文化庁「国語に関する世論調査」平成30年度(その1) | ほどよい敬語の使い方~「コミュニ敬語」でいこう

ほどよい敬語の使い方~「コミュニ敬語」でいこう

プロのライターでも経営者でも間違えることがある敬語。相手を思いやるコミュニケーションツールとして「ほどよい敬語」を使いこなして「デキル人」になっちゃおう。

平成7年から毎年文化庁が行なっている「国語に関する世論調査」。

平成 30 年度の結果が公表されているので必要な箇所を転記し、その次に所感を記します。

(ケイ囲み部分は引用です)

 

I 国語や言葉への関心

問1◆ 国語について,どの程度関心があるか

非常に関心がある

.......................18.0%

ある程度関心がある

.......................58.5%

あまり関心がない

.......................19.9%

全く関心がない

.......................3.3%

わからない

.......................0.3%

問2◆ 国語に関して国に期待することは何か

家庭や社会で正しい言葉づかいが行われるようにする

.......................39.5%

学校での国語の教育をより充実させる

........................35.3

言葉の意味・由来や国語の伝統が受け継がれるようにする

.......................33.3

敬語など言葉遣いの標準を決めて,その普及に努める

.......................30.0

国語に対する意識が高まるようにする

.......................25.9

方言を大切にし,受け継がれるようにする

.......................24.5

国が発行する印刷物の中に外来語が多くなり過ぎないようにする

.......................23.5

古典文学や古典芸能を大切にし、保存する

.......................18.0

外国人に対する日本語の紹介や教育を充実させる

.......................15.5

文字や表記の仕方の標準を決めて、その普及に努める

.......................13.6

発音・アクセントの標準を決めて,その普及に努める

....................... 8.0

その他 

....................... 0.8

特に期待することはない..

...................... 12.6

分からない

...................... 1.4

 

問1◆「非常に関心がある」「ある程度関心がある」を合わせて「関心がある(計)」は 76.4%。

これは平成 12 年度調査の73.2%より、 3.2 ポイント増加しています。

 

問2◆青字にした部分は、過去の調査(平成22年度)より増えているものです。

 

II 表記等1 ―用語など―

問3◆言葉の書き方(表記)としてどちらが良いと思うか

(1) (ア)右手又は 左手  (イ)右手または左手

(2) (ア)利用が出来る   (イ)利用ができる

(3) (ア)ゴミを捨てる   (イ) ごみを捨てる

(4) (ア)ケガを治す    (イ)けがを治す

(5) (ア)田植の季節    (イ) 田植えの季節

(6) (ア)鉄道の踏切が見える(イ)鉄道の踏切が見える

 

問4◆ 言葉の使い方(用語)としてどちらが良いと思うか

(1) (ア)お金を生活費に充てる   (イ)お金を生活費に充当する 

(2) (ア)相手の提案を受け入れない (イ)相手の提案を拒否する

(3) (ア)約束を堅く守る      (イ)約束を堅持する

(4) (ア)改革は喫緊の課題である  (イ)改革は緊急の課題である

(5) (ア)解決のための措置を講じる (イ)解決のための対策を行う

(6) (ア)多くの人のニーズに応じる (イ)多くの人の求めに応じる

 

問5◆常用漢字表というものがあることを知っているか

知っている……58.0%

知らない………40.0%

わからない……2.0%

 

問6◆ (下線部)の漢字の表記について,どう感じるか

*[ ]内の数字は、左から[この漢字を使うのがいい別の漢字を使うのがいい振り仮名をつけるのがいい、仮名で書くのがいい、その他、分からない]

1 問をする [ 20.821.044.98.4、0.4、4.5]

2 道が交する [27.8 37.124.68.0、0.2、2.3]

3 障を乗り越える [ 7.940.333.414.2、0.5、3.7]

 

問6◆(下線部)の漢字の表記について,どう感じるか

*[ ]内の数字は、左から[この漢字を使うのがいい振り仮名をつけるのがいい、仮名で書くのがいい、その他、分からない]

を深める [ 90.07.02.6、4.5]
5 手を叩く [ 76.110.72.6、4.5]
を取り除く [ 72.613.72.6、4.5]

 

問3◆公用文で使われている表記を下線部で示しています。

「良いと思う」と言う答えが多かったほうを青文字で示しています。

確かに、青い文字の言葉のほうがなじみがいいように感じます。

特に(ア)と(イ)で圧倒的に差があるのは、(5)の田植(17.9%)と田植え(77.9%)です。

 

問4◆

平成8年度「知っている」と答えた人は、51.3%、「知らない」と答えた人は44.7%、「分からない」と答えた人は4.1%でした。

*「知っている」「知らない」は感想ではなく、事実を聞いているので、「分からない」という選択肢が必要だろうか?と、私としては気になりました。

 

問5◆熟語よりも漢字とかなを使ったほうが、「良いと思う」という答えが多いですね。

見た目にもやわらかい印象を受けます。

 

問6(1)◆「訊問(じんもん)、尋問(じんもん)、諮問(しもん)、詰問(きつもん)。この辺りは混同しやすいかもしれませんね。ふりがなを希望する回答が多いです。

「交叉」は「交差」、「障碍」は「障害」あるいは「障がい」のほうが見慣れている人もいるでしょう。

 

問6(2)◆「絆」は東日本大震災でもキーワードのようになったので、支持が多いですね。

 

 

>その2に続きます。

 

■前田めぐる■