(ビジネス知識)統計学における、「平均」と「分散」の違いをざっくり説明したいの巻 | ちょっとの努力(仮)

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もしビジネスパーソンや学生さんのあなたが、後輩からこう質問されたらどう答えますか。


「先輩、昔『確率・統計』の授業で、平均と分散の違いを習ったんですが、結局どう違うんでしたっけ。」

「えーっと、平均はそこそこのことで、分散はいろいろとちらばっていることだよ。」
「・・・。(一応感心したふり)」


単語の意味だけなら、完全に間違いとは言えないでしょう。しかし「確率・統計の授業」で、「分散を求めなさい。」と言われて「いろいろとちらばってます。」とは答えなかったはずです。ボケるなら、もっとうまいことボケてほしいです。


『・・・今回もうまいボケを思いつかなかった人、説明をお願いします。』


結論からざっくり言うと、統計学で使われる「平均」とは、

全てのデータを足して、データ数で割ったもの」。


分散」とは、「データと平均値の差をそれぞれ2乗し、それらの合計をデータ数で割ったもの」です。


この2つのデータは、実際のビジネスの場面においても活用されます。


以下、具体的に説明します。


ここに、架空の飲料メーカー、ミデア社(仮名)があると仮定します。


ミデア社のマーケティング部門で働くマチルダさん(仮名)は、自社で販売している牛乳のマーケティングを担当しています。


マチルダさんは今後の販売戦略を策定(さくてい)するにあたって、スーパーによって牛乳の販売数量がまったく異なることに目を付けました。


そこで、試しに、3月1日~7日までの1週間分の、スーパー「」とスーパー「」の販売価格データを分析してみることにしました。


(この牛乳は定価200円で、スーパーでは値引き販売をしているので、販売価格は毎日異なります。)


A:3月1日・・・160円。2日・・・190円。3日・・・189円。4日・・・188円。5日・・・140円。6日・・・121円。7日・・・129円。


B:3月1日・・・160円。2日・・・153円。3日・・・159円。4日・・・168円。5日・・・159円。6日・・・160円。7日・・・160円。


Aの平均は、1,117÷7=159.6円

Bの平均は、1,119÷7=159.9円

となりました。


四捨五入すれば両スーパーとも、販売価格の平均は160円となります。

販売価格がほぼ同じなのに、どうして販売数量がまったく異なるのでしょうか。


データをよく見るとのほうがデータのばらつきが大きく平均からあまり離れていないことがわかります。この、「データのばらつき具合」を数値で見えるようにしたものが、分散です。


まずは、A・Bのデータの、平均からの差をとります。

これを統計学では「偏差(へんさ)」とよびます。


Aの偏差は、3月1日・・・0.4。2日・・・30.4。3日・・・29.4。4日・・・28.4。5日・・・-19.6。6日・・・-38.9。7日・・・-30・9。


Bの偏差は、3月1日・・・0.1。2日・・・-6.9。3日・・・-0.9。4日・・・8.1。5日・・・-0.9。6日・・・0.1。7日・・・0.1。


次に、偏差の2乗をすべて足し合わせます。


Aは、0.16+924.16+864.36+806.56+384.16+1513.21+954.81=5447.42


Bは、0.01+47.61+0.81+65.61+0.81+0.01+0.01

114.87


この数字をデータ数で割ったものが、分散です。


Aの分散は5447.42÷7=778.2

Bの分散は114.87÷7=16.41

となりました。


分散の値(あたい)が大きいほど、データのばらつき具合も大きいということです。


分散を確認することで、マチルダさんは平均だけではわからなかったAとBの販売戦略の違いを確認できました。


その違いとは、


A・・・あまり値引きをしない日と大幅値引きをする日をはっきりわけるような、ハイアンドロープライス戦略を実施している。


B・・・日によって販売価格のばらつきが少なく、エブリデーロープライス戦略を実施している。


ということです。


この販売戦略の違いが、販売数量の違いとなってあらわれていたのです。


なお、この例では話をわかりやすくするために1週間分のデータで計算しましたが、実際は1ケ月~1年ぐらいのデータを用いたほうが、正確なマーケティングができると思います。


ちなみに、「機動戦士ガンダム」で「マチルダ・アジャン」役を演じた戸田恵子さんは、TVドラマ「電車男」で主人公の母親役でしたが、


最終回まで登場せず、最終回でマチルダのフィギュアと共に登場して、「そこの〇〇!」「生意気ね」など、マチルダさんっぽいセリフをおっしゃっていました。


 

 

 

 


(参考:内田学/監修,兼子良久/著,『専門知識ゼロでも使いこなせる ビジネス統計入門』,アスキー・メディアワークス,2010)
紹介記事へのリンク↓

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