まつやまひろしの“抜けないトンネル”第79回 | ゲーム制作会社 サイバーコネクトツー 松山洋の「絶望禁止」ブログ

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定期的に最新の“思っていること”や弊社で刊行した書籍に掲載したコラムのアーカイブを掲載していきます。

電撃マオウ2012年6月号コラムより


▼これまでの「抜けないトンネル」コラムアーカイブ
http://ameblo.jp/cc2-piroshi/themeentrylist-10075270773.html


■第79回“ウチらは別に家族でも友達でもない。
けど一緒に作ってきた仲間です。
せめて腹くらいわって話さんと、魂の合うてるもん
作れるか!!”


最近また、韓国映画にハマっています。
(※2012年当時)

昨年2011年の個人的ナンバーワンはぶっちぎりで『アジョシ』だったのですが
どうやらそれがきっかけとなって、久しぶりに韓国映画熱が上昇したのでしょうか。
現在、片っぱしから観ています。

ずっと(気分的にも)避けてきていた、いわゆる“復讐三部作”。

第二弾となる『殺人の追憶』だけ観ていて、
第一弾の『復讐者に憐みを』と、第三弾の『親切なクムジャさん』
観ていなかったのです。
で、ようやく『復讐者に憐みを』から観はじめました。

やはり、よく出来てますね。
ただ、“よく出来てる”の範疇でした。

以前、『殺人の追憶』や『オールドボーイ』、『チェイサー』、『悪魔を見た』
観た時のような衝撃や戦慄ほどではありません。

これらを観た時には感情をごっそり持っていかれ過ぎて、
上映後に自分の拳が開けないくらい怒りに震え、
拳を開いた掌からは血がにじんでいました。

映画館を出るときにも、食欲もなく放心状態。
別に自分が主人公でもないのに、
“あの時にああしておけば良かったのでは?”などと、
完全に頭の中でグルグルと考えてしまうのです。

当然、その日は夜もうなされます。
夢に出てきます。

そんな感覚。

一部の韓国映画にはそういうパワーがあるのです。
そもそもテーマ的にも人間のタブー(禁忌)のひとつである“復讐”を
描いていることもあって、一度感情移入してしまうとなかなか抜け出せません。

いつも、観終わった後にも“後味の悪さ”が残ってしまう韓国映画ですが、
それを昨年の『アジョシ』は(私の中での先入観を)変えたのです。
(※2012年当時)

“なんだよー、ちゃんと気持ちよく作品を仕上げることもできるんじゃん!!”と。

そんなきっかけから、現在いろいろと貪るように韓国映画を観まくっています。
たぶん、今の時期の私の中のバイオリズムがそうさせているのかもしれません。
その正体はわかりませんが。

ということで。

これから『親切なクムジャさん』と『母なる証明』と『ビー・デビル』と
『シークレット・サンシャイン』と『息もできない』を観ます。
(※2012年当時)

しかし、韓国映画って恋愛モノも名作が多いと思うのですが。
恋愛モノと復讐モノって、なんで、こう、両極端なんでしょうね(笑)。

【ひろしの今月の逸品】

『大東京トイボックス』が大好きです。
最新単行本8巻も買いました。
(※2012年当時)

前作の『東京トイボックス』から繋がってますので、
当然前作からずっと好きで好きで読み続けています。

前作が未完で連載終了した時にはすごくショックで……。
それこそ心にぽっかり穴があいたものですが。

装いも新たに『大東京トイボックス』として連載がスタートして、
早6年。
『東京トイボックス』の倍以上の期間、
連載も継続中で嬉しい限りです。(※2012年当時)

しかも最近はお話のスケールも大きくなって、ゲーム業界が抱える
“少年犯罪とゲームの暴力表現の因果関係”や
“レーティング”などのデリケートな問題も扱っています。

大きい会社特有の政治などの“会社モノ”としての要素も
描かれています。

が、それでもドラマの中心にあるのは人情や心意気、
そしてキャラクター達の不屈の魅力だったりするワケです。

まあ、私自身がゲーム業界で働いていることもあって、
読んでいて間違いなく面白いのですが。

同じゲーム業界で本作を読んでない人って
どれくらいいるんでしょうか?

あ、もちろんゲーム業界の関係者じゃなくっても
ちゃんと面白いですよ?
そこは 保証します。

8巻の帯で伊坂幸太郎氏が
“このマンガを誰かに勧めて、喜ばれなかったことがありません。”
と書かれていることが全てだと思います。

電撃マオウ2012年6月号コラムより


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