まだ肌寒い3月末。
中山道の太田宿へ行ってきました。
太田宿といえば、中山道51番目の宿場町。
難所のひとつ、「太田の渡し」があったとされる地域です。
(↑ 太田宿のウィキページより転載させていただきました)
穏やかな流れをたたえる木曽川のそばには
当時の面影を今に伝える街並みが、大切に残されています。
…いえ、残されている、というよりも
愛されている、というほうがしっくりくる気がします。
だって、江戸時代の建物をそのままに、
魚屋さんや花屋さんがこうしてしっかりと商いを続けていらっしゃる。
宿場町の真ん中には、
今も醸造を続ける酒蔵があったりもします。
このあと、高山でも酒蔵を見る予定だったので、
中をのぞいてはおりません。
仕事じゃないのであしからず(苦笑)
この太田宿で目についたのが、
木造家屋が並ぶなかで、
ひときわ存在感を放つこちらの家。
太田宿の中央あたりにあるこの建物は、
「旧太田脇本陣林家住宅」。
井伊直弼や、板垣退助らが
投宿した記録も残されているそうです。
訪れたこの日は、月曜日で
あいにく休館だったので中を見ることはできませんでしたが、
通常は見学もできるのだとか。
歴史を重ねた建物はそれだけの魅力があり、
門扉の装飾など、ひとつひとつに見とれてしまいました。
ところで、この建物で他とあきらかに違ったのがこちら。
「うだつ」です。
「うだつの上がる街並み」としては、
お隣の美濃市が有名ですが、太田宿でも、
「うだつ」の上がった建物を見ることができるのだと知り、
ちょっとびっくり!
そもそも、「うだつ」とは
屋根の両端を一段高くし、火災の際、
隣家への類焼を防ぐためにつくられた防火壁のこと。
この「うだつ」に、
のちに装飾が施されるようになったらしいのですが。
「うだつ」を上げるためには、
それなりの出費が必要となったことから、
「うだつ」は、それ自体が富の象徴と言われるようになり、
転じて、「うだつが上がらない(※)」という言葉が
生まれたとされています。
※うだつが上がらない
世俗的な意味での出世が中々できない、
金銭的に恵まれる状況にならない、などの意味の表現。
「うだつ」は「卯建」「梲」「宇立」などと書く。
卯建が上がらない。(weblio辞書より転載)
いやぁ、、、勉強になるなぁ♪♪
太田宿にはこのほかにも、
古い建物を見ることができるのですが。
朽ちたもの好きの私としては、
あっちでうっとり。
こっちでパシャパシャ。
忙しいったらありゃしない(苦笑)
以下、うっとり&パシャパシャの一部。
↓
肥料やさんの看板…
…の横にあった、葡萄柄の照明(笑)
↑ これがあまりにもステキで、写真を撮っていたら
この家の主とおぼしきおじさんに声をかけられました。
「すみません、あまりにもステキだったので、、、」
と言うと、おじさん、まさかの満面の笑み。
「このランプを撮ってくれた人、初めてですよ!
以前、違う照明をつけていたんだけど、
なんか建物にあわなくて。
骨董市で5万で買ってきたんだ。
でも、そんな価値をわかってくれる人いないからねー。
いやぁ、うれしいなぁ」
って、ホントにうれしそうに話してくれました。
見送ってくださった後も、
お知り合いの方とこの照明について話していらしたので、
よほどお気に入りの照明だったんだろうなぁ。
確かにあの葡萄柄とまん丸具合と褪せた感じが
ステキだったもの♪
そういえば、
ちょっとおもしろいものも発見しました。
こちら、十六銀行の旧太田支店。
(今はどうやら民家らしい。
いいなぁ。住みたいな、こんな古い建物)
よく見ると、
鬼瓦の部分に「銀」という文字が刻まれています。
が…
私が釘付けになったのは、鬼瓦よりもこちら。
↓
さらに拡大
↓
…格子に顔が!!!
私、年甲斐もなく
驚きの声を上げてしまいました。
お釈迦様でしょうか。
なぜこんな所に?
あえて、ですか?
銀行だから、守ってたんですか?
それとも、今お住まいの方の趣味??
そもそも、窮屈じゃないのか?
いいのか?こんな???バチ当たらない???
まさか、お釈迦様、自主的に!?
(それはない)
などなど、いろんなクエスチョンが脳裏をかけまわり、
ひとりで大興奮しておりました。
興奮といえば、こちらにも興奮の種が。
題して、「あなたも歌川広重になれる!」コーナー!
もちろん、やります。
バレンとか、小学生以来です。懐かしすぎる!
こうして、1色1色、色を重ねて…
重ねて、重ねて…
はい、完成!広重です♪♪
くらべてみる。
比べてみるとあきらかに版ずれしてますが…
基本、おおざっぱなので、まぁいいとします。
ちなみにこちらの体験は、「太田宿中山道会館」→◎で。
ほかにも、こちらの施設では
地元の食材や加工品・お土産品の販売や、
朝市なども開催されています。
月曜は休館日なのですが、
実は翌朝、
モーニングを食べようと、再びこの界隈を歩いていたもので、
ちょっとだけ立ち寄ったのでした。
というわけで、せっかくなのでモーニングも。
お邪魔したのは、太田宿の街道筋にある
「いまやす」というパン屋さん→◎。
街並みと調和した風情のある建物からは
こんがりと香ばしい香りが漂ってきます。
お店の奥には、
10席ほどのイートインスペースがあり、
トーストやサンドイッチなどの
特製モーニングセットを
コーヒーやジュースとともに味わえます。
たまごトーストもですが、
その奥におまけでつけてくださった、
胚芽系のプチパンがおいしかったです。
(手前のコロンとしたのはクリームパン)
ところで、驚くべきはその値段。
これでなんと350円だなんて!!
中部のモーニング文化、おそるべし!!です。
岐阜には5日ほど、滞在したのですが、
このステキ過ぎるモーニング文化には、
毎朝毎朝、驚かされることになりました。
【御代桜醸造株式会社】
岐阜県美濃加茂市太田本町3-2-9
☎ 0574-25-3428
http://www.miyozakura.co.jp/intro/
【太田宿中山道会館】
岐阜県美濃加茂市太田本町3-3-31
☎ 0574-23-2200
営 9:00~17:00
休 月曜(祝日の場合は営業、翌日休み)
料 無料
http://kaikan.ootajuku.net/
【パン工房いまやす】
岐阜県美濃加茂市太田本町4-4-31
☎ 0574-26-0491
営 9:00~19:00(日曜は~18:00)
休 月曜
参考/
美濃加茂市観光協会公式ホームページ→◎
美濃市 「うだつの上がる街並み」を楽しむ公式ホームページ→◎