対日投資 | 秋山のブログ

秋山のブログ

ブログの説明を入力します。

安倍総理が相変わらず海外に行って投資を呼びかけている。おそらくほとんどの人が投資をしてもらうことがいいことのように思い込んでいる。投資されると、工場等ができて雇用がうまれ、景気がよくなるという極めて単純な思考だ。しかし実際はそう単純な話ではない。対日投資の問題は以前書いているがちょっと追加して書いてみようと思う。

投資は直接投資間接投資に分けられる。(安倍総理がヨーロッパで呼びかけたのは、特に直接投資である)

Wikiに書いてある直接投資のメリットを簡単に示せば、雇用の創出と、技術移転とそれに伴う産業の創出だ。日産のような稀な例もあるが、基本的に後者は日本では考えにくいものであり、またこの為替の状況(対途上国)で日本の雇用を大きく創出する可能性は低いだろう。

間接投資に関しては、株価の上昇等を通しての消費が上がる効果や、担保の増大によってより設備投資等ができるようになるというメリットが考えられるだろう。担保不足の後進国なら後者の作用は大きいだろうが、日本においては意味が無いだろう。前者は少し良さそうだが、消費者の買い惜しみが需要不足の主たる原因でない以上、それほど大きな効果は期待すべきではないだろう。
(基本的に、単なるお金の流入は円高に繋がるため歓迎できない)

もちろんもし投資されたとしたならば、メリットはないわけではない。投資され使われたお金はとりあえずその分だけ日本経済によい影響を与えるだろう。ここで考えなくてはいけないことは、その投資を導くために何がなされるかということだ。
投資をする人間が求めるのは高い利益である。需要の著しい増大は期待できず、少ない国内外の需要を取り合っている日本企業に割り入っていくわけである。大きな利益を得るためには、既存の企業以上の人件費削減が必要にもなるだろう。そして法人税も高い利益の邪魔になる。つまり、投資が日本に入って来るためには様々な優遇措置や、本来絶対必要な労働規制の緩和、法人税の減税が必要であり、海外の投資家も参入に際して日本国にそれを求めるだろう。海外からの投資による利益は、日本の場合それらをおこなったデメリットに遠く及ばない。まったくの愚行だ(特に財政収支を重要視する立場なら絶対に許容できないはずだ)。そして、高い投資家の利益は、労働分配率と反比例することとなり、それだけで需要不足を悪化させるだけでなく、海外へ利益を持ち出されるわけなので二重に需要不足を起す。

日本に必要なのは、海外からの投資ではなくて、国内の銀行融資だ。信用創造で貸し出すためのお金は(政府が抑制をかけなければ)いくらでも増ええるので足りなくなることはない。そのために必要なことは、実質金利を成長率以下にすることと、銀行がリスクを取れる体制作りだろう。(流行の銀行ドラマ等を見れば、もしくは私の経験上、銀行からお金を騙し取ろうとする輩も少なくないので、大変だとは思うが)