東京や大阪の街中ではそれこそ12月頃にならないと紅葉は見れませんが、シアトルは既に木々の色が変化しだしました。


メープルと言うとカナダのイメージが強いですが、カナダのすぐお隣・ワシントン州でも、かえではよく目にする木で、それが真っ赤に染まるこれからが、ここシアトルが一年で一番プリティーな季節だと私は思います。


秋らしくなって来たところで、今年初の本格煮込み料理が我が家の食卓にも登場しました。


オックステールのオッソブッコ風トマト煮 with サフランライス

東京に住んでいた頃、一度、オックステールスープを作ろうと思い、g単位の値段と目方を計算もせず欲しい数だけ肉屋で注文したら、3千円位取られてビックリしたことがあります。


すじにしてもオックステールにしても、昔はただみたいな値段で買えたものなんだろうけれど、今では下手をするとステーキよりも高級な部分の“屑肉”になってしまいました。(笑)


これは日本だけじゃなくイギリスやアメリカに関しても同じことが言えて、今回煮込んだオックステール2パック(大小含め約10切れ)も、トータルで日本円にして2000円くらいしました。


日本で買った時の値段よりはずっと安いとは言うものの、先日ミニコーニッシュパスティー を作るのに買ったステーキ肉が、100g200円しなかったことと比較すると、なんとも高価なものです。


我が家のオックステールの煮込みは、私担当の時は野菜をたっぷり入れたクリアーなオックステールスープ 。トマトはピューレを少々使うだけです。そして今回の様にトマトをベースにした煮込みは、いつもは旦那の担当です。


今週末は仕事は休みでも緊急事態に備えてスタンバイ状態だった旦那。キッチンに立つ余裕がなく、トマトベースのオックステールを食べたいと言う旦那のリクエストに応え、私がオッソブッコ (子牛の骨付きすね肉のトマト煮込み)を作る要領で煮てみました。


出来上がったオックステールは、やはりオッソブッコ同様に、サフランで黄色く染めた御飯と一緒にいただきました。


オッソブッコの時はその御飯をパルメザンチーズをたくさん加えたリゾットにしますが、淡白な子牛の肉と違いオックステールは脂でギトギトなので、炊飯器で簡単に炊けるサフランライスを添えることにしました。


<材料 4~5人分>

(シチュー)
オリーブオイル...適宜
オックステール...8~10切れ
たまねぎ、薄切り...中2個
にんにく、薄切り...3かけ
ビーフまたはコンソメスープ、パッケージの分量に従って湯に溶いたもの...500~600ml
缶入りカットトマト...2缶
トマトピューレ...大さじ2
白ワイン...150ml
ローレル...2枚
塩こしょう...適宜
味の素...適宜

(サフランライス)
バター...20g
サフラン...1瓶
たまねぎ、粗みじん切り...1/2個
米...2合
チキンまたはコンソメストック、パッケージの分量に従って湯に溶いたもの...約400ml
味の素...適宜

(その他)
パセリの葉のみじん切り...適宜


<作り方>

1.キャセロール鍋にオリーブオイルを熱しオックステールを焼く。片面に焼き目がついたら上下返しもう一方の面を焼き、次にオックステールの側面にも焼き目をつける。一旦皿に取り出す。

クッキングリッシュの会

2.1の鍋に必要に応じオリーブオイルを足し、たまねぎとにんにくを炒める。底面に焦げ付いたオックステールの肉汁を拭き取るようにしながらしんなりするまで炒める。

クッキングリッシュの会

3.2にオックステールを戻し重ならないように並べる。スープをひたひたまで注ぎいれ沸騰させる。沸騰したら火を弱め蓋をして10分程度煮込む。火からおろし一晩置く。(冷蔵庫で一晩寝かせると尚良し。)

4.翌日、3の表面に浮いた余分な脂肪やあくを丁寧に取り除く。

クッキングリッシュの会

5.4を火にかけ、沸騰したらトマト、ピューレ、ワイン、ローレルを加え、火を弱め蓋をしてそのまま2時間前後ことことと煮る。

6.サフランライスを作る。フライパンにバターを熱し、サフランを1分程度炒め強い香りを少し飛ばす。

7.6にたまねぎを加えて炒めしんなりさせる。米を洗わずにそのまま加え、2~3分透明色になるまで炒める。

クッキングリッシュの会
今回のサフランは結構高かった割にあまり綺麗な黄色い色が出ませんでした。

8.7を炊飯器に移し、炊き込みご飯の2合のメモリまでスープを注ぎいれて、味の素を適宜加えて炊飯する。

9.オックステールシチューの味見をし、適宜塩こしょう、味の素を加えて調味し、火を中火程度上げ、蓋を取って30~40分水分が少し蒸発し自然なとろみがつくまで煮込む。


サフランライスとじっくり煮込んだオックステールをお皿に盛り、その上にたっぷりトマトソースをかけました。パセリのみじん切りを散らすと、彩りよく食欲をそそられます。

夫婦そろってうちは赤ワインの方が好きなので、飲むと言ったら大概は赤ワインです。


そんな私達だから、ギトギトの赤い肉のこのお料理にも赤ワインを選びそうなものですが、トマトのほのかな酸味効いた煮込みにサフランの香りのするご飯を組み合わせると意外外にさっぱりしていて、赤よりも冷たく冷えた白ワインの方が合いました。


2日がかりで作ったたっぷりのオックステールのトマト煮。今晩も連荘でいただきました。前夜の残り物と侮れません。トマトの煮汁に一晩マリネされた2日目の方が、実は初日よりもさらに美味しいのです。

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