『政の哲学』・その2 | くらえもんの気ままに独り言

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 前回に引き続き『政の哲学』の感想を書いていきたいと思います。

 前回までの内容は哲人による政治が望ましい、民主主義は危険だという話でした。それでは、その続きの話、いってみましょう。


第6回 政治家は、真っ当なビジョンを指し示すものです ~代議制統治論~


「多数者の専制を防ぎつつ、哲人統治にできるだけ近い政治をしよう、ということで編み出された具体的な方法が、この「代議制統治」「間接民主制」なわけです。(P88)」


 つまり、庶民が政治家を選ぶ際に「誰が哲人に近いか」を基準にして投票することによって、哲人統治に近い民主主義をやっていくことができるわけですね。こういうことを考えずに投票すると多数者の専制に陥っていくというわけです。


 言い換えると投票の基準は政策が良いかどうかではなく哲人度が高いかどうかというわけです。


 ちなみにこの回では議会の行政への介入はすべて有害であることが述べられています。つまり、改革だー、なんてのはすべて有害ということですね。政治家は行政をうまく操縦することが肝心ということです。さらには官僚が政治の方を動かそうとしてきたときに哲人であれば、はねのけることができるはずと。


 誰を選ぶか・・・。


 改革とか言って行政へ介入しないで、逆に行政をうまく操縦し、政策よりも大局観を持ち、官僚が暴走する場合にはそれを止めれるような人というわけですね。


 財務省がー、経産省がー、なんて言うのは、哲人度が低い政治家を選んだ国民に問題があるということなのでしょうね。


第7回 真っ当な政治家が誰かは、真っ当な知人に聞け ~常識の力~


「「あなたの身の回りで一番信頼できる人は誰ですか?」「その人に、誰に入れたら良いかを聞けばいい、そして、その人が言うのが正しいと思って投票したら良い。それも嫌だったら投票に行くべきではない。あなたには人物を評価する能力がないのだから。」(P108)」


 真っ当な政治家が誰かを知るのには社会の評判がもっとも参考になるということですね。


 まず、身近にいる自分が真っ当と思う知人に聞く。その知人が真っ当な政治家を知らなくても真っ当であれば、その知人の真っ当な知人から聞いているはず。以下、延々に続く。というわけで、もっとも真っ当な候補者にたどり着くことができるというのが、社会の力ということでしょうか。


 この真っ当な評判システムが機能していない社会は真っ当な政治家を選ぶことができないというわけですね。


 しかし、ロクでもない政権が誕生してしまったということは、評判システムが機能していなかったということなのか・・・?真っ当な知人に聞くと言うところに思い当たらない、もしくは知人に真っ当な人がいないということなのでしょうか。しかし、知人の中で誰が真っ当なのか分からないなら、どの政治家が真っ当なのか分かるわけないのですから、藤井先生の言うとおり、投票すべきではないのでしょうね。


第8回 政治では、「詭弁」を絶対許してはならない ~弁証法とアウフヘーベン~


「「ブレない奴」ってのは、別の言い方からすれば「結論ありきの奴」ってことですから、そんなバカは議論では百害あって一利なしです。(P123)」


 議論のできない連中ということで、以前「大衆」というものについて書いたことがあります。


『大衆社会の処方箋』・その2

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11769080323.html


 ここで述べられている詭弁野郎は大衆のことと言ってもよいかと思います。


 まぁ、当ブログで詭弁と言えばJKリフレ派(アヤカシ)が有名でございますが(‐^皿^‐)


 弁証法については上記リンクのエントリー内で書いているので、ここでは割愛させていただきますが、つまり、結論ありきの奴はどんな詭弁を弄そうとも、自分の意見を貫いてくるというわけですね。


 人手不足だから外国人を・・・

 人口が減ってきたから外国人を・・・

 女性の社会進出のために外国人を・・・

 高度な技術を取り入れるために外国人を・・・

 (でも、本当は安い労働力が欲しいから外国人を・・・)


 まったく、許してはならない連中ですな(`×´)。


第9回 ニヒリズムは、最強最悪の政治の敵です ~ニヒリズム/虚無主義~


「ニヒリズムは実は虚無主義、というよりは、「無価値主義」あるいは「無理性主義」といった方が、分かりやすいかもしれません。「理性ゼロ」ですから、彼の精神は、完全に「欲望」に支配されます。(P140)」


 価値観はないくせにいっちょ前に欲望だけはあるという奴らですね。ニヒリストの吐く言葉はすべて詭弁と藤井先生は言っていますが、JKリフレ派や安倍応援団のことですね。


 「思考」することができないニヒリスト達は「イデオロギー」に依ることで、「思考」することから解放されます。ただただリフレ理論を信奉していればよい、ただただ安倍総理を盲信していればよい、ってなっちゃうわけですね。彼らと議論しようとしても、彼らはリフレ理論が正しい、安倍総理が正しいと詭弁を弄し続けてしまうことになるわけです。


 そして、こいつらは正しいことを言う弱者を暴力で殺し、「多数者の専制」を完成してしまうという。


 まぁ、ニヒリストに陥ってしまった人は何も価値がなくなる、つまり生きている価値もなくなってしまうらしいので、哲学的には死んだも同然と言うことで、人間とはみなさない方が、真っ当な社会を作っていくためにはよいのかもしれませんね。


 「それはもう「それ」であって、「彼」とは呼べない代物になってしまっている。(P149)」


 ニヒリズム・・・こわい(;^_^A


第10回 ニヒリズムが、人類を超絶に不幸にしている ~存在論的不安~


「一旦人がニヒリズムに陥ると、人間は不安になる。不思議なもので、人間というのは、頼る価値がなくなると底が抜けたようになって不安で不安で仕方なくなるんですね。(P162)」


 そこに、彼らの欲望を満たしてくれる何かが現れると、それに熱狂してしまうというわけで、ナチスの例を挙げてありました。彼らは積極的に「ハイル・ヒトラー!!」なんてやってて、ヒトラーを批判する人がいようものなら、「何言ってるんだ、彼を批判するなんて、この非国民!」と激しく反応するとのこと。


 ん・・・・・・?


 まんま、安倍応援団やんΣ(゚д゚;)!!!


 ニヒリズムに陥った一部の国民に舞い降りた一人の英雄、それが安倍総理だったというわけですね。「瑞穂の国の資本主義」「靖国参拝」「憲法改正」というキラーワードにコロッとやられてしまったというわけです。


 あるいはJKリフレ派の連中も熱狂的にJ氏とK氏を崇拝していますし、不安で不安で仕方ないところをつかれて手玉に取られてしまったのでしょうね。


 こうなってしまうと、「金さえ刷れば万事解決!」とか「移民で成長だ!」なんて、まともな人ならバカバカしくてありえないと分かることですら、真剣に信じ込んでしまうのです。


 やっぱり、ニヒリズム・・・こわい(>_<)


 

 というわけで、今回はここまで。


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P.S.

元動画はコチラ

じっくり学ぼう!政治の哲学

http://www.youtube.com/watch?v=mViD5FIG3ow&list=PL6mu43UnNThCxkTVWVU6ZGzzjvSRStGey&index=6

(本エントリーの内容は第6回~第10回)



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