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 情報伝播の性質として仕方がないのですが、伝わるうちに、名前が変わったり、情報そのものが変化するのが世の常です。


しかし、今回は竜の事を書くにあたって、龍王は元々インドの龍王(ナーガラージャ)が仏教に取り入れられたものなのです。


だから本来なら仏教の龍を語るのであれば、インドのナーガ達を知らないと本当に知っているとは言えないのでは?と感じました。

 仏教伝来の大元となるインドでの龍のあらましって一体どんな風になっているのか?

 

 難しいので、全部覚える必要はないかと存じますが、こんな風になっているだという事で記していきますね。


 インドでは地下世界(パーターラ)というところに龍(ナーガ)一族が住んでいるようです。

 その龍達の中に龍(ナーガ)の王(ナーガラージャ)がおり,

インド神話には数々の龍王(ナーガラージャ)が登場しています。


ここで、注意しなければいけないのは

日本の仏教だと、常に8大龍王!

って事に意識が行きがちですが、実はインドには、沢山のナーガが存在して神話に出てくるのです。


しかしそんな沢山の龍(ナーガ)や龍王(ナーガラージャ)の中から

どうして日本では八大龍王がそんなにも尊重されているのでしょうか?

その理由がわからないという人も多いかと存じます(たかちほもそうでしたから)。


という訳でたかちほが、解説させて頂きます。


日本の仏教は宗派によって分けてしまっているので(私はそれは本来の仏教ではないと分析いたします)


仏教の経典というのは実に沢山あるのです。


そんな数ある経典の中に、法華経という経典があるのです。

この八尊の龍のことは法華経に書かれています。


ですから、法華経を大切になされていたという日蓮さんなどは、龍の事は良く御存知で有ったと思われます。

もっとも、彼自身が龍使いで有りますしね。


私の文章を読んでいる方々の中にどれ位、日蓮関係の檀家様等が居られるかは存じ上げませんが。


以下の法華経『妙法蓮華経 序品第一』には

有八龍王。難陀龍王。跋難陀龍王。裟婆羅龍王。和脩吉龍王。徳叉迦龍王。阿那婆逹多龍王。摩那斯龍王。優鉢羅龍王等。各與若干。百千眷属倶。


【法華経現代語訳】

以下にわかりやすく、日本語訳しますね(^ω^)

「八竜王有り

①難陀(なんだ)竜王

②跋難陀(ばつなんだ)竜王

③娑伽羅(しゃから)竜王

④和脩吉(わしゅきつ)竜王

⑤徳叉迦竜王(とくしゃか)

⑥阿那婆達多(あなばだつた)竜王

⑦摩那斯竜王(まなし)

⑧優鉢羅(うはつら)竜王等にして

各、若干(にゃっかん)の百千の春属と倶なり。」


これは,お釈迦様が王舎城の霊鷲山(りょうじゅうせん)にて法華経を説いた時に

王舎城とは、釈迦 が説法した地の一つである。

インドビハール州のほぼ中央に位置する霊鷲山(りょうじゅせん)という外輪山に囲まれた盆地の中にある都市。

北インドでは珍しく温泉 が湧き出る。

釈迦仏無量寿経法華経を説いたとされる山として知られる

何万の聴衆者の中に八竜王がそれぞれ春属を連れて参加していたことを説明しています。

その中には帝釈天や梵天等々たくさん参加しています。


つまり、ブッタというのは、法華経を説いた時のギャラリーに

日本で言われている八大龍王が聴衆として居たという事なんです!

究極の龍使いですよね。

しかも帝釈天等がそのギャラリーの中に居たわけですから、ブッタの偉大さがわかると思います(^ω^)


以下は、少し難しいので興味ある方だけどうぞ、上記八大竜王の詳細です。ウィキペディアより
①難陀

(ナンダ、なんだ - आनंद Ānanda) 訳:歓喜

ナンダとウパナンダは兄弟竜王でサーガラ竜王と戦ったことがあった。

『不空羂索神変真言経』(T1092)第十六章「広博摩尼香王品」にて。


②跋難陀

(ウパナンダ、ばつなんだ - उपनन्द Upananda) 訳:亜歓喜。

ナンダの弟。

ナンダ竜王と共にマガダ国を保護して飢饉を救う。

また釈迦如来の降生の時、雨を降らしてこれを灌ぎ、説法の会座に必ず参じ、釈迦仏入滅の後は永く仏法を守護した。


③娑伽羅

(サーガラ、しゃから - सागर sāgara) 訳:大海

龍宮の王。大海竜王。「沙掲羅」、「娑羯羅」などとも漢語に音訳された。

法華経・提婆達多品に登場する八歳の龍女はこの竜王の第三王女で「善女(如)龍王]と呼ばれた。空海が新しく名付けることとなった清瀧権現も唐からついて来たこの娑伽羅竜王の同じ娘の事である。


④和修吉

(ヴァースキ、わしゅきつ - वासुकि Vāsuki)

「婆素鶏(ばすけい)」とも漢語に音訳された。サンスクリット語 वासुकि Vāsukiの意味は、「宝 (खजाना Khajānā)」と ほとんど同じである。

  よって、「宝有(ほうゆう)」、「宝称(ほうしょう)」とも別称された。

陽の極まりである「九」、数が極めて大きく強力であるという意で「九」を冠し九頭とされる事もあった

 よって「九頭竜王(くずりゅうおう)」、「九頭龍大神」等 呼ばれることが日本では多く、九頭一身と言われ考えられるようになった。元の伝説では千あることから「多頭竜王(たとうりゅうおう)」と呼ばれることも稀にあった。もともとは、須弥山を守り細竜を取って食していたという。


⑤徳叉迦

(タクシャカ、とくしゃか - Taksaka)

訳:多舌、視毒。この龍が怒って凝視された時、その人は息絶えるといわれる。

身延鏡と金光明経から七面天女は、タクシャカ竜王の娘とされている。


⑥阿那婆達多

(アナヴァタプタ、あなばだった -अनवतप्त Anavatapta) 訳:清涼

無熱悩。阿耨達(あのくだつ)竜王ともいう。

ヒマラヤの北にあるという神話上の池、阿耨達池(無熱悩池)に住し、四方に大河を出して人間の住む大陸 閻浮提(えんぶだい、贍部洲 せんぶしゅう)を潤すと謳われた。800里にも及ぶ池の岸辺は金・銀などの四宝よりなっていたという。竜王は菩薩の化身として尊崇せられた。


⑦摩那斯

(マナスヴィン、まなし -मनस्विन Manasvin) 訳:大身、大力

阿修羅が海水をもって喜見城を侵したとき、身を踊らせて海水を押し戻したという。


⑧優鉢羅

(ウッパラカ、うはつら - Utpalaka) 訳:青蓮華(Utpala)

黛色蓮華池。青蓮華竜王。青蓮華を生ずる池に住まうという。

インドでは花弁や葉などの形状を比喩的に眼を現すことに用いるが、特に青睡蓮(nilotpala)は美しい眼に喩えられる。

 

 仏教では仏陀の眼は紺青色(nila)とされ、三十二相八十種好の一つ「眼色如紺青相」となっている。「青蓮華」は、漢訳仏典で「優鉢華(ウハツケ)」、「優鉢羅華」などと音写される。中国で「青蓮宇(qinglianyu)(セイレンウ)」は仏教寺院の別称。また、仏教で「ウッパラ」といえば、「ウッパラヴァンナー」の故事が著名である。

~以上~


次はいよいよインドならではの神話です(*゚▽゚*)



続きは→その10