電撃マオウ2012年9月号コラムより
▼これまでの「抜けないトンネル」コラムアーカイブ
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■第82回“久しぶりだな、うずまきナルト”
今月、7月28日(土)より
劇場版『NARUTO-ナルト-』待望の最新作
『ROAD TO NINJA -NARUTO THE MOVIE-』が全国公開となります。
(※2012年当時)
なかなか立場上『NARUTO-ナルト-』の映画については
言及を避けてきたところもあるのですが……。
今回の映画についてはどうしてもお話ししたい!
という気持ちもありまして。
そもそも我々は『NARUTO-ナルト-』のゲームソフトを
開発していることもあって、文字通り“関係者”なのです。
なので、映画の脚本があがった時点で
脚本データをいただきます。
別に何か意見を言えるわけではありません。
“今年の映画はこういう内容だからよろしくね”という感じです。
で、まあ、特別な理由があればかつての『ナルティメットヒーロー2』の時のように
コラボで映画版のキャラクターがゲームに登場したりもします。
今回はそういう話ではないのでこのへんの話はまたの機会に。
で、今回の映画『ROAD TO NINJA -NARUTO THE MOVIE-』ですが
既に報道されている通り、岸本斉史先生による完全新作ストーリーとなっています。
脚本だけでなくデザインにも携わっています。
全面的に岸本先生が関わった映画は今回が初めてとなります。
え?今まではじゃあどうだったの!?
と一般の方は思われるかもしれませんが。
今までの映画は岸本先生は“監修”という立場で参加されていました。
直接的に脚本やデザインに関わることはなかったと思います。
(なので今までは脚本もデザインも監督も当然ながら別の方です。
とはいえ、今まで映画を作ってこられた方々も
『NARUTO-ナルト-』の映画を作るために集まったプロの方々です。)
で、私自身が今回の映画の脚本を受け取った時の話に戻しますが。
……衝撃でした。
ここまでか!?
ここまで違うのか!?
と戦慄を覚えたほどです。
誤解を承知で言いますが、私の脚本を読んだ直後の感想は……
“映画として正しい。”というものでした。
読み終わった直後に西川が私の部屋にやってきたので、聞いています。
彼が証人です(笑)。
“正しい”という表現が適切なのかはわかりませんが。
率直な感想はそうでした。
設定やシナリオの流れ、各キャラクターとの関係性、
挙げると色々ありますがそういうことだけじゃない。
映画として映画館に足を運んで集中して観てもらうことを
前提にした映画作品として“テーマ”が正しい。
間違いなく“観て良かった”と思える。
観た人間に“何か”を与えることができる。
そういう意味で私は“正しい”と感じたのです。
この場であまり多くを語りすぎても良くないので。
内容に関しては発言を避けますが。
この映画は“正しい”。
ぜひ、みなさん劇場で。
『ROAD TO NINJA -NARUTO THE MOVIE-』の“正しさ”を
存分に堪能してください。
私も堪能します。
【ひろしの今月の逸品】
もうちょこっとだけ映画の話を。
そもそも映画を作る時にいつも制作サイドが
何を悩んで制作しているのか?ということについて
触れておこうと思います。
『NARUTO-ナルト-』はご存じの通り、
そもそも漫画原作です。
そしてテレビアニメがあり、
各種ライセンス商品(ゲームもそのひとつ)があり、
映画があります。
私は映画を制作する関係者とも立場が近いので
よく話をする機会もあります。
そこで彼らがいつも頭を悩ませているのが
“主人公のナルトを勝手に成長させることができない”
ということです。
『NARUTO-ナルト-』という版権を使って、
みんなが楽しめる映画を作る。
それが製作委員会の目的となります。
が、現行作品として漫画連載が進行している以上、
ナルト自身を物語の中心に置きつつも
“大きな成長を描くことはできない”というジレンマがあります。
なのでいつも作られる映画の内容は
“外伝的”なものが多かったという印象ではないでしょうか。
こうした理由があったのです。
しかし、今回の映画は上でも述べたとおり、
岸本先生ご自身が手掛けられていることもあって。
しっかりとナルト自身の“成長”も描かれています。
“僕にしか描けない、NARUTO映画です”という
岸本先生のコメントもこうして見ると色々と
感慨深いものがありますね。
もうちょこっとだけ映画の話を。
そもそも映画を作る時にいつも制作サイドが
何を悩んで制作しているのか?ということについて
触れておこうと思います。
『NARUTO-ナルト-』はご存じの通り、
そもそも漫画原作です。
そしてテレビアニメがあり、
各種ライセンス商品(ゲームもそのひとつ)があり、
映画があります。
私は映画を制作する関係者とも立場が近いので
よく話をする機会もあります。
そこで彼らがいつも頭を悩ませているのが
“主人公のナルトを勝手に成長させることができない”
ということです。
『NARUTO-ナルト-』という版権を使って、
みんなが楽しめる映画を作る。
それが製作委員会の目的となります。
が、現行作品として漫画連載が進行している以上、
ナルト自身を物語の中心に置きつつも
“大きな成長を描くことはできない”というジレンマがあります。
なのでいつも作られる映画の内容は
“外伝的”なものが多かったという印象ではないでしょうか。
こうした理由があったのです。
しかし、今回の映画は上でも述べたとおり、
岸本先生ご自身が手掛けられていることもあって。
しっかりとナルト自身の“成長”も描かれています。
“僕にしか描けない、NARUTO映画です”という
岸本先生のコメントもこうして見ると色々と
感慨深いものがありますね。
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