今週も先週に引き続き、適菜収氏の『なぜ世界は不幸になったのか』を取り上げたいと思います。
前回までの話はコチラ
『なぜ世界は不幸になったのか』
その1 http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11962570917.html
その2 http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11962571163.html
今回も適菜氏が各項の冒頭で取り上げた言葉について、ちょっとずつ思ったことを書いて行こうと思います。それではさっそく始めていきましょう(^O^)/
ハンナ・アレント
「フランス革命の日々以来、革命家たちがリアリティ一般にたいし、とくに人間のリアリティにたいして、こんなにも奇妙に無感覚になったのは、彼らの感傷の際限のなさに原因がある。彼らは、自分たちの「教義」や歴史の進路や革命それ自体の大義のために、人びとを犠牲にするのに何の良心の呵責も感じなかった。」 (『革命について』より)
なかなか何を言っているのかさっぱりですな(;^_^A まぁ、もしかすると、日本語訳に問題があるのかもしれませんが・・・。
それはさておき、私なりにこの言葉を解釈してみます。革命家たちは感傷に際限がない、つまり物事を重く深く考え込みすぎるということでしょうか。だから、行き過ぎちゃってとんでもないことを平然とやってしまうってことでしょうかね。
「これだから真面目なヤツは始末におえねぇな・・・極端から極端に走りやがる」(by浦飯幽助)
ってのを思い出しました(‐^皿^‐)
きっと革命家たちは彼らなりに真面目に世界の未来を案じているのでしょう。迷惑極まりない話ですが。これをちょっとアレンジすると「安倍信者は安倍のために人々を犠牲にするのに何の良心の呵責も感じなかった。」ってなりますが、もしかすると彼らは大真面目に安倍総理が救世主であると信じているのかもしれませんね。
ジョン・アクトン
「少数の人間に抑圧されるのはよいことではないが、多数派から弾圧をうけるほうがもっとたちが悪い。大衆は潜在的な力を蓄えており、それが現実の場に引き出されれば少数派はもはや太刀打ちできないからだ。」 (『古代における自由の歴史』より)
独裁者による支配は被支配者が一致団結してかかれば支配から逃れることが可能ですが(実際にはいろいろと問題がありますが、ここでは論じません)、多数者が悪政に加担して少数派を弾圧する状況はひっくり返しようがないですからね。ある意味、最悪の状況です。
そこに待つのはもはや滅びのみです。
現在の日本は果たして「滅びるのみ」の状況に至っているのでしょうか?少なくともまともな人間が少数派であることは間違いなさそうではありますが・・・。
エドマンド・バーク
「あなたがたの政治家たちが、勇敢大胆な才能のしるしと考えるものは、能力のなげかわしい欠如の証拠にすぎない。かれらは、自分たちの乱暴な性急さと、自然の過程の無視によって、すべての山師と投機家に、すべての錬金術師とやぶ医者に、盲目的にゆずりわたされてしまった。」 (『フランス革命についての省察』より)
これも、この文章だけで考えると何を書いているのかさっぱりですね(;^_^A
日本語訳にも問題はありそうですが・・・。
民主主義バンザイ、革命バンザイってやっちゃうのは素晴らしいことではなく、アホだということ。アホゆえに何も考えずに国の命運を詐欺師に託してしまいましたとさ。ってことでしょうか。
現在の日本も改革だとか、自由化だとか、民営化だとか、維新だとか、財政健全化だとか言っちゃってる人たちがたくさんいますけど、これも同様に能力のなげかわしい欠如の証拠ですよね。狂っています。
ホセ・オルテガ・イ・ガセット
「大衆とは、善い意味でも悪い意味でも、自分自身に特殊な価値を認めようとはせず、自分は「すべての人」と同じであると感じ、そのことに苦痛を覚えるどころか、他の人々と同一であると感ずることに喜びを見出しているすべての人のことである。」 (『大衆の反逆』より)
みんなと同じがいい。みんなと同じだと安心する。って人たちですね。
みんながリンゴが好きだから私もリンゴが好き。
みんな妖怪ウォッチグッズ持ってるから私も欲しい。
みんなが赤信号で横断歩道わたるから私もわたる。
みんながグローバルグローバル言うから私もグローバル。
みんながあいつをいじめるから私もいじめる。
みんなが財政健全化は正しいと言うから私もそう思う。
みんなが暴飲暴食するから私もそうする。
みんなが自民党が比較的マシと言うから私も支持する。
もう・・・なんなんでしょうね。完全に他人のなすがままですね(-"-;A
こういう人たちが平気で犯罪チックなことをやるんでしょうね。みんなと同じって、そんなに嬉しいか?
