みなさんはご存知でしょうか、『ダルタニャン物語』を。ダルタニャンってなんか聞いたことあるな~、って人、そうです。『三銃士』の主人公です。
実は『三銃士』には続編の『二十年後』というのがあり、さらに続編の、『ブラジュロンヌ子爵』という3部の構成になっているんですよ。それが『ダルタニャン物語』です。ダルタニャンの一代記みたいな感じになっています。
翻訳は、今は絶版ですが、講談社文庫から出ていて、全部で11巻。『三銃士』はその内2巻までの話になります。
『三銃士』は銃士になりたいダルタニャンが田舎から出てきて、アトス、ポルトス、アラミスという3人の銃士と出会い、政治の陰謀に巻き込まれて活躍するという話ですが、敵役として有名なのが、ミレディという悪女です。
『三銃士』に関しては、『三銃士』の記事のところで詳しく書いているので、ぜひそちらをご覧になってください。
まあ『三銃士』はそれだけでも面白いんですが、ぼくは『二十年後』にすごく引き込まれたんですよ。
何故かって、まずダルタニャン、ポルトスとアトス、アラミスでそれぞれ立場が違って、いわば敵同士みたいになったりすること、そして、4人を敵として狙う男が現われるんですが、こいつがミレディの息子なんですよ。ミレディの悪事を並び立てても、息子からすれば母親ですから、すごい恨みを持っているわけです。
いやあ、『二十年後』は面白かったですねえ。わくわくしました。
で、『ブラジュロンヌ子爵』はですね、アトスの息子が主人公とされているんですが、まあほとんど脇役ですね。アトスの息子の婚約者と、フランスの王様のルイ14世がいい仲になり、アラミスは陰謀を企てるんです。これまた有名で、映画になったりもしてますが、牢獄にルイ14世にそっくりな男がいるよと。
ルイ14世の双子の弟なんですが、アラミスは王様と囚人を入れ替えることを画策します。
まあそんなはらはらどきどきの話なわけですよ。
それぞれのキャラクターのイメージを書いておくとですね、アトスは『三国志演義』でいうところの関羽みたいな感じです。真面目でね。ポルトスは張飛ですね。無邪気で。死に様も見所になります。アラミスは孔明としたいところですが、若干イメージはずれるかもしれません。
アラミスは銃士なんですが、聖職者にもなろうとしており、恋愛もしているというミステリアスな策士ですね。なんとなくダルタニャンと対になる部分があって、ダルタニャンも相当の策士ですから、お互いの腹を読みあう感じがあります。
そしてどちらかといえば頭のよくないポルトスを駒として取り合うという(笑)。
アラミスはかなり曲者ですね~。
『ダルタニャン物語』の作者はアレクサンドル・デュマですが、ぼくの大好きな『モンテクリスト伯』の作者でもあります。その内またデュマの大ブームがくるんじゃないかと思ったり思わなかったり。
とりあえずおすすめです。長いですが。
フランスらしく、恋愛の対象がほとんど人妻なのにはちょっとついていけませんでした。
3部それぞれで読みどころが違い、楽しめます。ぼくは『ダルタニャン物語』が大好きになりました。
今は『失われた時を求めて』を読んでます。