夫は例年通り、朝も早よからキッチンに入り、張り切ってクリスマスディナーのために腕を振るってくれていました。
「日米定番クリスマスメニューの結集」たら大げさなタイトルを付けてしまいましたが。
アメリカのホリデーディナーのメインディッシュは、家族親戚が大勢で集まっても十分なように、大きな七面鳥やガチョウ、レッグ・オブ・ラム(仔羊のもも肉)等のローストが主流です。
もっと簡単に済ませたければ、大きな骨付きハムのカタマリの表面に蜂蜜等のグレーズを塗ってオーブンで焼き直した物も、ミネソタに住んでいた頃、夫の両親宅のパーティーでよく目にしたメニューでした。
でも、我が家は今年も3人で祝うディナーですので、今回は小さめのチキンをリクエストしました(何より、備え付けのオーブンが壊れてしまい、今は間に合わせの小さなオーブンを使っているため、チキンの丸焼きがやっとなのです)。
それにパンやセロリ、玉ねぎとレバー、そしてこれはトラディショナルとは言えないのですが、夫の父親が好んだため彼の家ではこれが「伝統」になったと言う「オイスター(牡蠣)」を混ぜたスタッフィングと呼ばれる詰め物をして焼いた物が、今夜のご馳走の主役なのです。
夫が「タノシイ、タノシイ♪」と言いながら料理をしている間、私と姉はクロスやナプキンにアイロンをかけてテーブルセッティングをし、夫が一段落するのを待ってキッチンに入り、前日に焼いておいたシフォンケーキをデコレーションしました。
そう、日本のクリスマスの定番と言えば。
ズバリ、「イチゴののったデコレーションケーキ」でしょう!!

今まで何度かこちらの日系ベーカリーやスーパーの、所謂「日本風クリスマスケーキ」を試しましたが、いつもは美味しいケーキ屋さんのものでも、この時期はきっと何週間も前から焼いて冷凍保存しておいたスポンジを使うのでしょう、パサついているし、イチゴは硬くてすっぱいし、クリームの量は少ないし(笑)…。
と言う訳で、今年は姉と一念発起、何と十数年ぶりにシフォンケーキを焼いてみることにしたのでした。
ケーキのデコレーションをするのも相当久しぶりでしたので、一体どんなことになったのか?!
結果は(推して知るべしですけど^^;)後ほど、下で☆。
さて、準備が整ったテーブルです。
メリークリスマス!

ヴーヴクリコのロゼで乾杯です。
*"Christmas Tree" Napkin and Veuve Clicquot Rosé
毎年恒例の楽しみになりつつある、姉が折ってくれるナプキンは、今年は「クリスマスツリー」でした。^^
赤いリボンと金紙でおめかししたローストチキンは…。
夫に切り分けてもらって、スタッフィングと一緒に盛り直しました。
*Roast Chicken with Oyster Stuffing
外はこんがり、中はしっとり焼けたチキンは会心の出来だったようで、夫もホッとした様子で嬉しそうに頬張っていました。
鶏のお腹に詰めたスタッフィングはしっとり柔らかくなっていて、これぞ自家製ローストチキンの醍醐味です。
私が作る時はパンは少なめにして、さつまいもを2cm角くらいに切った物を主体にするのですが、「トラディショナル」を知っている夫から見たらそれは「邪道」なようです(さつまいものも美味しいんですけどね…)。
味と香りの決め手になるセージと、玉ねぎ、セロリ、鶏のレバーと砂肝等の内臓(鶏一羽を買うと付いて来ます)、牡蠣小さめのもの5、6個(「牡蠣が入っている!」と分からない程度に使うのがコツだそうです)をあられ切りにして無塩バターで野菜がしんなりするまで炒めます(夫は歯ごたえを残す為にセロリは後の方に入れていました)。
ここにブレッドキューブ(パンを小さな角切りにして乾燥させたものがスタッフィング用として売っています)を加えて炒め合わせたら、チキンストックをパンがしんなりして軽くまとまる程度まで加えてよく混ぜ、塩、こしょうで味付けします。
これを鶏のお腹にスプーンでギュッと詰め、残った分は耐熱皿に入れてオーブンで表面が軽く色付くまで焼くとこうなります。
*Baked Oyster Stuffing
表面はカリッと、中はもちもちっとして、セージとレバー、牡蠣のちょっと複雑な香りがして(グレービーをかけると更に

