『なぜ世界は不幸になったのか』・その2 | くらえもんの気ままに独り言

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 前回に引き続き、適菜収氏の『なぜ世界は不幸になったのか』を取り上げたいと思います。


本書はコチラ(前回書くの忘れてました(;^_^A)

なぜ世界は不幸になったのか/適菜収 (著) (角川春樹事務所)

http://www.amazon.co.jp/dp/4758412480

そして、前回の話はコチラ

『なぜ世界は不幸になったのか』

その1 http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11962570917.html


 今回も前回同様、 各項の冒頭に取り上げられている賢者の言葉を引用し、それらの言葉について少し考えてみたいと思います。もちろん、詳しい解説が知りたければ是非本書をお読みください(;^_^A)

 というわけで、今回も7名の賢者の言葉を取り上げたいと思います。


三島 由紀夫

「とにかくわれわれは、断乎として相対主義に踏み止まらねばならぬ。宗教および政治における、唯一神教的命題を警戒せねばならぬ。幸福な狂信を戒めなければならぬ。現代の不可思議な特徴は、感受性よりも、むしろ理性のはうが、(誤つた理性であらうが)、人を狂信へみちびきやすいことである。」 (『小説家の休暇』より)


 この前まで、相対主義はよくないって書いてきたんですが(;^_^A


 と思いきや三島氏が言いたかったことは狂信はよくない、原理主義はよくないって意味ですね。そもそも絶対的な真理とは到達できないものですから、これが真理だ!!って決めつけることは絶対的真理への追究を放棄することと同じです。


 そう言えば、「狂人とは理性がない人のことではなく、理性しかない人のことである」と言った人がいるらしいですね。(チェスタトンでしたっけ?)


 理性しかない人ってどんな人なのかは分かりませんが・・・。理性しかない・理性こそが大事だと思っている人が狂人ということなら分かります(^ε^)。


マイケル・オークショット

「保守的であるとは、見知らぬものよりも慣れ親しんだものを好むこと、試みられたことのないものよりも試みられたものを、神秘よりも事実を、可能なものよりも現実のものを、無制限なものよりも限度のあるものを、遠いものよりも近くのものを。あり余るものよりも足りるだけのものを、完璧なものよりも重宝なものを、理想郷における至福よりも現在の笑いを、好むことである。」 (『保守的であるということ』より)


 つまり、保守的ということはより確実性の高いものを選ぶってことのようですね。


 私もこういう考え方は好きですね。


 あ、でも、お菓子とか買うときには新発売のやつに飛びついてしまう(>_<)

 慣れ親しんだ味のやつじゃなくて、珍しいやつを買ってしまいます。そして、後悔するパターンが多いorz


 まぁ、自分の生活を脅かさない範囲では冒険してみるのもありでしょうか(笑)?


福田 恆存

「保守派が合理的でないのは当然なのだ。むしろそれは合理的であつてはならぬ。保守派が進歩や改革を嫌ふのは、あるいはほんの一部分の変更をさへ億劫に思ふのは、その影響や結果に自信が持てないからだ。それに関するかぎり見す見す便利だと思つても、その一部を改めたため、他の部分に、あるいは全体の総計としてどういふ不便を招くか見とほしがつかないからだ。」 (『私の保守主義観』より)


 そう。特に政治などの国民全体の生活に関わるような場面ではもっとも失敗確率の低い手段を選んでいただきたいものです。


 というわけで、緊縮増税ネオリベグローバル路線の改革バカは勘弁してほしいものです。


 やつらは改革を進めた結果、どんなデメリットが起こるのかなんて微塵も想像していないんでしょうよ。


ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

「ひとかどのものを作るためには、自分もひとかどのものになることが必要だ、ダンテは偉大な人物だと思われている、しかし彼は、数百年の文化を背後に背負っているのだよ。」 (『ゲーテとの対話』より)


 逆に言えば歴史の重みを背負っていない人物はペラッペラの人間てことですね。


 偉大な人物になろうと思うなら、積み重ねられた歴史を受け継いでいく意識が必要というわけですね。


 やっぱり、もっと古典にふれないといけませんね(;^_^A

 苦手だけど・・・。


小林 秀雄

「古典とは、僕らにとって嘗てあった作品ではない、僕らに或る規範的な性質を提供している現に目の前にある作品である。古典は嘗てあったがままの姿で生き長らえるのではない。日に新たな完璧性を現ずるのである。」 (『環境』より)


 この前、出てきた小林秀雄氏ですね(^-^)/。


『アフター・モダニティ』・その4

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11943278680.html


 古典も積み重ねられた歴史を背負っていくことで、さらに進化していくということでしょうか?


 ということは、現代の書物よりも背負っている歴史の分だけ古典が優れているということなのかもしれません。


 現代に近ければ近いほど、ペラッペラってことですかね(;^_^A


 と言いつつ、最新の本書を読む私。・・・でも、内容は昔の偉人の言葉だもん。


西田 幾多郎

「東洋文化の根底に横たわる世界観人生観というものは、ギリシャおよびユダヤのいずれとも異なったものであり、しかももっとも深き人間性の一面を示しているものと考えることができる。ただ、われわれはそれをどこまでも学問的に基礎づけ組織せなければならない。」 (『知識の客観性』より)


 もっとも深き人間性の一面を示す世界観人生観というものは東洋文化に特有のものかもしれませんね。ただ、これを客観的に表すのってかなり難しいと思うんですよね。そういうことをあまりやってこなかったから、このような東洋文化が出来上がっていったという面も無きにしもあらずな気はします。


 まぁ、でもそれをきちんと理解しようとするならば学問的基礎付けをしっかりやっていかなくてはならないのかもしれませんね。そうでないと外来の世界観人生観に塗りつぶされてしまいかねませんからね。


エドワード・ハレット・カー

「現代のジャーナリストなら誰でも知っている通り、輿論を動かす最も効果的な方法は、都合のよい事実を選択し配列することにあるのです。」 (『歴史とは何か』より)

 経済指標のよさげな箇所だけをピックアップして、さもアベノミクスによって景気が良くなったかのように見せるというアレですね。


 まぁ、マスコミ報道に限らず、いろんな書物の内容にしても都合のよい事実だけを書き、都合の悪い部分は書かないなんてことをやっている可能性については頭に入れておいた方がよさそうですね。


 というわけで、今回は以上です。今回のパートの適菜氏の主張をざっくりまとめるとこんな感じです↓


・大事なのは日本人としての誇りと歴史だ

・歴史は進歩しない


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