【訪問日:2013・6】
今年の6月、<ザ・カハラホテル&リゾート >にオープンした、ハワイの人気イタリアン『アランチーノ』の新店『アランチーノ・アット・ザ・カハラ』
『アランチーノ・オン・ビーチウォーク 』、『アランチーノ・ディ・マーレ』に続く、オアフ島3店舗目となります。
当初の予定よりオープンが遅れていたため、今回の滞在中に訪問できるか心配していましたが、帰国日前の6月18日に正式にオープンし、運よくディナーの予約を取ることができたため、無事にお邪魔することができました。
( HP からオンライン予約可能です。)
外観
お店はホテル内ではなく、1Fエントランスの左手横にあります。
以前、日本料理の『トウキョウ・トウキョウ』があった場所です。
店内
コンセプトとしてはラグジュアリーイタリアンだと思いますが、バギーが欠かせない1歳未満の赤ちゃんや、3~4歳の子供を連れたグループを見かけたので、”乳幼児お断り”や”小学生未満の入店不可”等の規制はないのかもしれません。
全82席の店内は半数近くがテラス席で、 室内にはプライベートルームも完備されています。
ただ、こちらのテラス席から見える景色はキラキラ輝く青いビーチではなく、車が行き交うロータリーと、正直微妙。
しかしながら、テラスには屋内にはない開放感があるので、今回はテラス席に案内していただきました。
メニュー
ランチはアラカルトの用意もあるようですが、ディナーはプリフィクススタイルのコースのみ。
5コース(スープorサラダ、前菜、パスタ、メインディッシュ、デザート)が$100/1人、4コース(スープorサラダ、パスタ、メインディッシュ、デザート)が$85/1人です。
ワインリストは国際ソムリエ協会会長の田崎真也氏監修で、コースメニュー全品にベストマッチングするグラスワインから、”Best 100 Wines from Pacific Rim and Italy selected by Shinya Tasaki”と銘打ったハワイを囲む環太平洋の珍しいワインとイタリアワインなどがあります。
inizio
最初に供されたのは、パンチェッタの塩気と脂分がプラスされたトウモロコシのムース。
パン
全粒粉の丸パンとローズマリーが香る四角パンに、かなり太めのグリッシーニ。
バターとシーソルトの他に、炭塩も添えられていました。
”バーニャカウダ” こだわり有機野菜のアンチョビガーリックオイルフォンデュ/サラダ・スープ
植木鉢仕立てのバーニャカウダ。
『バカール 』の美しすぎるバーニャカウダとまでは言いませんが、もう少し盛り付けにセンスを感じられると良かったかも。
また、野菜自体はとてもみずみずしく美味しかったのですが、使用しているオリーブオイルが適していないのか、ソースにディップすると野菜に嫌なオイル臭がつき、美味しさが半減してしまいました。
まろやかに仕立て上げたロブスターのクリームスープ シェリー風味/サラダ・スープ
中央にロブスターの身とブリオッシュを浮かべたビスク。
ロブスターの旨みよりも塩辛さが前面に出ていたため、食後の喉の渇き具合は尋常ではありませんでした。
カリッと揚げたフォアグラとトリュフの香る パルミジャーノリゾットのアランチーニ/前菜
ゴルフボールサイズのライスコロッケ(アランチーニ)。
ナイフを入れるとパルミジャーノとトリュフの香りが広がり、フォアグラが顔を出します。
ハワイ島コナカンパチとアヒのカルパッチョ/前菜
シーアスパラガスとオゴで彩られた、カンパチとアヒ(鮪)のカルパッチョ。
トマトベースのソースにリヒムイを加えているのか、梅干に似た酸味と特有の風味が鼻から抜け、後味はとっても爽やか。
イカ墨を練り込んだ自家製生パスタ”キタッラ”ペスカトーラ漁師風/パスタ
黒、赤、白のコントラストが美しく、ハワイで初めて美味しいと思えたパスタ。
ギターのような細い弦を用いて作られるため、断面が四角状になるキタッラは、ハワイらしからぬ抜群のアルデンテで、手打ちならではのもちっとした食感を存分に楽しむことができます。
トマトソースも調味料に頼った野暮ったい味ではなく、ロブスターや帆立などの素材のエキスをいかした上品な仕上がり。
これはお世辞抜きに、本当に美味しかったです。
自家製平打ち生パスタ”パッパルデッレ”和牛のラグー赤ワイン仕立て/パスタ
和牛のラグーにダブル使いしたパルミジャニーノを合わせたこってりめのパスタ。
パッパルデッレ単体としては悪くはなかったものの、あまりの太さにラグーとの絡みがイマイチだったのが残念です。
コロラド産子羊のアロースト 瞬間スモーク そのジュとマスタードを合わせて(+$10)/メインディッシュ
グァバで軽くスモークされた仔羊はしっとり柔らかく、仔羊ならではのミルキーな旨みを堪能できます。
添えられていた紫芋も焼き芋のようにホクホクしていて、甘味が強く美味でした。
和牛ショートリブの赤ワイン煮込み トリュフが香るマッシュポテトとクリスピーオニオン/メインディッシュ
軽やかに仕上げられたマッシュポテトの下には、Laguioleを使う必要がないほど、非常に柔らかくほろっと解れる和牛ショートリブ。
パサつきもなく旨みも失っていない美味しいお肉でしたが、ソースが若干濃厚すぎるので、食べている途中で味に飽きてしまう可能性大です。
ちなみに、スコール時、テラス席はこんな風に対応してくれます。
スコールの後にはお決まりのレインボー。
しかも、この時は幸運をもたらすダブルレインボーがクッキリ♪
ハワイでは見る機会が多いレインボーですが、ダブルレインボーはやはり特別感があります。
ティラミス/デザート
甘いものが得意でない私でもペロリと食べられてしまう、小ぶりで可愛らしいサイズ感のデザート。
甘さも控えめで食べやすいです。
モンブラン マロンピューレとセロリカスタードのかくし味 柚子の香りのハニーソース
モンブランはセロリが意外としっかり主張しているので、苦手な方は避けたほうがいいかもしれません。
オープン直後というのは、得てしてフロアや厨房が本来の機能を100%発揮できていないことが多いため、ハワイに限らず、基本的に落ち着いてきた頃(オープンから半年を目安)に来店するようにしているのですが、6月上旬からプレオープンしていたこともあり、正式オープンの数日後にも関わらず、接客態度、料理のペースはとても良かったです。
ただ、ジャンルは違えど、価格帯で見ればライバルになるであろう『ラ・メール 』や、『シェフ・マブロ 』、『ホクズ 』と比べると、まだまだ頑張らなければならない点があるのは確か。
特に、料理に関しては見た目だけでなく、味の完成度を上げていく必要があると思います。個人的に、パスタはまた是非食べたいと思ったほど気に入ったので、コースではなくアラカルトでパスタ中心に好き勝手オーダーできると、個人的には使い勝手がグンとアップするのですが、現状のプリフィクススタイルのコースのみだと、ちょっと再訪は考えてしまうかもしれません。
Arancino at the Kahala
住 所:5000 Kahala Ave Honolulu, HI 96816
電 話:808-380-4400
営業時間:Lunch 11:30~14:30
Dinner 17:00~22:30(Lo 21:30)
定休日:無休
ドレスコード:Lunch カジュアル
Dinner 男性はスラックスの着用がベター
H P:http://www.arancino.com/jp/aracninokahala
備 考:日本語メニューあり、日本語△