こちらはホリデーディナーの付け合わせの定番、インゲンのソテーと、最近の夫のお得意料理、マッシュルームと小玉ねぎのグラッセ。
*Sauteed Green Beans and Glazed Mushrooms & Petite Onions
定番の付け合わせNo.2、ヤムイモの蜜煮(硬めにゆでたヤムイモをスライスし、ブラウンシュガーとバターを乗せてオーブンで焼いたもの)です。
*Candied Yam with Caramel Brazil Nuts
ちょっと甘酸っぱいのは、オレンジジュース少々を隠し味に使ってあるからなのだそうです。
今年は例年と違って、上にブラジルナッツにキャラメルがけしたものを刻んで散らしてありました。
このナッツが!
カリッとしたキャラメルがナッツを更に芳ばしくしていて、美味しいのなんの!
少し残っていたので分けてもらって(そのまま食べても美味しくて止まらなくなります)、サラダにも使ってみました。
*Little Pear Salad with Caramelized Brazil Nuts, Cucumber, Fennel, Pomegranate & Romain Lettuce
姉と私が作ったのはケーキの他はこのサラダだけでした^^。
小ぶりの洋梨は輪切りにして薄い食塩水に漬け、絞り出しの口金のオシリの方で芯をくり抜きます。
ホワイトバルサミコ酢で少し甘めに作ったフレンチドレッシングでロメインレタス、フェンネル、きゅうりを和えてお皿に盛り、中央に梨を置いてドレッシング少々をたらし、ザクロと件のブラジルナッツを刻んで散らしました。
チキンと付け合わせ各種を盛りつけ、グレービーソースを垂らして…。
辛口のロゼのシャンパンが料理と合って美味しくて、3人で仲良く協力して作り上げたディナーが成功したことが嬉しくて、この日何度目かの「クリスマス・ストーリー」を見ながら(毎年クリスマスになるとほぼエンドレスでテレビで放映される、夫のお気に入りの古いコメディー映画です)3人とも上機嫌のうちに、クリスマスの夜は更けていきました。
腹ごなしに洗い物をしてキッチンを片付けて、さて、クリスマスケーキの登場です。
本当はあまりアップでお見せしたくないのですが…。
*Chiffon Cake Decorated with Strawberry & Whipped Cream
クリームの塗り方にアラが目立ちますが、見ないフリをお願いします…(恥

ほぼ20年ぶりに焼いたにしては、シフォンケーキはまあまあうまくふくらんだ方かな…?
ケーキ生地にはキルシュワッサーを加えたシロップをうってあります。
「今年はシックに」と思ってクリスマスらしい飾りを一切付けなかったのですが、ちょっと寂しかったかな…。
夫は…今年だけでもこの決まりゼリフを、一体何回このブログに書いたことでしょう…「こんなにおいしいクリスマスケーキは今まで食べたことがない!」と言って喜んでくれました。
いつものフルーツケーキ(→「トゥルーディー大叔母のホワイトフルーツケーキ」)も焼いてありましたし、去年買っておいしかったウォーカーズのプラムプディング(→「クリスマスディナー2013—銀之丞の傑作!ラム脚のロースト—」)も買ってあったのですが。
さすがに大きなシフォンケーキの一切れの後には何も入りませんでしたので、これは大晦日の夜に、みんなで願掛けをしながら食べることにしました。
今年のブログの更新はこれが最後になります。
とんと稀にしか更新しなくなっているブログ、そしてたまに更新があるととんでもなく長々しくなってしまうしだり尾ブログに、辛抱強くおつき合い下さった皆様、本当にどうもありがとうございました。
三十一日に、プラムケーキにブランデーをかけて火をつけたら。
「皆様が健やかに新しい年を迎えられますように。」
「そしてその年が様々な喜びで彩られたものとなりますように。」
青い炎が消えるまでの間にこう願うことと、来年はもうちょっとマメに更新することを誓って今年最後のブログの結びとさせて頂きます。
来年もまた、どうぞよろしくお願いします。
I wish you a wonderful New Year!
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