仮面ライダー響鬼 三十之巻 「鍛える予感」 | 牧歌組合~45歳からの海外ミュージシャン生活:世界ツアーに向けて~

仮面ライダー響鬼 三十之巻 「鍛える予感」


布施明
仮面ライダー響鬼テーマソング「少年よ」

 転校生、京介の登場。今回はコレに尽きる。いきなりアニメ絵を書き始めたのには大爆笑。そして響鬼をみて一言、「あ、あれは、父さん…」。


 脚本に井上敏樹氏のクレジットが。響鬼で書いたのは初めてかも。昨年の「剣」に続いての、ストーリー中盤からのテコ入れか? ちょっと今まで、視聴者の興味/好奇心を煽るような脚本力(=ドラマティックな構成術)が今ひとつだった感もぬぐえないので、井上氏の今後のペン裁き(?)に期待。

 音楽ネタ的には、京介のマイルス・デイヴィス風即興トランペット演奏以外にはネタ枯れ。轟鬼も登場せず、ネタ枯れ。で、一度やっておきたかった、名曲エンディングテーマ「少年よ」のコード進行を解析させていただきます。この曲も同主調転調が効果的に使われた一品。キーはAメジャー、4/4拍子。


 詞:藤林聖子

 曲:佐橋俊彦
 歌:布施明


【A】

*** *** *** ***
|4/4 F#m7 |E7 |A |D|
*** *** *** ***
|F#m7 |E7 |D |E7|

 バース部。1~8小節の構造は、
 Ⅵm7-Ⅴ7-Ⅰ-Ⅳ

 Ⅵm7-Ⅴ7-Ⅵ-Ⅴ7
以前にも書いたが(参照 )、この部分の歌詞は、現代の少年の心理=自己の存在感の希薄性を、あの酒鬼薔薇少年の日記に記された文章に象徴させて描いているのだと思う。行き場の無い悩める「少年」に対するメッセージが、続きで語られていく。コード進行的にもトニック、サブドミナント、ドミナントを行ったり来たり。悩める心理に反映していると思う。


【B】

*** *** *** ***  ***
|F#m7-E7 |D |F#m7-E7 |Dadd9 |D|


 Ⅵm7-Ⅴ7-Ⅳ

の繰り返し。Ⅵm7をⅠmと捉えるなら、マイナー版循環コード(参照 )と解釈できる。


【C】

*** *** *** ***
|A |A |F#m7 |F#m7|
*** *** ***
|C#m7 |C#m7 |Bm7 |E7|


 Ⅰ-Ⅵm7-Ⅲm7-Ⅱm7

 トニックⅠを、Ⅵm7、Ⅲm7と代理させてゆき、サブドミナントⅡm7にいたる。


【D】

*** you*** *** ***
|A |A |F#m7 |F#m7|
*** *** *** ***。
|D |D |Bm7 |E7|
*** *** ***。
|D |E |F# |F#|

 1~8小節は、
 Ⅰ-Ⅵm7-Ⅳ-Ⅱm7-Ⅴ7

とⅠ、Ⅳをそれぞれ長6度で開き、最後にツーファイヴ。9~12小節はツーファイヴから来たⅠ(=A)を省略するかたちでⅣ(=D)に至り、

 Ⅳ→Ⅴ→Ⅵ

と最後、Aメジャー=F#マイナーキーから、同主調転調してF#メジャーキーで解決する手法(参照 )だ。「少年」へのメッセージを歌い上げて終止。


 井上敏樹氏、今回1話限りでなければいいな。


p.s. 皆様のブログを閲覧後、(自分も含め)井上信者少数派であることに気付く。ちょっとショック。

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