さて、引き続き『政の哲学』の感想ですが、今回で最終回になります。
前回は主にニヒリズムのこわさについて取り上げました。ニヒリズムって言うのは、JKリフレ派や安倍応援団みたいなものと思ってもらえれば分かりやすいかと思います。
藤井先生は新自由主義はめっちゃニヒリズムともおっしゃっていました。確かに理性なんかなくて欲望だらけですからね(;^_^A
というわけで、続き行ってみましょう。
第11回 生きるということは「循環」し続ける事です ~解釈学的循環~
「要は理性というのは、動きが読める力、なわけです。例えば、戦争とかで「大局が読める力」こそが理性だと言って良いわけです。(P184)」
理性(こころ)が重要で悟性(アタマ)はそれを助けるためにある、という話ですね。
『知性の構造』でも学問的知識を基礎に事実を捉えるのには「思想」の力が必要と書いてありましたので、おそらく同じような意味だろうと思います。
『知性の構造』・学際研究の可能性
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11858974746.html
ちなみに解釈学的循環というのは、ある世界(状態)に解釈を加えることによって、見える世界が変化します。そこで見えてきた新たな世界にさらに解釈を加えることによって、さらに新たな世界が見えてくる。これを繰り返すことが「循環」であり、生きるということなのです。
この循環を捉えるのが藤井先生の言う「理性」であり、西部先生の言う「思想」ということなんでしょうね。
実際に世界はめまぐるしく循環しているというのに「金融緩和だー」とか「規制緩和だー」とか言い続けている人は、循環が止まっている、つまり死んでいるということなのでしょう。
第12回 全体主義のテロルを止めることが「政治の哲学」の使命 ~全体主義~
「すなわちそれは、「とにかく全体の方針に従うべきである、という考え方および社会現象」。(P202)」
ナチスドイツからいじめに至るまで、全体の方針に従え、逆らうものは許さんってのが全体主義ですね。内容は何でも構わないということです。全体主義の構成要件としてプロパガンダとテロルがあるようです。
現代日本で言えば、安倍応援団やJKリフレ派のブログなんかはプロパガンダで、それに批判的なものに対する弾圧、誹謗中傷というものはテロルというわけですね。
全体主義が成立するためには人々がニヒリズムに陥っていることが必要とのことですが、自分の頭で考えるような人が一定数いれば、この流れを止めることができるようです。テロルを止めるためにも全体主義運動のプロパガンダを潰していかなければなりませんね。
全体主義をみんなで食い止めようっていうのは全体主義とは言わないですよね??いや、定義上は全体主義か?理性を失わなければいいのかな?
「新自由主義全体主義」「グローバル化全体主義」は放っておくと危険なのでなんとか対処しないといけないのですが・・・。
第13回 フランス革命と産業革命が人間を大衆化させた ~大衆社会論~
「つまり、民主主義と資本主義というものが近代をつくりあげ、「大衆」を生み出したわけです。(P225)」
フランス革命によって民主主義が生み出され、産業革命によって資本主義が生み出されたせいで、教養もなく金融資産も何もないような奴が生きさらばえるようになったが政治的権限をもつようになったことで、大衆という名のゾンビが生まれたと。
大衆のゾンビっぷりはコチラ↓
『大衆社会の処方箋』・その2
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11769080323.html
オルテガによれば大衆人の精神を色濃く反映しているのは「専門家」ということのようですね。「専門」という殻に閉じこもっているくせに傲慢ということで、大衆の要件をバッチリ満たしております。『知性の構造』にもあったように、「経済学しか知らない人は経済学を知らないに等しい」というのも専門家の問題を表しているように思います。
「大衆」を増やさないためには一人一人が「考える」ということですが、完全に大衆化してしまった人は二度とまともな人間に戻ることはありません。死にたくなければ、「考えろ」!!!!ってことです。
JKリフレ派?
あれは、もう死んでます。
最終回 『大衆社会の処方箋』
「まず大衆社会につける処方箋、についての、当方の結論は― 「そんな薬はない!」というものです。(P248)」
さっきも言ったようにゾンビ化してしまったら二度と人間に戻ることはできません。
というわけで大衆化する前に予防しなければならないというわけですね。
その処方箋の具体的内容はコチラ↓
『大衆社会の処方箋』・その4
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11769302278.html
最終回が一番手抜きになっちゃったかな(;^_^A?
というわけで、政治というものに触れる際の「たしなみ」である政治の哲学についての話でした。というか現代の日本社会はゾンビだらけなんじゃないのかと心配しております。なんせ、政府がゾンビまみれですのでorz
ゾンビ化したら最後、人間には戻れないので、説得など無駄で、たたっ斬るのみってことですね。
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