* Thanksgiving Dinner *
・Stuffed Roast Chicken with Oyster Dressing & Gravy
・Baked Oyster Stuffing
・Sauteed French Beans with Pine Nuts
・Parsnip Puree
・Candied Yams
・Pumpkin Crème brûlée
先週の木曜日は感謝祭、サンクスギビング・デーでした。
アメリカ(カナダもかな)ではクリスマス、イースターと並んで、親族・友人が集まってお祝いの食事会をする一大イベントの日です。
6年前にカリフォルニアに越して来るまでは、夫銀之丞の生まれ故郷であるミネソタ州に5年ほど住んでいたので、その頃は銀之丞の両親と4人のお兄さんとその家族が集まって、大パーティーになったものでした。
越して来る前の最後のサンクスギビングの写真です。皆の了承を得たのでモザイク無しで(笑)公開!
奥の中央が4年前に亡くなった銀之丞の父親です。「日本では『ピース』と言って、何故かみんなこうやって写真を撮るんですよ。」と話したことがあったので、私がカメラを構えたら、お茶目にも両手でやってくれました(笑)。
よく似た顔が並んでいます。銀之丞は5人兄弟の末っ子なんですが、さあ、どこにいるか、分かるかな? ∨(*^∇^*)∨
このパーティーは銀之丞の長兄夫婦(写真手前の二人です)の家で開かれたのですが、この時も料理好きの銀之丞が申し出て、クランベリーソースとデザート以外は、彼(と、なしくずしに私も…)が作ることになったのでした。
彼が作る感謝祭のメニューは大抵いつも決まっています。今年銀之丞が作ったお料理の写真と合わせてご紹介します。
まずメインは、大勢で集まるときは、その人数に合わせた大きさの七面鳥を。この上の写真の時は食べ盛りの甥が3人いたので、確か8kgのターキーをお肉屋さんに注文したんだったと思います。
でも今回は2人だけですからチキンで…と言っても、銀之丞、張り切って5、6人前は優にあるという大きさの鶏を買っていました。
「丸焼き」と呼びたくなりますね(笑)。
そしてターキーディナーにはつきもののスタッフィング。細かく切ったトリのレバーや砂肝、玉ねぎ、セロリ、セージをバターで炒め、クルトンと混ぜてチキンストックでしとらせ、塩、こしょうで味付けします。
銀之丞の家では義父が無類の魚介好きだったこともあり、ここにヒミツの素材が一つ加わるのです。その素材とは…「オイスター」、生牡蠣なのです。1cm角くらいに切って、一緒に炒めて混ぜます。
これは本来はもちろんトリのお腹に詰める(スタッフする)ものなのですが、詰め物をするとお肉に火が通りにくくなるので、あまり大きなトリの場合は詰めないこともあります。
それにトリのお腹にはそんなに沢山は入らないので、こうして別の耐熱容器に入れて表面がカリッとするまで焼いたものも用意します。
私はトリに詰めた、脂がしみてしっとりとなった、フクザツな味わいのスタッフィングも好きなので、この日は詰めて焼いてもらいました。
写真のスタッフィングの奥のお皿は、パースニップ(白にんじん)のピューレです。
パースニップは皮をむいてゆでてフードプロセッサーでピューレにし、生クリーム、塩、こしょうで味付けします。
これがパースニップ。にんじんとセロリが混ざったような、独特の香りがあります。
パースニップの奥にあるのはオーブンに入れる前のヤムイモの飴煮、「キャンディド・ヤム」。
ヤムは皮が赤くて見かけはさつまいもそっくりなのですが、中は鮮やかなオレンジ色。
ゆでて輪切りにして…レモンの皮としょうがのすりおろしをかけ…、とレシピにあったのを、この日はたまたま家にあったレモングラスを代わりに細かく切って使ってみたのだそうです。ブラウンシュガーとバターをのせてオーブンで焼きます。
ヤムは以前「ラムチョップディナーと日米カボチャ考?」でお話したように、中身は「ほっくり」とは無縁の、「べっちゃり」…いえ「しっとり、ねっとり」としたアメリカ人好みのおイモです。これはこれでおいしいんです(と、数年前からやっと思えるようになりました)。
ブラウンシュガーが香ばしくて甘くて柔らかくて、スイートポテトのような、きんとんのような…。レモングラスの爽やかな香りが全体を引き締めて、ナカナカいい取り合わせでした。
そしてこれまた定番の副菜、さやいんげん(この日はそれより細いフレンチビーンズ)とナッツのバターソテー。大抵アーモンドを使いますがこの日は松の実で。
実はアメリカにはホリデーシーズン定番のさやいんげん料理として、悪名高き、缶詰三重奏!のお料理があるのです。缶詰のさやいんげんに缶詰のマッシュルームスープ(味つきベシャメルソースの様な感じです)をかけ、これまた缶詰のフライド・オニオンをトッピングしたキャセロール…。
一度、お招ばれしたクリスマスパーティーでいただいたことがあったんですが、噂に聞く程悪くはありませんでしたよ(テーブルにこの料理が出て来たトタン、銀之丞と義母が失笑したのを私は見逃さなかった…。普通においしかったんですけどね?)。
ワインは大抵毎年、白はヴーヴレ、赤はボージョレ・ヌーヴォかシャトーヌフ・デュ・パプ。今年は2人なので一本だけ、白を。
ナプキンはちょっとターキーに似た折り方を選んでみました(笑)。
アメリカ人の食卓はファミリー・スタイルと言って大皿盛りが基本なので、上のようなパーティーではみんなでお皿を隣から隣へと大リレー。
自分で好きな分だけよそえるのはいいのですが、なかなか食べ始められなくてちょっとじれったいと思ったこともありました…。今はとても懐かしいです。
全種類盛り合わせて…。
グレービーソースをチキンとスタッフィングにかけて、いただきまーす。
グレービーソースは、チキンを焼いた時に出た肉汁にチキンストックを足し、ブールマニエ(バターと小麦粉を同量ずつ練り合わせたもの)でとろみをつけて、塩、こしょうで味を整えます。
結局私が手伝ったのは、このグレービーソースと…。
デザートだけでした。かぼちゃのクレームブリュレです。
いつも作るクレームブリュレに、カボチャの裏ごしを混ぜてみました。
シナモンシュガーとグラニュー糖をふってバーナーで焦がし、バーボンをたっぷり入れた生クリームを添えてくるみをあしらいました。
かぼちゃが入ったので舌触りがちょっともっさりして、パンプキンパイに似た風合いになりました。
この夕食、たっぷり6、7人分はありましたので、この後3回分の夕食がこのレフトオーバーでまかなえました。
あ、ターキーディナーにつきものの「クランベリーソース」と「マッシュポテト」をこの日は作りませんでした…。
クランベリーソースは銀之丞があまり好きではないのです。上の2005年のパーティーの時は、義母が作って持って来てくれました。
マッシュポテトも大パーティーの時には、それこそ「足で踏んで作ってしまいたい…。」と思うくらい大量に作ったものでしたが、この日はスタッフィングがあるからこれ以上の炭水化物はいらないね、ということでパスしました。
ご覧の通り、パーティーと言ってもメニューは至ってシンプル。派手さや華やかさはありません。
飾らず気負わず、いつもと同じ料理をみんなで楽しく和やかに。
そして目の前の与えられた物への、こうしてみんなで集まれたことへの感謝の気持ちを忘れずに…というのが、アメリカン・サンクスギビングのスピリッツのようです。
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