FX初心者向情報サイト -54ページ目
<< 前のページへ最新 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54

市場動乱、円高進む?落ちつく?サブプラ問題解決がカギ

現在の円高は、米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題に端を発する金融不安で、世界的にドル売りの動きが加速したことが原因だ。

米国は連邦準備制度理事会(FRB)の相次ぐ利下げなど、金融面での対策を矢継ぎ早に打っているが、信州大学の真壁昭夫教授は「いくら金融緩和を進めても無駄。金融機関に公的資金を注入するなど根本的な解決策が必要」と指摘する。

米政府が公的資金投入を見送って問題を先送りすると、ドル売りは止まらず、平成7年10月につけた79円台の超円高が再現される可能性もある。

ここまで円高が進めば日米当局が円売り・ドル買いの市場介入に乗り出すとの見方も強い。だが、ニッセイ基礎研究所の櫨(はじ)浩一チーフエコノミストは「世界最大の外貨保有国である中国は外貨準備の多くをドル資産で運用しているが、ドル資産をユーロに切り替える動きに出ればドル売りは加速する」との最悪シナリオも示す。

円高どうなる?今後のシナリオを探る

急激な円高への警戒感や将来のドル高への反転を見込んで、市場には投機的なドル買い(円売り)もみられる。しかし、円高に歯止めを掛ける鍵となるのは、日銀の利下げに関する観測だ。

ゼロ金利を脱却したばかりの日本に利下げ余地は乏しいものの、あえて踏み切れば日米の金利差が拡大し、ドル買いを誘発する。農林中金総合研究所の南武志主任研究員は「日銀の中にも利下げの空気が徐々に広がっている。金利差が広がれば一方的なドル売りは弱まるだろう」と分析する。

4月にワシントンで開催される先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、ドル安への何らかの対応策が打ち出され、円高が一段落するる可能性もある。ただ、日銀総裁人事が混迷し、「中央銀行の総裁も決まっていない状態では、欧米の協調行動から取り残される」(真壁教授)との懸念も聞かれる。
円がやがては反落し、再び100円台に戻るとの見方もないわけではない。そのためには、サブプライム問題の抜本的な解決が不可欠だ。

米政府は1月に1500億ドル(約16兆円)の緊急経済対策を打ち出しており、米経済がいずれは回復基調に向かうとの見方もないわけではない。櫨氏によると、「景気対策が奏功してインフレに向かえば、FRBは利上げに転じ、日米金利差が拡大する」。その場合はドル買い地合いが強まりそうだ。


東京円、一時100円台

19日午前の東京外国為替市場で円相場は大幅続落し、3営業日ぶりに一時1ドル=100円台を付けた。前日の米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げによって金融市場の混乱がひとまず沈静化するとの思惑が広がり、円に対してドルが買い戻された。

急速な円高進行への警戒感を背景に、円は対ユーロでも大幅下落した。

午前11時現在は、前日比2円20銭円安ドル高の1ドル=99円80~85銭。ユーロは2円69銭円安ユーロ高の1ユーロ=156円45~50銭。

市場には「米国経済の先行き不安が取り除かれたわけではない」(大手信託銀行)との見方も根強く、ドル売りで円が下げ渋る場面もあった。

だが、前日発表された米証券大手ゴールドマン・サックスなどの決算が市場予想を上回って米株式相場が急反発したことから市場心理はやや好転しており、ドル売りは続かなかった。




<< 前のページへ最新 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54