経済ネタにかたよってきている感じで不本意ではあるのですが、某所においては週末はこの話題で盛り上がっていたみたいなので、簡単にまとめと解説を。
藤井聡 (京都大学教授) 《『Voice』2014年5月号より》
[安倍景気の行方] ついに暴かれたエコノミストの「虚偽」〔1〕
http://shuchi.php.co.jp/article/1877
[安倍景気の行方] ついに暴かれたエコノミストの「虚偽」〔2-1〕
http://shuchi.php.co.jp/article/1878
http://shuchi.php.co.jp/article/1878?p=1
この件に関する詳しい解説は三橋貴明さんのブログに書いてありましたが、話が難しいよという方向けに簡単に解説してみます。ちなみに三橋貴明さんのブログはこちら↓
ついに暴かれたエコノミストの「虚偽」(前編)
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11820512322.html
ついに暴かれたエコノミストの「虚偽」(後編)
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11821266540.html
・「15兆円規模」の経済の崖
現状はGDPの伸びも鈍いし、労働者の給料はどんどん下がっています。それなのに、政府は景気対策のための費用を昨年よりケチり、さらに消費税まで増税し、消費税増税後は直前に比べてみんな大きな買い物もしなくなってしまいます。GDPというのはざっくり言って、国民(法人や政府も含む)が使ったお金の合計とも言えますが、国民が使うはずだったお金を政府が巻き上げておいて、政府はお金を使う量を減らすし、国民は増税後はもっとお金を使わなくなる、というわけで15兆円分くらいのGDPが失われてしまうのではないかという話です。ちなみにGDPは国民(法人含む)の給料の合計でもあります。(かなりざっくり表現しているので細かいツッコミは勘弁願います。)
・「財政政策無効論」は妥当か?
安倍総理のブレーンのレジェンド(笑)浜田氏は変動相場制の国では政府が景気対策としてお金を使っても効果がないよと言っているそうです。理屈としては「政府がお金を使うためにお金を借りる(国債発行)→銀行にあるお金が少なくなって金利が上がる→金利が上がるとお得感が増して、海外の投資家が日本円を買いまくる→円高になる→輸出が減って、輸入が増えるため景気対策の効果が無駄になる」ということだそうです。突っ込みどころは多々ありますが、藤井先生は「国債発行は増えてるけど金利はあがってないやん!」とツッコみをいれておられるわけですね。
・専門家の思い込みは激しい
アヤカシ派の一人で安倍総理が先日購入した本の一冊の著者であります原田氏は1990年代に政府が景気対策としてお金を使っても意味なかったよと上記の理屈で言っていましたが、実際は金利が上がったなんてことはなく、GDPも増えていましたとさ。相変わらずの詐欺師っぷりでございますが、政府は「なるほどなるほど、景気対策としてお金を使うのは無駄なのか、ふむふむ。」とやってたわけですね。
・分析期間は適当か?
上記の浜田氏、原田氏に日銀副総裁の岩田氏を加えた3人の著書の中で、「日銀がお金を刷ればインフレになる」と書いていたらしいですが、実はそれは「2009年~2012年」という限られた期間のみのデータをピックアップしていたとのこと!! 期間の範囲をもう少し広げてみるとそれ以前は日銀が刷ったお金の量とインフレ率の間に関連がなかったとのこと。やはり詐欺師・・・。でも、政府は「ふむふむ。日銀にお金を刷らせさえすればインフレになるのだな。」ってやってるわけですね。
・金融緩和「だけ」ではデフレ脱却は期待できない
さらに日銀が刷ったお金の量はデフレ突入後もどんどん増えていっているのに物価はどんどん下がっていたという。さぁ、詐欺師3人衆はどうする?
