ワタルの独立起業物語(第19話) | 関西の若手起業家と専門家が学び合う【独立起業研究会】ブログ

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ワタルの独立起業物語(第19話)


クロダに問い詰められ、顧客を奪ったことを白状してしまったワタル。
「アラキ社長と相談して、おって沙汰する」クロダはそう言っていたが・・・。

ワタルは仕事が終わると、出張中のリュウジに電話を掛けた。
クロダが「リュウジは全部しゃべった」と言っていた。
あれほど会社の連中には内緒だと釘を刺しておいたのに!
ワタルは怒っていた。

ワ「もしもし、リュウジか?今どこにいるんだ?」

リ「あ、ワタルさん?お疲れさまです。商談も終わって
  今はビジネスホテルに入ってますよ。」

ワ「そうか。少し話しても大丈夫か?」

リ「ちょうど俺も電話しようと思っていたんですよ。
  実は石原コーヒーのお金が足りなくなってきて。
  サガワさんに追加融資とかお願いできますかねえ?」

ワ「なんだって?全部で240万円あったはずじゃないか?
  何に使ったんだ!?」

リ「何って、コーヒー豆の仕入れに決まってるじゃないですか。
  別に無駄遣いしたわけじゃないですよ。なんで怒っているんですか?」

ワ「仕入れって今はほとんどペペニーニョさんに販売してる分だけだろう?
  月に100万ぐらいの売上と聞いたぞ。充分足りるはずじゃないか。」

リ「いや、、ペペニーニョさんには来月はおたくからの仕入れを
  増やすって言われていて。手元のお金では仕入に足りないんですよ。」

ワ「ちょっと待てよ。ペペニーニョさんからの入金は末締めの翌末日だろ。
  仕入の支払も末締めの翌末日のはずだから・・・理論上は月に240万
  ぐらいの売上まで十分大丈夫なはずだぞ。会社と同じでカトウ商会から
  仕入れているんだろう?」

リ「そうなんですけどカトウ商会から「リュウジさんといえども始めは現金で」
  と言われちゃって。その分単価安くしてもらったからいいでしょう?」

ワ「えー!そんな大事なこと今まで黙ってたのか?仕入だけ先に払ってたら
  お金足りなくなるのは当たり前じゃないか!?」

やはりソガベの言っていた通りだ。一度二人でしっかり資金計画を考えて
みるべきだった。リュウジは全くわかっていない。

はっ!この話も大事だけどもっと大事な話があったんだ。ワタルは思い出した。

ワ「リュウジ。この話はまた後にしよう。それより何で会社の連中に
  起業のこと話したんだ?今日クロダに呼び出されて顧客を奪った
  損害を・・・って迫られたんだぞ!」

リ「え?俺何も言ってないですよ。」

ワ「とぼけるなよ!クロダに石原コーヒーのネット広告見せられて
  リュウジは全部話したって・・・」

リ「ちょっと待ってくださいよ。俺ホントにクロダになんか言ってないですよ。
  ワタルさん、まさか認めちゃったんですか?」

ワタルは愕然とした。
「カマをかけられたのか・・・」再び全身の血の気がひいていくのをワタルは感じた。

             
              【次週に続く】