3週間家を留守にしている間、私が一番ミッシングしていたのはホームベーカリーでした!


これを焼こう、あれを焼こうとアイデアを沢山練っていたのに、急遽イギリスに帰省することになり、それが実行に移せなかったことで欲求不満がたまっていました。(爆)


帰って来て、待ってましたと早速先週末は、温め続けていたアイデアの1つを実行し、こんなパンを焼いてみたんです。


ホームベーカリーで作るライ麦スワールブレッド

クッキングリッシュの会

スワール(swirl)とは日本語に訳すと“渦巻き”という意味です。このパンは白い生地と黒い生地を渦巻き状態にして焼く、軽いタッチのライ麦入りローフです。


私、アメリカにはこれまで何度も旅しておりながら、つい最近まで“ルーベンサンドイッチ”なるものを知りませんでした。


ルーベンサンドイッチとは簡単に説明すると、コーンビーフまたはパストラミ、チーズ、ザワークラウト(キャベツのピクルス)、サウザンアイランドドレッシングをライ麦パンで挟んだ、ニューヨーク名物のトーストサンドイッチです。


先日、旦那と夕飯を食べに当地のパブに入りました。私はパブでは必ずフィッシュアンドチップス。その夜もやっぱり例に漏れずそれを注文する傍ら、旦那はルーベンサンドイッチを注文したのです。


この人、晩飯にサンドイッチを食うの?なんかピンと来ませんでした。(笑)


聞きなれない名前のサンドイッチに、どんなものなのかメニューの説明を読んでみると、ライ麦パンのトーストサンドイッチと書いてます。ライ麦パンがあまり好きじゃない私には、全く魅力を感じない一品でした。ところが...


2つの料理が運ばれてくると、私の目は目の前のフィッシュアンドチップスではなく、旦那のサンドイッチに釘付け!


そこのパブでは、白と黒の生地が渦巻きになったライ麦パンに、たっぷりのパストラミが行き場を失ってはみ出しているものをサーブしていました。めちゃめちゃ旨そう!


一口味見をさせてもらうと、これが見た目以上に更に倍も3倍も旨い!ライ麦パンがこんなに美味しいとは、その時初めて知りました。


旨そうにサンドイッチを食べる旦那。私は油でこってこてのフィッシュとチップスを、やけになってむしゃむしゃ食いながら、絶対にこのパンを自宅で焼き、この激旨サンドイッチを作ってやろうと、その時心に決めたのです。(そこまで大袈裟ではないか!爆)


色の違う2つの生地を、同時にホームベーカリーで捏ねることは出来ない!


しかし、せっかく高いお金を払って買ったホームベーカリーです。ナポレオンの残した名言じゃないけれど、“ホームべかりーの辞書には不可能の文字はない”これを立証したいじゃないですか。(笑)


そこで私は、こんな風に工夫してこのスワールブレッドを焼いてみたんです。パブで味見したのと同じように軽いタッチのライ麦パンに仕上げたので、私のようにライ麦パンは苦手...という人でも違和感なく食べれます。


<材料 容量2リットルのローフ型1つ分>

(白生地)
強力粉...210g
ライ麦粉...50g
塩...小さじ1
粉ミルク(スキムミルクパウダー)...大さじ1
砂糖...大さじ1
バター...10g
水...180ml
ドライイースト...小さじ1

(黒生地)
強力粉...210g
ライ麦粉...50g
ココア(無糖)...大さじ1.5
塩...小さじ1
粉ミルク(スキムミルクパウダー)...大さじ1
砂糖...大さじ1
バター...10g
水...180ml
ドライイースト...小さじ1

(その他)
強力粉(打ち粉用)...適宜
オリーブオイル...適宜
牛乳...大さじ1
卵黄...1個
キャラウェイシード...適宜


<作り方>

1.白生地の材料を、ホームベーカリーの説明書の指示通りの順に容器に入れ、生地コースを選択する。

2.1のコースが終了したら打ち粉をした台の上に取り出しパンチダウン。オリーブオイルを薄く塗ったボールに生地を入れ、ラップでしっかりとボールを被って冷蔵庫に入れる。

3.ホームベーカリーの容器を洗い、黒生地の材料を1同様に容器に入れ生地コースを選択する。黒生地の生地コースが終了する約20分前に白生地を冷蔵庫から取り出し、打ち粉をした台に移して、軽く形を整え濡れぶきんをかぶせておく。

4.黒生地の生地コースが終了したら打ち粉をした台の上に取り出しパンチダウン。濡れぶきんをかぶせ15分程度ベンチタイム。

5.黒生地のベンチタイムが終わったら白黒共に2等分して丸める。

クッキングリッシュの会

6.4つに分けた生地の内、まず白生地の1つを麺棒で長方形に延ばす。長方形の一辺はローフ型の底の横幅より心もち長い長さ。もう一辺はそれよりも7~8cm長くする。作業中、残りの生地には乾燥しないように濡れぶきんをかぶせておく。

