『哲学入門』・その2 | くらえもんの気ままに独り言

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 先週に引き続き、カール・ヤスパースの『哲学入門』を取り上げていきたいと思います。哲学ってなかなかとっつきにくいものというイメージでしたが、高度な専門知識を必要としないという意味では実は一番とっつきやすいのかもしれませんね(;^_^A

 まぁ、それでも答えがないという意味では難しいですが。


前回のおさらい

・哲学は誰にでもできる。

・哲学とは真理を探究すること(その過程)。

・哲学には人と人との交わりが必要。

・哲学は衝撃により生まれる。

・本来の存在とは考えることができないもの(考えることができるものは本来の存在ではない)。

・神はいる。しかし、その正体は不明。


前回の話はコチラ

『哲学入門』

その1http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11991963584.html


 それでは、前回の続きよりいってみたいと思います。


第五講 無制約的な要求


 要するに何物からも制約されていない要求ということですよね?

 私は何をなすべきかと考えたときに一般的に浮かぶ目的と手段は基本的には他者に私を依存させることから制約的な要求となりますが、それに対して無制約的な要求とはその根拠を私自身のうちにもっているものを指します。つまり、その根拠を認識することができないものが無制約的な要求ということになります。


 無制約性の三つの特徴は以下のようなものになります。


1.無制約的なものは「在るがままに在ること」から生まれるのではなく、絶対的自由(自然法則としての自由のことではない)から生まれる

2.無制約性は、これを実現する信仰のうちにのみ現実的に存在する(立証可能なものは制約的である)

3.無制約的なものは時間のうちにあって無時間的である(時間とともに顕になるが、そのものは時間的に変化するものではない)


 と言われても結構難しいですね(;^_^A


 つまり、自己の探究によってのみ見つかる永遠的なものが無制約的なものというわけでしょうか。(違っていたらすみません。)


 そして、無制約的なものの内容は善と悪の対立においてはじめて明瞭になると。


 善と悪の3つの段階はこちらになります。


第一段階 道徳的価値のある生活ができる(モラルが守れるか)

第二段階 得がなくても道徳的生活ができる(動機が不純でないか)

第三段階 愛、真実性への意思(動機の本質が悪であるか否か)


 言い換えると


第一段階 義務or傾向

第二段階 純粋or不純

第三段階 愛or憎しみ


 このどちらかを決断する際に無制約的な要求が現れるのです。これを決断しないのも悪で、これは本来的な人間とは言えない状態ということになります。


 これらの3つの段階を統一することで無制約性が明らかになるのですが、人間とは横道にそれるもの。常に自分自身を過信しないようにチェックしないと、あっという間に間違いを犯すことに注意が必要ですね。

 

第六講 人間


 人間とは何か?


 様々な分野における研究によって求められるのは対象としての人間ですが、研究によっては知られない自由の実存としての人間は非対象的なものです。


 つまり、人間とは人間が自分について知ることのできるもの以上の存在であると言えます。つまり、科学的アプローチのみでは人間とは何かを完全に知ることができないというわけですね。


 人間は自分の自由を確認することができます。自分のことは自分の責任において決定することができます。


 しかし、人間は自分自身で自分を創造したわけではないのに存在する。ということは、そこには間違いなく神が関与しているのです。


 人間は自分を越えて全てを超越した神というものに近づこうとするのですが、世界に依存しなくなり神と一つになった時に真に神の存在を自覚するのだと。これって死ぬって事かな(;^_^A?


 それでは、人間は何を基準にして生きていくのか?


 それは神の導きだと。そして、神の導きはどこから現れるのかというと、自己反省により自己の内側から、伝統と環境のうちから現れるのです。西部先生の言うところの「歴史の良心」がここで言う神の導きなのかもしれませんね。


 人間が自分自身で下す決断について自分だけに頼ると間違いを犯すので、他者の判断も仰ぐことになるのですが、その決定的な役割を果たすのが神ということなのでしょう。


 もちろん神の導きが聞こえたとしても、聞き間違えることはありますので過信は禁物です。


 「人間であることは人間となることであります。(P110)」


第七講 世界


 このパート・・・実は一回書いたのですが消えてしまい・・・orz


 モチベーションの低下により、若干適当となることをお許しください(;^_^A


 世界は科学によって認識されようとするのですが、諸科学の体系的統一はそれぞれの体系と体系の間に隔絶をもたらし、真の世界を科学的アプローチによって把握することは不可能になっています。


 そもそも世界も対象のものではなく非対象なので、世界を認識すること自体が不可能なわけですが。


 ちなみに本来の無知とは完全な知に到達してはじめて得られるようです。


 私たちにとってあるあらゆる存在は解釈されたものとしての存在なのですが、絶対的な現実は解釈によってとらえることはできません。なぜなら解釈する以前にそこにあるからです。


 人間は絶対的なものに依って生きるしかないのですが、その絶対的な場所こそが神の居場所なのです。


 世界とは存在の調和であるとかその反対のニヒリズム的崩壊によって捉えられることがありますが、世界は非対象的なものなのでそもそもどんなものであるか考えることはできません。しかし、歴史の良心とも呼ぶべき神の声は聞くことができます。


 自己のうちに宿る伝統あるいは神、これが自分と世界とをつなぐ鍵なのかもしれませんね。


第八講 信仰と啓蒙


 哲学的信仰の5つの根本原理は次の通りです。


・神が存在する

・無制約的な要求が存在する

・人間は有限的で未完成である

・人間は神の導きによって生きることができる

・世界の実在性は神と実存の間にはかない現存在を持つ


 これらは証明できる類のものではありませんが、本質的には否定することができません。


 人間は自分のやること考えることについて理解しようとするものですが、その認識の根源を探究していくと最終的には論証不可能なところへやってきます。ここにある偉大なる根源に対する信頼・信仰、そしてそれへのさらなる接近、それが本来の啓蒙であるのです。(しばしば、啓蒙は理性主義・進歩主義的な意味合いで誤解されることがありますが、それは誤った啓蒙というわけですね。)


 啓蒙は自分自身に対しても啓蒙するわけであり、過信に対してブレーキをかけるものなのです。


 神の導きは聴きたくても自在に聴けるものではないのですが、聴くための準備ができていないと聴くことはできません。


 哲学は自分自身でやることですが、自分だけの力では真理に到達することはできません。科学的に言えば経験的直観、哲学的に言えば信仰内容を頼りとしているのです。


 無信仰状態に陥ると人間たりえることができなくなってしまいますが、それを防ぐには誤った合理的主張や誤った合理的信条を克服しないといけないということなのです。



 というわけで、今回はここまで。前回よりもさらに内容が難しくなってきましたね(;^_^A


 今回もかなり噛み砕いたまとめをやってみます。


・無制約的な要求はある

・人間は不完全だ

・そんな時に頼りになるのが神の導き(伝統)

・世界は認識不可能

・無信仰性の回避には啓蒙が必要

・だが、過信は禁物


 こんなもんでどうでしょうか?(;^_^A


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