・データを読む知性と良心を問う
この3人は今まで、日銀がお金を刷るのが効果が高く、政府がお金を使っても意味ないよということをさんざん言ってきたわけですし、影響力もかなりある方々なわけです。しかし、実際は捏造とも呼べるデータの使い方だったわけです。おそらくは自分の理論と現実が乖離しているために、自分の理論を守るためにはウソをつかざるをえなかったのでしょう。というわけで、アヤカシ派の学者が日本の景気浮揚の足を引っ張っているんじゃないかという話でございました。
以上、解説はおしまいです。
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さて、これから先はこの藤井先生の投稿への反論がネット上で繰り広げられているようなので、それをピックアップして、ツッコミをいれようかと思います。(興味のない方は読み飛ばして構いません。)
1.小渕政権時は金融緩和をロクにしていなかったからマンデルフレミング理論(財政政策は無効)が成り立っていた
→金融緩和していましたがなにか?金利上がっていませんが何か?眼科受診をオススメします。
2.MF理論は名目金利じゃなくて実質金利を見るんだ。実質金利は財政出動で上がっているじゃないか。
→国債発行によって上がるのは実質金利ではなく名目金利です。実質金利が上がる・・・ってインフレ率が下がるってことか?財政出動した場合としなかった場合はどちらがインフレ率高くなるのかな?
3.実際に新規国債発行が増えると実質金利が上がっているんですけど・・・。
→小渕政権時と麻生政権時のことかな?消費税増税とかリーマンショックでデフレが悪化したから実質金利が上がってるんでしょ?それに対する景気対策をやったから国債発行増えているんでしょ?アヤカシ派の脳内では財政出動したからデフレが悪化したという感覚なんでしょうかね。
4.政府支出と名目GDPに相関関係があったとしても因果関係は不明だ。
→政府の消費・投資はGDPの構成要素なので、政府が10兆円消費・投資を増やせば10兆円GDPは増えます。
5.財政出動は市場からマネーを奪うのでデフレ期待になる。
→突っ込む気力を奪う作戦か?需要が増えるとインフレ期待につながるんじゃねーの?
6.なぜMF理論を否定する必要がある?金融政策+財政政策でいいじゃないか?
→MF理論を根拠にして財政政策は効果がない、金融政策は効果があるって妄言吐いている連中がいて、それに従って政府が経済政策を行っているから。
7.リフレ派は財政政策を否定はしていない。
→リップサービスは要らん。財政政策やるとデフレが悪化するって言ってるやん。実際、多くのリフレ派のエコノミストが財政政策は変動相場制の国では効きませんって言っちゃってますが。
8.未だにマネタリーベースの「量」の変化と、予想インフレ「率」の変化を比較して、「マネタリーベース増やしても予想インフレ率に変化がない!!」とか言っている人を発見してしまった。バカは放置すべきか、敢えてバカであることを晒すべきか。それが問題だw
→もともとそのグラフを作ったの、浜田・原田・岩田の3氏ですが・・・。藤井先生は期間を広げただけ。しかも両者を比較することに別に問題はないし。自分でバカをさらしてしまいましたとさ。
9.財政出動しても実際には一瞬で金利が戻るので、金利は変わらないが円高にはなる。実際そうなった。MF理論が成り立っていないならなぜ円高になったんだ?
→なんちゅーこじつけ理論。金利が変わらないのに、なんで円買いが進むんだよ?それにアヤカシの頭の中では為替に影響を与えるのは国債発行だけか?デフレとかアジア通貨危機やリーマンショックは円買いの理由にならんのか?
10.自分の都合のいいデータを抜き出して相手を批判するな。
→そのまま返そう。
11.金融緩和は量ではなく期待への働きかけが重要なのだ。
→ステージが変わったのか??ちなみに浜田・原田・岩田の3氏が金融緩和は効くというのを言いたいために使ったデータは2009年~2012年で、あなたたちの大好きな白川日銀の時代ですよ。
12.アベノミクスでマネーストックは伸びているだろ?つまり金融緩和には効果があることは証明された。
→根拠は?タイムラグはないの?
ざっと、こんなところでしょうか。
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アヤカシどもの主張を要約すると、財政出動をするとデフレが悪化するから、金融緩和でデフレ脱却をすべきだと。
なるほど、ということは。金融緩和+緊縮財政の今は最適な経済政策が行われているというわけですね。どうりで、もう景気は良くなった。これからは景気がもっとよくなる。なーんて、お花畑思考が満開だったわけですね。納得。
では、アヤカシの特徴のおさらい。
・心がない。良心も恥もない。
・いくらでも嘘をつく。
・口から出る言葉のほとんどすべてが詭弁。
・詐欺まがいのことをやり始める。
・世間の流れに取り入ろうとする。
・権力者に媚びてアヤカシとばれないようにふるまう。
なるほど・・・・・・。
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