7.次に黒生地の1つを、6同様にして長方形に延ばす。

クッキングリッシュの会

8.残りの2つの生地についても白から順に6の作業を繰り返し、4枚の長方形の生地を、白、黒、白、黒の順に重ねる。

クッキングリッシュの会

9.長方形の生地の短い一辺を手前に置き、太巻き寿司を巻く要領で前方にクルクルクルっと巻く。巻き終わりに薄っすら水をつけ指でつまんで閉じる。

クッキングリッシュの会

10.巻き終わりが底になるようにしてバターを薄く塗ったローフ型に入れる。濡れぶきんをかぶせ45~50分二次発酵。

11.二次発酵の終わった生地の表面に、牛乳を加えてよく溶いた卵黄を刷毛でぬる。キャラウェイシードを適宜散らし、190度で予熱を済ませたオーブンで40~45分焼く。

クッキングリッシュの会

焼けました!なんと美しい色つや!ここまで綺麗に焼ければ、今日からベーカリーとして店を開いたって、しっかり金儲けが出来ます!

クッキングリッシュの会

と思いきや、甘かった!


やっぱね、プロと素人の違いはここなんです。どうあがいたって素人はプロには勝てません。パンの反対側はこの通り、ぱっくりと口が開いてしまっていました。ぶふぁははは...!(爆)

クッキングリッシュの会

でもこれも愛嬌があって良いではないですか。またこれこそが、素人にまた次のパンを焼こうと意欲を掻き立てることになるんです。


さてさて、ではこの焼きあがったライ麦スワールブレッドで、いよいよルーベンサンドイッチを作ってみませう!


パンが冷めたら1cmほどの厚みで4枚スライスします。4枚とも片面にバターを薄く塗ります。普通のサンドイッチと違うところはバターを塗った面が外になります。クロックムッシュやマダムを作る時と同じ要領です。


4枚の内2枚をバターを塗った面を下にしてオーブン皿に並べます。上になった面にはバターの代わりに、サウザンアイランドドレッシングをたっぷり塗ります。

クッキングリッシュの会

ドレッシングを塗った上にまずスライスしたチーズ(あればエメンタールやグリュイエールなどのスイスチーズがベター)を載せ、その上にたっぷりとパストラミを重ねます。

クッキングリッシュの会

チーズの上にたっぷりパストラミを重ねたら、その上にはザワークラウトをこれまたたっぷりと載せます。もう1枚チーズのスライスを重ね、バターを塗っていない面にたっぷりドレッシングを塗ったもう1枚のパンでサンドします。

クッキングリッシュの会

200~210度で予熱を済ませたオーブンで15~20分程度焼きます。途中一度サンドイッチの上下を返します。こんがり焦げるところまで焼くとパンが固くなってしまうので、フィリングに熱が伝わりほんわか温かくなった程度でオーブンから出すのがコツです。


このサンドイッチを夕飯にした晩は、冷蔵庫で1ヶ月以上眠っていたベイビーポテトをボイルし、英国風ポテトサラダを付け合せました。

クッキングリッシュの会

夕飯にサンドイッチ?なんかちょっと惨め...って思ったら大間違い!まじ、ボリューム満点なんです。ハンバーガーよりも食い応えありです。(爆)


見て下さいサンドイッチの中身!見ただけでも食欲をそそられるでしょう。

クッキングリッシュの会

ところで、市販のサウザンアイランドドレッシングって、甘いだけであんまり美味しいものではありませんよね。けど、あれに少しタバスコを加えると、パンチが効いて意外に美味しくなりますよ。


しかし、ここで私の取って置きのサウザンアイランドドレッシングのレシピをお教えいたしませう。


ベストフーズかヘルマンのリアルマヨネーズ(QPではダメです!)...1カップ
カゴメトマトピューレ(またはトマトソースかケチャップ)...大さじ1.5
サワークリーム...小さじ2
粒マスタード...小さじ1
リー&ペリンウスターシャーソース...小さじ1
タバスコ...小さじ1~1.5(好みの辛さに合わせ)
レモン汁...小さじ1~1.5(ドレッシングの濃度に合わせ)
味の素...適宜


この材料分量で作ってみてください。ドレッシングとしてだけじゃなく、パーティーの時のディップとして、ベイクトポテトのトッピングとして、色々活用できるめちゃ美味しいサウザンアイランドです。


あと、私が以前に紹介したケチャップですが、あのケチャップでこのドレッシングを作ると、味のランクはもう1つも2つもアップします。

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