の王子さま』とダライラマのメッセージ

ダライ・ラマ法王はツイッターで
つぶやきました。

「わたしたちは
他人に依存しながら生きる世界に
暮らしています。だからわたしたちは、
他人から必要されること(needs)を
無視しては、
自分の目標の達成を期待できません」


ドキドキお互いに必要とする
関係性を育む努力こそが
人生では大切だよ、と言っているのです。


関係性を育むドキドキ
この言葉の中に、より善く生きるコツの
すべてが詰っているような気がします。

やぎりん in 徹子の部屋

★九条が平和を守ってきた証拠