屈辱と葛藤。 | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

屈辱と葛藤。


※相手GKの悪質極まりない「飛び蹴り」を食らって倒れる、アルビS・MF下野淳

「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -下野クラッシュ…2011年5月15日(月)


 これは「格闘技」の試合ではなく「サッカー」の試合です。上の写真を見て「サッカーの試合」に果たして見えるでしょうか?強靭なフィジカルを誇る下野だったからこそ、何とか事なきを得ましたが、そうでなかったら「命」の危険すらありました。それくらい凶悪なファールでした。

 僕の中では「仲間を故意に傷付けるような行為は、コーチとして、自分が犠牲になってでも守らなければならない」という哲学があるのですが、それで前々回のSAF戦で「退席処分」 になってチームに迷惑をかけてしまったので、どれだけ目の前で仲間が傷付けられてても抗議すらできなくなりました。黙ってベンチで見ている事しかできない…。

 選手は本当に、最後の最後までよく戦ってくれました。そんな選手たちを勝たせてあげられない、「笑顔」にさせてあげられない事に、コーチとして大きな責任を感じています。なおかつ前述したように選手が故意に傷付けられていても、助けてあげる事さえできないという…。

 試合は「1-3」完敗…。前回対戦時も悔しい敗北 を喫し、もっと言うと昨年から同じような展開で敗北を喫し続けてきて「もう、こんな悔しい思いをするのは二度とゴメンだ」と誰もが心に誓っていたのですが、またしても「悲劇」は繰り返されました。相手は3点差が付いてから、何とGKを交代してきました。よほど余裕な展開でもない限り、公式戦で「GKを代える」なんて事はありえません。それくらい、我々が彼らに対して「脅威」を与えれてなかったという事なのか…?これ以上の「屈辱」はないです。

 1人のコーチとして、チームが「優勝」するためには何をすべきなのか?何ができるのか?選手を危険から守るには何をすべきなのか?何ができるのか?

 葛藤は続きます…。



「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -下野クラッシュ…2011年5月15日(月)2