『大衆社会の処方箋』・その4 | くらえもんの気ままに独り言

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 ついに『大衆社会の処方箋』も最後の第Ⅳ部までたどり着きました(苦労した(^▽^;))。


 第Ⅳ部では本のタイトル通り、大衆化に対してどのように対抗していくのかについてまとめられておりましたが、目についたのがこの文言

 完璧なる大衆人は、永遠に大衆人であり続ける


 つまり、完全に大衆人化してしまったら、二度と普通の人間には戻れず、一生「生ける屍」と化してしまうってことですね。こわいこわい(((( ;°Д°))))


 というわけで、まだ真人間の部分が少しでも残っているうちになんとか大衆性を低減させようという試みについて、この第Ⅳ部では提言してあるということです。


 ちなみに完璧な大衆人が多くなってしまうと、もういかなる手を尽くしても無駄であり、その共同体もろとも滅びるしかないというわけです。藤井先生が何かの動画で言っていた「バカにつけるクスリはない」ということです。


 では、実際に提示された処方箋を簡単にまとめてみました。


①社会的ジレンマにおける「協力」誘発と「裏切り」防止


 ・構造的方略:法的規制による非協力行動の禁止、協力行動へのインセンティブ付与

 ・心理的方略:コミュニケーションetc.を通じて自発的な行動変容を促す

 (ここの説明で一部ダイエットと結びつけて説明してありました(;^_^A。私の専売特許(笑)かと思っていたんですがね。)


 ただし、構造的方略はやりすぎると逆に大衆化を強めてしまうみたいです。(協力行動に褒美をつけると、次回からは褒美なしでは協力行動をしなくなるetc.)


 いっぺんに変えるのではなく少しずつ構造を変えていく、また心理的アプローチで自発的な行動変容を促すことで、活力を循環的に産み出していくことが大事ということですね。


②大衆性低減のためのアプローチ

 ・運命焦点化:自身の死の瞬間に至るまでの「人生」に対する注意・関心を増進させ、自律的な解釈学的循環の展開を促進する。

 (死後の世界を重視せず、現実の生を重視すること。仮想現実を避ける。死を身近に感じ、覚悟する。死の危機を具体的に想定する。etc.)


 前回書いたように多くの死に触れる(伝聞も可)ことで、大衆性を低減させることにつながっていきそうですね。そして死の危機を自覚するからこそ一生懸命生きることができるということでしょうか。そういえば文明の発達によって死の危険が減ったことが、大衆化の一つの原因と書いてあったような。己を高めていくためには、ある程度の負荷・ストレス・乗り越えるべき壁というものが必要なのでしょうし、それらの壁を自ら探していかないと大衆化して「生きる屍」となってしまうのでしょうね。とりあえず、今日死ぬ可能性をイメージできれば、安全運転しようとか、お酒の飲みすぎはやめとこうとか、あるいは舛添氏に投票するのはやめとこうとか考えますよね(^ε^)


 ちなみに死に普段から接している葬儀屋さんとかは大衆性低いんですかね?


独立確保:自身の精神の自律的な解釈学的循環とは整合しない外部システムに制御・支配されることを回避し、自律的な精神の解釈学的循環の躍動の回復を期する。

 (全体主義的な潮流からの回避。そのような潮流の影響力を低減させる。マニュアル体質からの脱却。一国独立(反グローバリズム)。etc.)


 社会に出ればよくありますよね。右にならえで周りの雰囲気に従えっていう空気。そういう悪しき空気に汚染されないように回避するというのも大衆化しないためには必要ってわけですね。マニュアル主義的なものも「生ける屍」状態というわけで、やはり個別的に最適な対応をする工夫ってのが「活力ある生」を謳歌するためには重要なのではないかと。


 グローバリズムが大衆化につながると考えると、いよいよグローバリズムの恐ろしさが分かってきますね。一国独立のためにはまだまだ課題がありますが、課題があった方が国家にとってはプラス(?)なんですかね。


活物同期:大衆化した自らの精神の閉塞空間の外部にて躍動する「活物」に自らの精神を同期させ、自身の精神の解釈学的循環を活性化させる。

 (文学・映画などの鑑賞。活力ある他者との交流。自然との交流。伝統とのふれあい。しつけ。etc.)


 これ分かります。高校時代、非大衆的な人物と出会ったのですが、こんな人物になりたいと思ったものです。あとは映画や小説でも生き生きした登場人物には活力をもらえる気がします。


 しかし、大人になった今となっては、なかなか自然と交流する機会や伝統行事に触れ合う機会も減ってしまったものです。大衆化するのはゴメンですので色々と活物に触れる機会を積極的に増やしていかねば・・・。


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 というわけで『大衆社会の処方箋』を読み終えたわけですが、やっぱり結構難しかったです(^_^;)


 しかし、大衆化の危険性は十分認識できました。自分も大衆化しないように気をつけながら、周囲の人たちにも大衆化予防ワクチンを接種していかなければと思った次第です。なんせこのまま大衆化が進行していったら消費税・TPP・構造改革・大震災・グローバル恐慌・某国の侵略・生活習慣病の蔓延etc.で日本滅亡してしまいますからね。


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