悪夢。 | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

悪夢。




人生が懸かった「選択」。下した「決断」は…の続きです。




 問題解決の見通しは立たないが、プリメラ(1部リーグ)優勝を狙える強豪で、慣れ親しんだレアル・ソシエダか?

 それとも、2部リーグながらも高待遇で、恩師ハイロ・リオスが指揮するフティカルパか?
 

 悩みに悩んだ末、最終的には自分の中の「直感」、「感覚」、「感情」に素直に従い「レアル・ソシエダ」を選択…。フティカルパのチャンスは消滅し、後戻りはできない状況となりました。


 あとはもう、レアル・ソシエダが約束通り僕の「手続き」を行ってくれる事を祈るしかない…。





 こうして、「運命の1日」…。


 レアル・ソシエダが僕の続きを行う、「約束の水曜日」を迎えました…。





 レアル・ソシエダのチーム幹部と面会。僕の方から切り出します。



僕:「さあ、約束の水曜日だ。手続きを行ってもらうか」


チーム幹部:「はぁ?何の事だ?知らない」


僕:「いやいや、知らないはないだろう?水曜日に手続きを行うと確かに約束したはずだ。俺はその約束を信じて、他チームからのオファーを断ったんだ」


チーム幹部:「あと1週間…いや、1ヶ月くらいは待て」


僕:「もう、これ以上は待てない。そうやって、すでに3週間が経過したんだ。水曜日に手続きを必ず行うと約束したじゃないか。これ以上、待たせるなら、もう、このチームでは働けない」


チーム幹部:「だったら、ここから、去れ」


僕:「去れ?なぜ、それを昨日(フティカルパに返事をしなければならなかった日に)、言わなかったんだ!?昨日、そっちが去れと言っていたなら、俺はまだ他チームに行けたんだ!!その事はそっちも知っていただろう?チームが『必ず手続きを水曜日に行う』と言うから、俺は他チームからのオファーを断ったんだ!!人の人生を何だと思っているんだ!?」


チーム幹部:「そんな事、俺に言われても知るか。俺は会長の指示に従っているだけだ…」










 終わった。






 

 フティカルパのオファーを断った直後…チームは態度を一変させてきました。「必ず水曜日に行う」と約束した手続きは行われず、それどころか、今後も行う気がないような態度をしてきました。なぜ、その態度をフティカルパのオファーを断る前にしてこなかったのか…?そうすれば俺はフティカルパに行けたのに…。これまでずっと「必要だ」と言い続けてきたチーム…。「去れ」と言われたのは、これが初めてでした。

 チーム幹部とのこのやり取りの後、僕は、涙が出そうになりました。悲しみ、悔しさ、絶望…この時の感情を言葉で表現する事はできません。それくらい、ショッキングな出来事でした。

 これまでの経験もあるので、チームとの「約束」を100%信じていた訳ではもちろんありません。それは前回ブログに「半信半疑」と書いていた事からもお分かり頂けるかと思います。ただ、「いくら何でも、よほどの悪人でもない限り、この状況から嘘は付かないだろう」…と、僅かながらの希望を持っていたのも事実です。


 しかし、そんな僕の「希望」は…最悪な形で裏切られる事となりました。


 どちらのチームを選ぶべきなのか…?僕にとっては「人生が懸かった大事な選択と決断」でした。けど、チームの会長からしたら、僕の人生なんて「ゴミくず」同然…屁とも思っていなかったのです。会長が酷い人間とは前から重々承知してはいましたが(衝撃の「解雇事件 」もありましたし)、まさかここまでの、正真正銘の本物の「悪人」だったとは…。僕の想像を、常識を、遥かに超えていました…。こんな悪人との約束のために、「恩師」ハイロ・リオスからのせっかくのオファーを断ってしまったのか…。


 こうして僕は、レアル・ソシエダの「手続き問題」を解決できなかっただけではなく、フティカルパからのチャンスも同時に失ってしまうという、「最悪な状況」に陥りました。正に、「全てを失った」心境…。悪夢です。


 当初は、「チームが手続きを行わないのなら、すぐにレアル・ソシエダを去る」という覚悟 をもっていましたが、思いのほか「3週間」もここで時間を費やしてしまう事となり、その間に昨年レアル・ソシエダとパリーヤス・オネで貯めた貯金は減少、自力でアパートを借りて住むのは困難となり(今はチームが準備したアパートに無料で住んでいる)、サン・ペドロ・スーラで泊めさせてもらっていた「万里男」の家 も購入者が決まりすでに別の人間が住んでいるため戻れなくなるなど、状況が変化…。ここ(トコア)を出ようにも出られない、チームを去ろうにも去れない…身動きが取れない「八方塞」へと追い詰められてしまいました。

 
 全ては、自分が下した決断が導いた結果なので、後悔はありません。


 しかし…。今後どうすれば良いのか、本当に分からない。トンネルの出口が見えない。このままチームに手続きを行ってもらえず、会長の思惑通り低賃金で奴隷のように働かされ僕の労働力だけ搾取されてしまうのか…?いや、それだけは絶対に嫌だ。こんな状況ならチームを去りたい。けど、どこに行けば良いのか…?行く当てがない。フティカルパのチャンスは、もう失った。レアル・ソシエダが準備する無料のアパートを出て1人暮らしするのも、資金的に困難…。




 一体、どこにトンネルの出口はあるのか…?





 絶体絶命のピンチに陥りました。





2013年。アメリカ上空!②





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