私の住んでいるシアトルは合衆国のワシントン州にあります。ワシントンと言うとワシントンDCを思い浮かべますが、そのワシントンとは違う州のワシントンです。


このワシントン州でチェーン展開しているスーパーの1つに、トップフーズと言うのがあります。このスーパーで、先日私は捜し求めていたスワールブレッド(渦巻きパン) を見つけました。これでやっと、自分でパンから焼かなくてもルーベンサンドイッチが作れると喜びました。


ところが、その渦巻きパンはライ麦の渦巻きパンではなく、シナモンロール大好きな雨人らしい発想で、なんとシナモンロールをローフにしてしまったスイートブレッドだったのです。ちょっと当て外れで残念でしたが、でも、それはそれでとても美味しそうなパンでした。


その時、よっぽど買おうかと思い手に持っていたのですが、アメリカで甘いものと言うと大概私の大嫌いなコーンシロップが含まれているので止めました。その代わりに、昨日私はそれを真似て家で焼いてみたのです。


ダッチシュガーブレッド風シナモンロールパン

和・美・Savvy Cooking

一昨日の夜、翌日焼くシナモンロールパンの生地をどうするか考えました。結果、シナモンロールの生地そのままで作るのではなく、イギリス風レーズンパン・ティーケーキ の生地をアレンジしたものを使うことに決めたんです。


けど、家にはレモンはあるけどオレンジがない。しかし、同じ柑橘類のレモンだし大丈夫だろうと代用することに決定。そうなると、レモン→ハニー→ジンジャーの組み合わせまで思いつき、シナモンとナツメグを省いた生地のレシピが出来あがりました。


これで翌日トップフーズ風シナモンロールパンが作れると思っていた矢先、ある方からブログの読者申請がありました。その方はモンキーブレッド の検索から私のブログに行き当たったそうです。


申請を承認する前にどんな方なのか、早速ブログにお邪魔し拝見させていただくことに。すると、そこにはとっても興味深い記事が書かれていました。『幻のパン』 と題したその記事。読んでいる内に私までが、その絶妙な味のパンを食べたくなってしまったのです。


で、またまたネット中毒のオバハンお得意のサーフ開始。(爆)ところがそのサーフの結果、オバハンは目から鱗が落ちる画像 の数々を見てしまうことになるのでした。


リンク先の画像から察するに、ダッチシュガーブレッドの焼き方は幾つか種類はあるようですが、その内の幾つかが、なんと、私が翌日作ろうとしているシナモンロールパンではないかいな!(驚)


私、早速画像元のサイトをいくつか読んでみました。また、自分の持っている本でも調べてみると1つレシピがあり、それらによると、ダッチシュガーブレッドと名づけられたパンには、1つ共通点があることに気がつきました。それはこれなのです!

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喫茶店でコーヒーと一緒に登場する角砂糖です。これを粗く砕いてシナモンパウダーと共に生地に折り込んだり、あるいは生地に混ぜて捏ねた焼いたパンを、ダッチシュガーブレッドと呼ぶようです。


この角砂糖が、オーブンで焼いている間にパン生地の中で溶け、まるでシロップでも練りこんだようにトロ~~~リと美味しそうに変身するんです。


トップフーズに売っていたシナモンロールパンは、そこまで美味しそうではなかった!(爆)でも、せっかく自宅で作るなら、オリジナルを超えた美味しいものを作りたい。そこで私はグラニュー糖の代わりに角砂糖をパンに折り込み、シナモンロールパンを試作してみたのです。


ちなみに下のレシピの分量は、アメリカの化け物サイズのHBに合わせ作ったものです。私は日本のHBでも450gまでの粉なら強行捏ね捏ねしていましたが、とりあえず、オリジナルの分量の横に括弧をつけ、日本のHBでも焼ける2/3の分量を赤字で記しておきます。


<材料 13x23.5x高さ6.5cm 約1.5リットルローフ型1個分> 

強力粉...210g(140g)
薄力粉...210g(140g)
重曹...小さじ1/4(ひとつまみ)
塩...小さじ1(小さじ2/3)
ジンジャーパウダー...小さじ1(小さじ2/3
バター...40g(25g)
レモン皮...小さじ1(小さじ2/3
レモン汁...大さじ1(小さじ2)
蜂蜜...30ml(20ml)
卵...Lサイズ1個(Sサイズ1個)
牛乳...卵と合わせて250mlにする(卵と合わせ170mlにする)
ドライイースト...小さじ1(小さじ2/3