他者と協調するのはよいことですが、いくらなんでもこれはやりすぎですね。でも、結構こういう人が多いというのが現実。
フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ
「人間と人間とのあいだを深淵のように隔てるさまざまの位階や等級の懸絶を見抜くほど充分に高貴でない人間たち。―こういう人間たちが、彼らのいわゆる<神の前の平等>を武器として、これまでヨーロッパの運命を支配してきた。」 (『善悪の彼岸』より)
身分も能力も低く、責任感も思考力なく、人間性も未熟であるような人間たちが平等を主張しまくってきたせいで、社会を腐らせてきてしまったということでしょうか。
生徒全員が劇で「シンデレラ」の役をやりたいと主張した結果、全員が「シンデレラ」の役をやることになったというような感じでしょうね。これ、どうやって劇をやるのか知りませんが(;^_^A
飛行に乗ってて、乗客が全員、(できもしないくせに)飛行機を操縦する権利を主張し、みんなで平等に操縦しようってことになったら、どうなるか・・・。
これを実際にやってきたのが近代ヨーロッパの歴史であったというわけですね。現代ではヨーロッパに限らず、日本も含めた世界全体で間違った平等意識が腐臭を放っておりますがね。
セーレン・キルケゴール
「いまはもう手おくれなのだ。かつてはこの世で権能や権力が濫用され、それが自らの頭上に革命という復讐神を招いたのであったが、無力者や弱者が立てもしないのに自分自身の足で立とうと欲したため、いまその復讐神をわが身の上に招いているまでなのだ。」 (『現代の批判』より)
独裁で何でもやり過ぎると革命によって倒されてしまうけど、能力がない連中に権利を渡そうとした結果、社会が滅亡に追い込まれてしまうってわけですね。
そもそも権利とは義務を果たすことで初めて認められるものなのですが、現代では義務を果たす意思もしくは能力のないものが権利を主張するということは日常茶飯事です。特に人権ってやつ・・・人間としての権利なんでしょうが、これを主張する者は人間としての義務を果たしているんでしょうか?(何が人間の義務であるかは各々で考えてみてください(;^_^A)
本来権利を持つべきものではないものに権利が与えられると、もはやあと戻りは不可能です。なぜなら権利を持っている者たちが自らの権利を制限することなど多くの場合は起こらないからです。水が高いところから低いところへ流れるように、傷口はもはや開く一方というわけです。
そう、現代文明はもう手遅れの領域まで達しているのかもしれません。いや、人の命と同じように文明というものも必ず滅びるものであると考えた方がいいのかもしれません。
日本は将来「間違いなく」いつか滅びる!!!
それが、いつどのように起こるかは分かりませんが、滅びることが分かっているなら少しでも日本のことを大切にしようって思えてくるかもしれませんよ。まぁ、安倍政権には余計なことはするなと言いたいですが。
ギュスターヴ・ル・ボン
「野蛮人と同様に、群衆は自己の欲望とその欲望の実現とのあいだに障害の存在するのをゆるさない。多数をたのんで、一種不可抗力な力の感じをおぼえるだけに、いっそうそれをゆるさないのである。群衆中の個人にとっては、およそ不可能という観念は消滅する。」 (『群集心理』より)
群衆を形成した人々はもはや野蛮人と化すってわけですね。そんでもってやりたい放題やってしまうと。おそらく、脳内のリミッター的なものが外れてしまうんでしょうね。
赤信号みんなで渡れば怖くない。
暴動もみんなでやれば怖くない。
肝心なことは群衆に取り込まれないようにして、自己の精神を防衛するって事でしょうか?
負の感情は感染力が強いと言われますからね。極力こういう方々とはお近づきにならない方がよいかもですね。
というわけで、今回はここまでです。適菜氏の言いたかったことをまとめると以下のような感じです。
・歴史を無視した革命はロクなことにならない
・大衆が社会を滅ぼす
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P.P.S.
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