1月19日は花粉症に関する院内研修会でした | 精神科医:みえしん院長

精神科医:みえしん院長

精神科医・産業医のブログ!心理学や精神医学、療養の方法から、障害者の結婚相談など障害者のお役に立てるサービス提供をしています。

おはようございます(こんにちは)。三重心身クリニックの臼井です。


三重心身クリニックの保険医療部門では、精神科・心療内科以外に通常の内科診療も行っております。


一般には、精神科医療機関で内科的な治療を受けられるところはそれほど多くはありません。しかし、患者様の通院の利便性や地域への貢献(勤務医の負担軽減)という観点から三重心身クリニックでは、内科のプライマリケアもある程度行えるような体制とスキルアップ体制をとっております。


1月19日は、院外講師を招いて花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)に関する研修を実施しました。

花粉症は、スギなどの植物の花粉が原因となって起こるアレルギーの一つです。人間に備わっている免疫という防御機能が、本来無害であるはずの花粉に対して過剰に反応し、花粉症の症状があらわれます。講師の先からアレルギー性鼻炎の発症メカニズムの詳しい説明がありました。

臼井卓士のブログ
一般に「花粉症」と呼んでいる病気は、「季節性アレルギー性鼻炎」というのが正式名です。その季節特有の原因(抗原)によって引き起こされ、スギなど春先に多いですが、春に限った病気ではありません。


私は医療現場では全てのスタッフが一定以上の専門知識を有していることが必要と考えています。お薬の処方をするのは医師ですが、患者様が医療用医薬品をより適正にご使用いただくためには、スタッフのサポートが重要だからです。この日も医師のみならず、隣接の調剤薬局の薬剤師の先生方、保健師、看護師のほか医療事務従事者も参加しての研修でした。

(ちなみに三重心身クリニックではより安全で効果的で新しい医療を提供するため職員研修を月に1回程度開催して職員の研鑽に努めています。)


ナゾネックス®点鼻液(Nasonex)というお薬が主なテーマでした。
1日1回の投与で、鼻アレルギーの3大症状である鼻づまり(鼻閉)、鼻水(鼻汁)、くしゃみに効果を示します。
また、鼻の粘膜に直接噴霧する局所投与のため吸収されにくく、また体内で分解されるため、全身への影響がない薬剤です。現在約100カ国
で発売されています。

花粉症で大切なのは「先手必勝」の「初期療法」です。2011年は花粉の飛散が多いと見込まれています。

臼井卓士のブログ
院外講師の先生が海外の研究データを引用して教えてくれたお話では、「副作用も少なく、症状の始まる前から使用すると花粉の飛散時期の83%の期間を無症状か軽い症状だけで過ごせるとのことでした。
1日1回の簡便な用法で治療ができますので花粉症が心配な方は、かかりつけの医師に相談し、辛い症状の予防をしましょう。もちろん保険
も使えます。


さて、ずいぶん前に投稿した記事でロラタジン(商品名ではクラリチン®)(→過去記事 )を紹介しました。すでにクラリチンを毎年服用している方も多いと思いますが、ナゾネックス®点鼻液を併用することで症状をさらに改善させることもできます。


このブログをお読みの読者の方には妊婦の方も多いみたいですが、アメリカ食品医薬品局(FDA; Food and Drug Administration)ではロラタジン(クラリチン®)、セチリジンがBランクで安全とされ推奨しています。
もちろんお薬には人により副作用や相性の問題はあります。主治医の先生に相談の上処方を受けてください。

臼井卓士のブログ

-------------------------------
そのあとお楽しみの昼食とカンファレンス(院内会議)でした。今回は本年初のカンファレンスであり、全員で医療機関のおかれた厳しい現
状の確認と、斜陽産業ともいわれる医療業で生き残っていくための方針の確認などを行いました。
三重心身クリニックではお薬の治療以外のご希望の方が増加傾向です。若年の方を中心にホームページを見て遠方からいらっしゃる方も増
えてきたり、カウンセリングをご希望される方が増えてきているからです。点滴やカウンセリング、栄養解析、バイオフィードバック療法など様々なサービスをより効率的に、そして何よりより安全に実施できるよう全員で再度情報共有を行いました。皆さまのニーズに応えら

れるようなサービス展開を常にこころがけ全員で頑張っていきます。


(参考資料・文献)
花粉情報協会(
http://pollen-net.com/welcome.html
Anolik R,et al:Clinical benefits of combination treatment with mometasone furoate nasal spray and loratadine vs monotherapy
with mometasone furoate in the treatment of seasonal allergic rhinitis. Ann Allergy Asthma Immunol.100(3):264-71.2008.

ペタしてね