(フィリング)
角砂糖...60g(40g)
シナモンパウダー...小さじ2(小さじ1~1.5)

(その他)
打ち粉用強力粉、型に塗るバター...各適宜
焼成時生地に塗る卵黄、牛乳小さじ2を加え溶く...1/2個分


<作り方>

1.生地の材料をホームベーカリーの説明書の順番に従って容器に投入し生地コースを選択する。

2.コースが終了する前にフィリングの準備をする。角砂糖をジプロックなどに入れ、麺棒かミートハンマーで軽く叩き粗く潰す。(小さく潰しすぎると、せっかくの角砂糖がシロップ状に焼き上がらないので、最低5~6mm程度の大きさはあるように粗く潰すのがコツ。)

3.大粒の角砂糖はジプロックから取り出し、粉になった砂糖はシナモンパウダーと合わせシナモンシュガーにする。

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4.生地コースの終わった生地を打ち粉をした台の上に取り出しパンチダウンする。丸めて濡れぶきんをかぶせ15分程度ベンチタイム。

5.4の生地を再び軽くパンチダウンし麺棒で長方形に延ばす。横幅は型より2cm程度短くし、縦幅は出来る限り長く延ばす。(420gの粉で作った生地で、昨日私は60cm程度延ばしました。)

6.5の生地の上に3のシナモンシュガーをまぶす。全面がすっかりシナモンシュガーで覆われたら、粗く潰した角砂糖を満遍なく全体に散らす。

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7.幅の短い辺の一方から巻き寿司の要領で生地を巻き上げ、巻き終わりを指でつまんで閉じる。バターを薄く塗った型に巻き終りが底になるようにして生地を入れ、濡れぶきんをかぶせて40分程度二次発酵させる。

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8.生地が約2倍に膨れたら表面に溶き卵を塗り、180度で予熱を済ませたオーブンに入れ約40分焼く。表面の色が濃くなりすぎるようであれば、終わりの10分は軽くフォイルをかぶせて焼き上げる。

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そうして焼きあがったのがこちらのシナモンロールパンです。型から取り出し網の上でしばらく冷まさないといけないのですが、この色と艶、そしてブログではお伝えできないシナモンの芳香な香りが、食欲をそそり冷めるのが待ちきない!

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それでもじっと我慢しナイフで切れる状態になるまで待ちましたよ!そしていよいよ切ってみる時が参りました。世紀の一瞬!スワールブレッドを焼いたら、いつもこの瞬間ドキドキです。綺麗に渦巻きが出来ているか、超心配!

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でけてました、渦巻き!そして写真でご覧いただけるでしょうか、角砂糖が熱で溶けてシロップのようになっている箇所があるのが。ナイフを入れると、その部分はギジギジギジと音を立てます。でも、口に入れるとちゃんと溶けてしっとりシロップ。


旦那の帰りを待てず、先に1枚味見してみました。


めちゃ、めちゃ、めちゃ、めちゃ...そしてめちゃ、めちゃ...ついでにもう2、3回めちゃ、めちゃ、めちゃ旨い!旨すぎです!!!


まりあさんがオランダで食べられたパンが、これと同じ様なものであれば、いや、仮に全然違うものであったとしても、これは確かに幻の旨さのパンで!こんな味が現実に存在して良いものか、疑う旨さのパンです!


実は我が家のルーツはオランダ人なんです。旦那の父方の曾おじいさんはオランダからイギリスに移民したジュー。我が家の苗字はだから英語ではなくオランダ姓です。


でも、そのオランダ人の血を引く旦那も、ダッチシュガーブレッドをこれまで食したことがありませんでした。昨日初めてこれを食べ、私がこれまで焼いたパンの中で一等旨いと絶賛しておりました。


こんな美味しいパンのアイデアをくれたトップフーズにありがとう!そのアイデアをオリジナルを超える味にするきっかけを下さったまりあさんにありがとう!そしてそして、角砂糖を使ってパンを焼く製法を考えたダッチにもありがとう!


パンを焼くのが好きな方、これは是非是非お試し下さい!ちなみに私は角砂糖の量をぐっと減らしておりますが、もっと甘くなっても構わないと仰る方は、沢山加えるとその分シロップの箇所が増えますので、適当に増やしてください。

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