取引先が倒産した場合~所有権留保条項~
弁護士の横手です。
人が産まれて死んで行くのと同様に,
多くの場合,事業も産まれて,廃業していきます。
そのように考えれば,取引先が倒産することは当然生じうることです。
例えば,商品を納品した翌日,売掛先が倒産した場合,
売った商品はまだ倉庫にあるから,商品を取戻しに行きたい。
「まだ代金を支払ってもらってへんのや!」
「うちの商品を持って帰って何が悪いねん!」
と言って,取りに行ってよい場合と取りに行ってはいけない場合があります。
この2つを分けるのが,所有権留保条項の有無です。
所有権留保条項とは,売主が代金支払いを受けるまで商品の所有権を留保するという条項です。
先程の事例について,所有権留保条項があれば,適法な権利行使であり,
所有権留保条項がなければ,窃盗罪になります。
所有権留保条項を入れることができるか否かは,当事者双方の力関係次第ですが,
販売業者は契約書の雛型に所有権留保条項を入れてみてはいかがでしょうか。