今の僕の「夢」。 | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

今の僕の「夢」。


 「28年ぶり」にW杯の舞台に帰ってきたホンジュラス
…。

 重要な「W杯イヤー」最初の強化試合として、今年の初めにアウェーでライバルのアメリカと対戦しました!!メラメラ

 両国ともに日程の関係でヨーロッパ組が招集できず、主力不在のメンバー構成でしたが、アメリカは予選で2連敗した因縁の相手だけに、ホンジュラスとしては何とか勝っておきたいところ…。果たして結果は!?






 「3-1」で完勝!「ホンジュラスらしさ」が存分に発揮された素晴らしい試合となりました!特に圧巻なのが3点目!巧みなショートパスを駆使して堅守アメリカ守備陣を完璧に崩す!南アW杯に向けて幸先の良いスタートを切りました!!クラッカー

 ちなみにこの試合では、予選でホンジュラスの南アW杯出場を決める「奇跡の同点ヘッド」をコスタリカ戦の「ロスタイム」に叩き込み、正にホンジュラスの救世主となったアメリカ代表
ジョナサン・ボーンスタインが、スタジアムを埋めたホンジュラスサポーターから「Thank You」と拍手喝さいを浴びました。彼の名前は、ホンジュラスサッカー史に永遠に刻み込まれる事でしょう…(ライバル国の選手としては異例)。ありがとう、ボーンステイン!!









 そして先週、今年2つ目の親善試合をアウェーで強豪・トルコと行いました!!

 ホンジュラスは「英雄」ダビド・スアソ(ジェノア所属)や「プレミアリーグで10指に入るMF」と言われるウィルソン・パラシオス(トットナム所属)など、ヨーロッパで活躍する全ての選手を招集し、現時点の「最強メンバー」でこのトルコ戦に臨みました。メラメラ

 トルコは今回の南アW杯にこそ出場しませんが、2008年のヨーロッパ選手権では準決勝に進出するなど、実力は紛れもなくワールドクラス。スペイン、チリ、スイスなど強豪国と同組になった南アW杯本大会に向けての試金石としては正に最高の相手。果たして結果は!?





 「0-2」で完敗…。爆弾スアソなどのヨーロッパ組は、軒並み前半45分のみで交代。トルコに「ワールドクラス」の厳しい洗礼を受けました。ただ、資金難などで普段なかなかヨーロッパの強豪国との試合が組めないホンジュラスにとっては、非常に良い強化の場となりました!この経験を糧に、本大会では「ベスト16以上」に進出じゃ!!

 日本はすでに、W杯直前の強化試合として韓国戦やコートジボワール戦などが発表され、南アW杯までの全強化日程が完璧に決まってますが、実はホンジュラス…現時点でトルコ戦以降の日程が全くの白紙状態!おいっ!!叫びほぼ決まりかけていたニュージーランドとの親善試合が中止になり、「それならば」と頼んだ隣国エルサルバドルにも、なぜか「嫌じゃ」と断られ…強化は難航を極めています。「これはホンジュラスに対する差別か?」と協会幹部がメディアにコメントするなど、自暴自棄に陥っています…。しょぼん大丈夫かホンジュラス!?

 日本のように豊富な資金力があり、素晴らしくオーガナイズされてる国では、次々と強豪国との強化試合が実現するのも「当たり前」のように感じますが、サッカーのみならず、政治的にも世界の小国に過ぎず、中南米でも「最貧国の1つ」と言われるホンジュラスにとっては、たった1つの強化試合を組むだけでも、金銭的な面や様々な問題が障害となり、一筋縄ではいかないのが現状です。

 そんなホンジュラスを「何とか助けたい!」と思い、冬のオフにホンジュラスを訪問した際に親交が深まったホンジュラスサッカー協会の幹部や、代表監督と小まめに連絡を取り、自分のネットワークで親善試合を組む手助けや、その他、ホンジュラスが望む事があれば何でもサポートしていきたいと真剣に考え、日々、全力で行動しています。

 とにかく僕は、この国を助けたい。この国に南アW杯で「ベスト16以上」に進出してもらいたい。彼らの持ってる能力を、くだらない障害や足かせが無い状態で100%発揮してもらいたい。そうすれば必ず南アW杯で世界を驚かす事ができる…。世界に「ホンジュラス」という国の素晴らしさを認知させる事ができる…。そのために、自分ができる事は何か?自分に求められてる事は何か?常に自問自答しながら毎日を生きています。

 それくらい、僕はホンジュラスの事が好きなんです。いや、もはや単純に「好き」という言葉だけでは語り尽くせない、特別な想いを持っています。

 「南アW杯におけるホンジュラスの成功に少しでも貢献する事

 …今の僕の最も大きな「夢」であり、「目標」の1つです…。


$「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→?」 -Honduras国旗!