不動産投資や法人経営ではたびたび遭遇するケースですが、個人で所有している建物や駐車場を法人に賃貸する場合、その1月から12月までの賃料合計が15万円を超える場合は借主の法人が翌年1月末までに税務署に支払調書を提出する義務が生じます。そしてその支払調書には所有者である個人のマイナンバーを記載する必要があります。
つまり、個人で物件所有している方は法人テナントにマイナンバーを聞かれることになり、法人が個人から借りている場合オーナーにマイナンバーを聞くことになります。
個人からすれば、公的機関や金融機関のみならず、所有物件借主の法人や、1回アルバイトしただけの職場にマイナンバーを教える必要があり(それらがどんなに怪しい会社であっても)、個人情報管理の意味ではかなりリスキーな一面だと思っています。
マイナンバーの漏洩には懲役や罰金といった罰則規定が設けられていますが、あからさまなケースを除き何時何処で誰がどのように漏洩したかを特定するのは困難です。そして本人が漏洩していることにすら気づかないケースが殆どな気がします。
ただ個人がこれらの会社にマイナンバー教えなかったとしてもその点に対しては罰則がないため(お尋ねや税務調査が入りやすくなるとは言われますが)、教えないで様子をみたいという人も多いと聞きます。
マイナンバーが個人情報としての価値を大きく増すのは、医療情報や金融・証券口座などと紐付けされ、来年開設されるであろう「マイナポータル」というサイトが本格稼働してからになるでしょう。
マイナンバーと関連付けられる可能性のある個人の資産背景、消費行動、医療情報といった情報は価値が高く(標的を絞ったセールスがやりやすくなるため)、それらの情報のニーズは必ず存在するので裏で情報マーケットが作られる恐れは常にあると見ています。
途中からマイナンバーの懸念の話にすり替わってしまいましたが、マイナンバー情報は自分の管理だけでは守秘しきれない部分が多くあり、今後が思いやられるシステムだと感じています。