GDPとストックとフロー2 | 秋山のブログ

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信用創造の本質で書いたことの焼き直しであるが、ストックについて書こうと思う。

総量を増やすという視点からは、フローの概念が重要ですが、適切な分配を考えるならばストックにを参考にすることが有効になってきます。また、分配が不適切であることが、不況、需要不足の原因であることからも総量にも影響を与えてきます。(ストックは日銀が資金循環統計として発表しています)

ストック(金融資産)の経済主体間における関係は、以下の数式で表され、この数式はいかなる場合でも成立します。
家計の金融資産=企業の負債+政府の負債+外国の負債
(実際は資産と負債の差で、プラスであれば資産として左辺に置かれ、マイナスであれば負債として右辺に置かれます)

この式で重要なことは、家計が金融資産を貯めるためには、他の経済主体が負債を負わなければならないということです。
そのことから、金融資産が利子によって大きくなるとすれば、企業や政府の負債が大きくなる必要があることも分かるはずです。

ここで、家計の経済活動について考えてみます。家計は企業等から賃金をもらい、その金を使ってモノを購入し、代金を企業に支払います。いつも決まったものを買うのではなく、その時々で必要になるモノに対応するためには、ある程度の貯蓄や、賃金に見合ったローンの仕組みが必要になります。つまり、家計はその経済活動の大きさに比例して、ある程度の金融資産を必要とするということです。
ですから、経済成長というフローの増大に対して、大凡比例して家計の金融資産も増大する必要があることが予想されるでしょう。

政府が財政再建で負債を縮小したり、企業が内部留保を貯めることで負債が縮小することは、家計の金融資産が縮小することでもありますが、可処分所得が減少することでもあります。国と家計の関係であれば、税金が上がり、国がおこなっていたことを個人でしなくてはいけなくなって出費も増えることになりますし、企業と家計との関係であれば、賃金が安く抑えられる一方、利益を上げるために商品価格を上げようとすることになります。結局可処分所得の減少、すなわち有効需要の減少となって、フローにも重大な影響を与えることになります。

このように、金融ストックの恒等式を参考にすれば、どのような政策がどのような影響を与えるか、多くの場合に答えがでるでしょう。